動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
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つきまるにゃん

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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動物達の不思議な生態の秘密
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2014.04.10_18:40

油断

飼い主さんが僕を見ながら・・・。
「だ だ だぃ・・・ 大丈夫ですか?」
僕は
「だだだぃ だぃ・・大丈夫です。」
ひきつった笑顔で答えました。

僕の右手首には、
ネコの“ピーちゃん”が噛みついています。
そして、真っ赤な液体がタラタラとたれています。
その状態のまま、僕は“ピーちゃん”の目の治療を続けました。

“ピーちゃん”は半分野良ちゃんの猫
数日前から元気、食欲がないとのこと、
飼い主さんが好物の餌でつって、何とか捕まえ、
洗濯ネットに入れてつれてきました。
洗濯ネットの中では全く動かず、おとなしく、
注射中も微動だにしませんでした。
無事治療を終え、とりあえず ホッ としました。

すると、飼い主さんが
「そういえば最近目ヤニが多いのよね」
と一言。
治療を無事に終え、
最近噛まれることもなく
“いい気に”なっていた僕は、
何気なく洗濯ネットのチャックを開け、
“ピーちゃん”の顔を袋から出しました。
飼い主さんと話をしながら、
そして顔をおさえ、目を診た後、
目に軟膏をつけようとしたとき、
「シャー」の一言とともに、
僕の右手首にカプリ。

今回は完全に僕の失敗。
気のゆるみからの傷です。

臆病な猫ちゃんが病院に来るときは、
洗濯ネットに入れて連れてきてもらうにお願いしています。
洗濯ネットに入った猫ちゃんは、
網のため姿が丸見えなのに、
本人は隠れているつもりのようです。


ネコちゃんは、狭いところが大好き
どう見ても狭く窮屈そうなところに無理くり入り、
とっても無理な姿勢で寝ていることがあります。
足と足の間
頭の上
小さな洗面器の上
植木鉢の中
紙袋の中
帽子の中
体がはみだそうが
頭が下になろうが  関係なし
どう見ても無理な恰好なのに寝ています。
野生時代は、
ネコは自分を守るために、
普段は、敵に襲われにくい、
高い木の上や、
狭い穴で隠れて暮らしていました。
その本能が残っているため、
高い位置にある手すりの上にのったり、
体がぴっちりくっつくような狭いところがあると
ついついハマってしまうのです。
どうも猫ちゃんは“見える、見えない”という、
隠れているということより
挟まれている感覚が安心するようです。
洗濯ネットの中は網が体全体に触れているため、
丸見えでも安心できるのです。


実は僕も狭いほうが安心します。
旅館に泊まっても、部屋の真ん中に寝るより、
部屋の隅で体を丸めて寝るほうが熟睡できるのです。
本当はカプセルホテルが一番安心して寝ることができます。
僕の奥さんは広い部屋の真ん中で
大の字で寝るのが好きなようで、
これは、敵に見つからないようなところが安心する、
狩られる立場“小動物の僕”
敵のいない“猛獣のような奥さん”
“生態の違い”による違いです。

治療を終えたピーちゃん、
僕の手を噛んだまま洗濯ネットに入れると
やっと離してくれました。
この日の一番大変だった治療は
僕の傷の手当でした。





<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
         日曜日は午後17:00までとなります。  
 休診日 月曜日
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