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動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
プロフィール

つきまるにゃん

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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動物達の不思議な生態の秘密
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2018.12.18_17:32
その話は『 後ほど』

「先生助けて~」
タオルに包まれ
顔面血だらけの猫ちゃんが運ばれてきました。
すぐに診察室に入ってもらいました。
真っ黒でまるまる太った猫ちゃんが
診察台の上でタオルにくるまれ、震えていました。
「お名前は?」
飼い主さんにたずねます。
「“さくら”」
「5年前にね、花が散り始めた桜の木の下で
段ボールに入って捨てられていて・・・。
その時ひたいに
桜の花がくっついていたのが可愛くて・・・。」
「名前の由来は“後ほど”聞きます、どうしました。」
「杏ちゃんとケンカしたの」
「杏ちゃんは雄のネコちゃんで家に来て10年は経つかな・・・。
完熟の杏を近所の人からもらったから、
ジャムを作っている時に家にきたから・・・。」
「名前のことは“後ほど”聞きますから・・・・。」 
「いつケンカしたの?」
「30分ほど前」
「“さくら”が寝てばかりで寂しそうだったので
杏のいる部屋に連れていったの、
そしたらいきなり“杏”がシャーって怒って、
さくらの頭を左右の手で
それぞれ1発それぞれ1発づつ“パンチ”、
杏ったら、頭を下げたサクラの頭を
さらに続けざまに5発、殴ったのよ、
杏は普段からちょっと暴れん坊でね、
爪も切らしてくれないし・・・。
その時、止めようとしたあたしの足もパンチしたの・・・。」
「見て、ちょっと赤く傷になってしまったの・・。」
飼い主さんはおもむろに自分のズボンのすそをあげだし、
僕にパンチされたところを見せようと・・・。
「飼い主さんの足の傷はまた“後ほど”診ますから、
まずはさくらちゃんを診察します。」
さくらちゃんの顔の血液を拭きとってみると、
右目の上がぱっくりと裂けていました。
杏ちゃんの爪が見事に食い込んだ様子。
すぐに傷口を洗浄し、縫合しました。

治療終了後飼い主さんと“後ほど”の話をたっぷりと聞きました。
飼い主さんの話をざっくりまとめると、
さくらちゃんは推定5歳の去勢済みの男の子。
人と食べることは大好きだけど、
杏ちゃんのことは苦手の様子。
とってものんびりや。
杏ちゃんは推定10歳の不妊済みの女の子、
家族のなかで、息子さんにだけ懐いていて、
息子さんが会社から帰ってくると
お膝の上にのってゴロゴロ。
しかし、他の人にはいっさい触れさせないとのこと。
さくらちゃんのことは大嫌いな様子。
5LDKの大きな家に住んでいて、
普段はそれぞれ別の部屋で暮らしている。
そんな、さくらちゃんと杏ちゃんを、
飼い主さんは、いつも寝てばかりで退屈そう、
離れ離れで寂しそうと思い、
時々、今までも杏ちゃんの部屋に
さくらちゃんを連れていっていたそうです。
そのたびにサクラちゃんはパンチをされていた様子。
今まで怪我をしたことはなかったらしく、
こんな傷は初めてといっていました。
「いつもは、しばらくすると仲良くなるの?」
僕がきくと、
「パンチの後は、杏は、タンスの上に行ってしまい、
さくらは反対側の本棚の隙間に隠れてしまうの、
そこから引っ張り出すのが大変」
全く遊ぶどころか近づきもしなかった。

猫はひたすら眠る。
猫は一日のうち16時間以上寝てすごします。
特にお年寄りの猫はトイレとゴハン以外は
ほとんど寝て過ごします。
これはネコの本能。
完全肉食の猫は狩りをして餌を得ていました。
狩りはとっても体力を使うため、
エネルギーを温存するために寝て過ごします。

猫は一人が落ち着く
猫は本来、単独行動する動物です。
ネコ科のなかでライオンだけは群れをつくって生活します。
そんなライオンでも血のつながらない雄同士は一緒にいません。
野良猫たちも、生まれて半年ぐらいすると母親から離れ、
一人での生活を始めます。
猫たちは待ち伏せ型の狩りをするため、
仲間といるより一人の方が気配を消しやく、
狩りがしやすいのです。
そのため、仲間と一緒にいて助け合って暮らすより、
自分のペースで気ままに安心する場所で
自由に暮らしたいのです。
猫は一人でも寂しくありません。

ただし、家ネコは1万年前に野性を捨て
人間と一緒に暮らし始め、
狩りの代わりに
人からゴハンをもらうようになりました。
狩りの能力を、人に甘える能力に変えてきました。
ゴロゴロ喉を鳴らす、
ごろっとお腹を出してニャ~、
頭をスリスリ
つぶらな目でこちらを見ながら顔を傾げる、
ざらざらした舌で顔を舐めてくる、
全てこれは、狩りの代わりに、ゴハンを得るための戦略です。
他の猫に甘えてもご飯をもらえないので、
一人が好きなのです。
でも人間と暮らして長いので、
人間たちは、
猫同士でくっついて寝ていると
可愛く思いゴハンをもらいやすくなる、
他の猫とくっつくとあったかいなどの理由で
他の猫と仲良くする子もいます。
あくまでも戦略です。

さくらちゃんと杏ちゃんは同じ部屋にいることはストレス。
杏ちゃんは本来の狩りをする、
猫の本能を持っているネコちゃん。
1人縄張りでじっと獲物を待ちたいのです。
その縄張りにさくらちゃんが入ってくると、
その縄張りを守ろうとパンチをして追い出します。
さくらちゃんが杏ちゃんの部屋に入るということは、
自分の縄張りで獲物を待っているところに、
じゃまものが来たことになります。

さくらちゃんと杏ちゃん、それぞれの部屋があるのでしたら、
それぞれの安心する場所で、
別々に暮らさせてください。
寂しくありません。
一緒にしてもストレスを感じるだけ、
一緒にするのはやめましょう。
相性が悪い猫同士同じ部屋で飼わなければならない時は、
段ボールなどで隠れる場所を作ったり、
高い場所に逃げる場所をつくるなどすると、
ストレスを減らすことができます。

杏ちゃん、さくらちゃんが初めてやってきた時の話、
息子が家出した時の話
旦那さんの行動があやしい話
などなど、“後ほど”の話はもりだくさんでした。
しかし、これは個人情報保護法のため、
残念ながらここでは書けません。







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12月23日(日)午後休診となります。

午前中は診療します。

年末年始休診のお知らせ

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2018.11.22_19:21

『Bohemian Rhapsody』

白いタンクトップにパツパツのパンツに太い皮のベルト
ピアノの前に座ったフレディ、
鐘の音を模したメロディを奏でる

♫ ママ~~~~~ ジャス キルダマ~ン ♫
 
これが大画面から流れた時、
僕も1985年のライヴ・エイドの75000人の観客の1人となった。
感極まった僕は涙が止まりません。

見てきました
“Queen”の
『ボヘミアン・ラプソディ』
天才の苦悩、孤独、葛藤、そして本当の仲間たち、
後半は泣きっぱなし、
泣いたことが妻にばれないように、
エンドロールが終わるまでに、涙を拭きとり、
終わるとともにトイレに駆け込み心を落ち着かせ、
涙の跡がないか確認しました。
妻も僕の顔も見ないで、会話もせずトイレに駆け込みました。
バカだな、泣いたことがわかっても恥ずかしくないのに。
僕はこの感動の時間を愛する奥さんと共有できとっても幸せでした。

映画の後はおしゃれなイタリアンのレストランでランチ。
僕は天才の孤独、家族の大切さなどを力説し、
映画の余韻を楽しんでいました。
妻は、朝コーヒーを飲みすぎたせいか後半トイレに行きたくなって困った
話をしていました。
映画を見に行く時はコーヒーを控えるは とのこと。
あれ?

映画に出てくる猫がいいんです。
フレディはツアーでお留守番の猫たちに
電話をかけるほど愛猫家。
多い時は10匹の猫たちと暮らしていました。
周りの取り巻きの人間は
Queenのフレディ・マーキュリーと付き合う。
人間はお金と名声をと特殊なセクシャアリテイを通して付き合う。
時には嫉妬や妬みも・・・。
しかし猫たちは違います。
ただフレディが大好きで、抱っこしてもらいたい、
撫でてもらいたい、一緒にいたいだけなのです。
捨て猫も含め、彼の生活にはいつも猫がいました。
Queenの最後のアルバムに収録されている、
「Delilah愛しきデライラ」は、
最愛の猫“デライラ”ちゃんに捧げる曲です。
お金も名声もセクシャアリティも関係ありません。
もしかしたら猫だけがフレディの唯一の理解者だったのかもしれません。

夜、久しぶりの休日、
珍しく中学生の娘と一緒に夕ご飯を食べました。
昼間の感動が続いている僕は娘に、
Queenのカッコよさなどを熱く語っていると、
娘が妻に向かい一言、
「どんな映画だったの?」
我が愛する妻は、
「ゲイだったから孤独だった男の話よ。」
え! そんな映画だったの、
あんなに感動していた僕は何だったの。







<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 〒143-0012 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
         日曜日は午後17:00までとなります。  
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アズサとサクラの6日間



アズサは長い首を曲げ、
その丸めた首の輪の中、サクラが体を丸めて寝ていました。
アズサはキリンの母さん、
サクラは生まれて6日目でした。

4月の下旬、動物園内の桜は満開でした。
夜10時に担当の木村から連絡、
「始まりました、すぐ来てください」
お風呂に入っていた僕は慌てて作業着に着替え動物園に向かいました。
この時の僕はまだ新米動物園獣医師でした。
アズサの出産が始まった様子。
僕がキリン舎につくと、アズサは寝室をウロウロ歩き回っていました。
アズサの陰部からはすでに前足が出ていました。
「足、出てからどのくらいたった?」
「30分ぐらいかな」
木村が答えました。
それから20分。なかなか生まれません。
僕にとってキリンの出産は初めて、
緊張で手の平は汗でビッショリです。
アズサの早かった呼吸がゆっくりとなることが多くなり、
陣痛が弱まってきた様子、
疲れも出てきました。
引っ張り出す?
気が立っているアズサ、うかつに近づくことはできません。
何もできないまま時間が過ぎていきます。

脚が出てから1時間ぐらい過ぎた時でしょうか、
アズサの呼吸が突然激しくなりました。
そして残りの力をすべて出すように、
足を踏ん張り、力みました、
次の瞬間、“ど~ん”と大きな音とともに
80kg近い赤ちゃんが地面に落ちてきました。
生まれました。

しかし、その直後アズサは足を滑らせて後ろ脚を大きく広げたまま、
開脚状態で座りこんでしまいました。
立とうと足に力を入れますが、
滑って立てません。
脚の健を痛めたアズサはその後2度と立つことはありませんでした。
体重1000kgを超えるキリンが立てないことは「死」を意味します。
キリンは立って生活する体のつくりになっているため、
長時間横になっているとすぐ床ずれができ、壊死していきます。
内臓にも負担がかかり動かなくなってしまうのです。

赤ちゃんキリンも地面に倒れたまま全く動きません。
本来ならお母さんが舐めて刺激をするのですが、
僕が赤ちゃんを藁でゴシゴシこすって刺激を与え続けました。
ゴシゴシを続けると、
赤ちゃん大きく息を吸い、呼吸を始めました。
頭もあげました。

キリンは頭を前後に振ってその勢いを使い立ち上がります。
アズサも立とうと頭を大きく、何回も何回も振ります。
そのたびに“どすん”と大きな音が響き渡りました。
頭がコンクリートの壁にぶつかってしまうのです。
頭は切れ、瞼もみるみる腫れあがりました。
キリンは高い位置にある頭に血液を送るため、
血圧がとても高いのです。
頭を壁にぶつけることは脳内出血の危険が、
飼育員と僕は、交代でアズサが頭を振らないよう押さえました。

パドックには満開の桜、
赤ちゃんの名前を“サクラ”としました。
そして、僕たちはサクラのためにアズサのオッパイを搾りました。
ほんの少ししか出ませんが、
アズサの愛情と免疫が入った初乳、できるだけサクラに飲ませました。

サクラが生まれてから3日たちましたが、
アズサは何も食べません。
足の関節は地面にこすれて赤く腫れあがり、
壁にぶつけた瞼は赤紫に腫れあがっていました。
角も一皮むけてしまいました。
立とうと頭を振る回数が確実に減っています。
首を曲げ、頭を背中に乗せて休む時間が増えていました。
サクラは僕たちが大きな哺乳瓶で人工のミルクをあげ、
足もしっかり、寝室を走り回るぐらい元気になりました。
疲れるとお母さんの所へ行き、
曲げている首にくるまれ寝ました。
アズサはそんなサクラを優しく舐めてあげました。
どこから入ってきたのか、
アズサたちの周りをサクラの花びらがヒラヒラと舞っていました。

サクラが生まれて6日目の朝。
アズサは自分の背中に頭を乗せて寝ているサクラを起こさないように、
そ~と頭を上げ窓の外を見ていました。
サクラと一緒にアフリカの広い平原を走っているのを想像しているのでしょうか。

やがて頭をゆっくり下げ、寝ているサクラの顔を舐めました。
そして自分の首で優しくサクラを包み込みました。
閉じた目の上の長いまつげがとっても優しい顔に見えました。
そして、アズサは、再び頭を上げることはありませんでした。

アズサとサクラの6日間、
2人にとっては幸せで大切な時間だったのかな・・。
アズサから僕はいろいろなことを学びました。



<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 〒143-0012 東京都大田区大森東1-5-2
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ヤギとハヤブサと新宿


高層ビル群、世界一の繁華街のある新宿、
そこにある小学校で
“ハッピー”と“スマイル”
2頭のヤギの親子が飼育されています。
娘は新宿生まれ、新宿育ちです。

周りの木にはツキノワグマの爪跡が残り、
庭のカリンの木ではマムシが日向ぼっこ、
イタチが毎朝、玄関の前に糞をしていくような、
長野の山の中に住んでいた僕。
東京で動物病院を始め何年もたちますが、
新宿に行くと、
いまだに高層ビル群の高さにびっくり、
新宿駅では迷子になります。
そんな田舎者の僕が
都会の“ヤギ”の飼い方指導と健康チェックをしてきました。

彼女らのおうちは校舎の中庭にあり、
庭付きの小屋の他、
3~4メートル離れた場所に、
もう一か所日向ぼっこ用の離れの部屋とお庭をもっていました。
新宿にです。
日当たりもよいうえ、風通しもよく、
その上静かで、ここは本当に新宿?と思わせるようなとってもいい環境です。

お世話は子供たちと、近隣のボランティアが行っています。
毛の艶もよく、人が大好き、
とっても愛されていることがわかります。

1万年以上前から人間と共に暮らし、
優しく、おっとり、のんびり屋のイメージのヤギ、
実はすごい運動能力を持ったアスリートです。
ロッククライマーが“やっとこさ登った崖”の途中に、
なんでもなかったようにヤギが立っていたりすることも、
木登りも得意です。
その秘密は蹄にあります、それぞれの足に2本の蹄(指)があります。
蹄の裏は外側が固く、真ん中が柔らかく、
それぞれの蹄自体が大きく開くなど柔軟性があるため、
凹凸の岩場や木に引っ掛けやすいのです。
またバランス感覚もすごい、
ゆらゆら揺れる細い枝の上でも落ちることなく葉をムシャムシャ。
あんなにまん丸で垂れ下がったお腹なのに、
インナーマッスルは鍛え上げられ、
柔軟で鍛え上げられた脚力を持っています。
動物園で飼育していた時も、
角材で橋を作ってあげると平均台のような橋を上手に上っていました。

ヤギは横長の独特の瞳をしています。
横長瞳と目が顔の横につくことによりとっても広い視野となり、
ヤギは振り向かなくても後ろが見えます。
素早く天敵を見つけやすい目です。
もっとすごいことに、この瞳が50度近く回転できるので、
下を向いて草を食べている時も、地面と水平に保ち広い視界を確保します。

紙を食べるの?
ヤギは食いしん坊で食べることが大好き。
目の前に紙を出すとムシャムシャ食べてしまいます。
ヤギは本来、葉や草を食べます、葉には糸のような硬い繊維があり、
これが消化しにくく、その繊維を消化するため
ヤギはお腹で微生物をたくさん飼っています。
その微生物が葉や草を分解して栄養に変えてくれます。
ヤギは微生物たちが食べやすいように、
胃のなかにある未消化の草や葉を再び口の中に吐き戻し、
奥歯でスリスリ小さくして胃の中に再び戻します。
紙は植物の繊維からできているので、
食いしん坊のヤギたちは食べ物と間違えて食べてしまいます。
しかし、日本古来からの和紙を除き、
現在の紙は、印刷したものはインク、
その他いろいろなものがまざっているので微生物が食べてくれず、
お腹を壊してしまいます。
あげてはダメ。

お腹が痛い時の治療はマッサージ
動物園時代、朝ヤギが倒れて動けないと連絡があり、
急いでヤギ舎に行きました。
ヤギ舎の飼料庫で、
パンパンにお腹の膨れたヤギがハアハアしながら倒れていました。
食いしん坊のヤギが夜中に寝室を逃げ出し、
飼料庫で一晩中、餌を食べていた様子。
食べすぎにより胃腸が動かなくなり、
お腹のなかで異常発酵、お腹にガスがたまり倒れてしまった様子。
あまりのガスで呼吸も苦しそう。
まずは立たせてお腹をマッサージすると
上から下から
“ブウ  バッフ ゲッフォ”
出るわ出るわ“げっぷ”と“おなら”
呼吸も落ち着き
自力でたてるようになったので、
次は散歩、ひたすら歩かせました、
その間も“ブウ  バッフ ゲッフォ”
あのまま倒れたままだと命の危険もありました。
食べすぎで命を落とすこともあるほど、
食いしん坊です。

ヤギは歩きながらウン〇ができる
ヤギのウンコは“チョコボール”と同じ大きさと形。
これにはとっても深いわけがあります。
僕がウン〇するのはトイレ、
壁に囲まれ、静かで、踏ん張れる環境です。
山を歩いている時、
どうしてもしたくなった時も、
必ず草むらや木の陰など囲まれた場所でなくては出来ません。
見渡しのいい草原では絶対できません。
囲まれた場所で止まって、座ってします。
しかし、ヤギは歩きながらでも、
ご飯を食べながらでも、
ウン〇をします。
チョコボール型ウン〇はとっても便利で、
踏ん張らなくてもポロポロと、
いつでも好きなだけ、どんな場所でもだすことができます。

僕がウン〇をしている時は全く無防備、
途中でとめることもできず、
意識は肛門に集中しているため、
目は開いてはいるものの全く情報収集の役を果たしていません。
もしそんな最中に“敵”襲われたら
あっという間に食べられてしまいます。
トイレの個室の鍵は“敵”に襲われないためにあるのです。


子供たちが見守る中、
僕は軽快に柵を飛び越え、
“ハッピー”を素早く捕まえました。
ハッピーもすごい速さで抑えたので、
暴れることもなく、おとなしく僕の横に座り込みました。
さっそく健康チェック、聴診器を当てました。
子供たちは“いつも気を付けてそっと近づくように”
と注意をされてきたため、
僕の大胆な触れ方に尊敬の眼差し。
「お~すげえ」などの歓声。
「先生、危ないよ、大丈夫」の声も
それに対し、
「先生ぐらいになると、
気配を消し、相手を怖がらせないことができる、何でもできる・・。」
すっかりムツゴロウさん気分で“ハッピー”を操っていました。
子供たちに目を見せて、
目について説明をしている時に、
僕のお尻をド~ンと、
“スマイル”が頭を下げて、
角で僕のお尻に体当たり、
僕は見事に転びました。
そういえばムツゴロウさんも蛇に巻き付かれていたな~。
「このように、ヤギちゃんたちは気まぐれ、
絶対油断しないように」
僕に対する憧れの目が、
信用できないという目に変わりました。

学校の帰り道、お尻をさすりさすり、
新宿を歩いていると、
高層ビルの間を1羽の鳥が颯爽と飛んでいました。
ビルの風を利用してクルクル回りながら上昇していきます。
カラスぐらいの大きさ、
お腹の黒い横じまから、この鳥は“ハヤブサ”
ビルを崖に見立てて、
大都会で暮らすたくましき鳥です。

新宿でヤギとハヤブサ
とっても楽しい1日でした。




<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
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2018.10.17_17:41
僕は先生

「みんな、耳を澄ましてください・・・。」
「ドッドッドッドッドッド」
教室の中に、一定のリズムの音が響きます。
「何の音?」
「心臓」
大きな声で子供たちが答えます。

僕は休診日に小学校で先生をしています。
今回は心音計を使い学校で飼育しているウサギとモルモットと
僕(人間)の心臓の音を聴く授業です。
心音に合わせみんなで手を打ってもらいます。
まずは僕の心臓に合わせて
パン  パン  パン  パン
次はウサギ
パンパンパンパンパン
今度はモルモット
パチパチパチパチパチ
教室にみんなの拍手が響きます。
モルモットは早いから大変。
それぞれスピードが違います。
ゆっくりは僕、次はウサギ、
1番早いのはモルモットでした。
心臓は小さく寿命の短い生き物たちは鼓動が早いため、
1番小さく弱い生き物のモルモットが早いです。

最も早い生き物は、
とっても小さなモグラの仲間のトガリネズミです。
1分間に1000回以上の心拍数があります。
それに比べゆっくりの生き物はクジラです。
1分間に20回という種もいます。
心臓の大きさも大きく
シロナガスクジラで180kgをこえます。
寿命も100~120才です。

心臓の数も1つとは限りません。
イカやタコはエラに2つと体の中心に1つ3つの心臓をもっています。
エラの2つの心臓は、エラに血液を送り込み血の中に酸素を送り込み、
その血液をもう一つの心臓が全身に血液を送ります。

今回の授業のねらいは、
「心臓の音を聞き比べて、生き物に生命があることの気づき、
 親しみの気持ちや大切にする思いを高める」ことです。
先生たちが“ねらい”決めてそれに合わせて授業を行いました。

子供たちには心臓の音を聞くことにより、
生きていることを感じてもらいます。
自分の胸に手を当てて、
自分の心臓の動きも感じてもらいました。

心臓が動いていることは、生きている証
「生きているって何?」 
お腹が空く 
ウンチをする オシッコをする
 楽しい 悲しい
 みんなと一緒で楽しい
 ケンカをする 
子供たちが元気に答えます。

この子たちとは1年生のときからの付き合いで、
もう少しで1年になります。
最初はモルモットを僕が捕まえ、
膝に乗せてもギャーギャー騒ぎ、触れることさえできなかった子も、
今では自分で素早く捕まえ、膝に乗せナデナデ、
モルモットも安心しきっています。
ウンコが汚いと言って大騒ぎしていた子も、
ウンチを素手でつかみ、とってもきれいに掃除をします。
この子が、モルモットに近づくとグルグル鳴きます。

僕は特に授業にねらいも、目的もありません。
ただ、小学生の時の僕がいろいろなものを飼ってとっても楽しかったので
生き物を飼う楽しさを感じてもらいたいだけ。
あと、僕が上手に動物を抱っこしたり、爪を切るのを見せて
獣医師って“カッコイイ”と思ってほしいだけです。

年が明けると、モルモットのお世話は1年生になります。
2年生の彼らがモルモットのお世話の仕方をおしえます。

この子たちと僕の付き合いもそろそろおしまい。
モルモットのお世話を通して、この子たちが少しでも
人間以外の生き物に興味を持ってもらえたらいいなと思います。




<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
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