動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
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つきまるにゃん

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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動物達の不思議な生態の秘密
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金メダリスト  ロス・レバグリアティ

「ふなきぃ~ ふなきぃ~」
テレビから聞こえる原田選手の声
僕は布団の中で“ふー ふー”熱でうなされながら
長野オリンピック『ジャンプ団体』をテレビで見ていました。
インフルエンザにかかり高熱を出していたのです。

1998年冬季長野オリンピック、
僕はボランティアとして参加していました。
僕が手伝っていたのはスノーボード大回転会場。
場所は奥志賀高原、長野市街地から車で2時間以上かかる山奥。
ここでの僕の仕事は駐車場の誘導員。
気温はマイナス10℃、1メートル先も見えない吹雪の中
大型観光バスの誘導をしていました。
連日の猛吹雪のため日程も大幅に変更されていました。
あまりの過酷さでボランティアの人たちが次々と体調を崩し減っていきました。
おかげで交代要員が減り、
僕の休憩時間も大幅に減っていきました。
数日後、猛吹雪もおさまり何とか大回転の決勝が実施されました。
残念ながら僕は駐車場整理、
競技実施中も駐車場で待機、
駐車場、会場内から聞こえる歓声と会場内の放送で
オリンピックの雰囲気を楽しんでいました。
競技も終了、僕も休憩時間となり休憩用のプレハブに戻る時、
神様が頑張った僕に“素敵なプレゼント”を
目の前に何と“ゴールドメダリスト”が現れたのです。
その選手は、大声で雄叫びをあげながら雪の中を転がって全身で喜んでいました。
僕はポケットからマジックをとり出し、雪の中を走って彼の前まで行き、
「こんぐらっちゅれーしょんず」
「ゆあー おーとぐらふ ぷりーず」
僕はマジックをわたし、背中を指さしました。
彼は雄叫びをあげながら、
でっかくスノージャケットの背中にサインをしてくれました。
その後、彼は両腕をひろげ“ハグ”までしてくれました。
筋骨隆々の体による“ハグ”は
僕の『乙女心』を刺激し、とってもうれしかったのを覚えています。
ゴールドメダリストの“サイン”と“ハグ”は
僕の一生の思い出と自慢になるはずでした・・・・。

翌日から僕は発熱、
その後の長野オリンピックは布団の中での観戦でした。

いやいや いかんいかん
これでは動物たちの生態がでてこない、
この志賀高原は溶岩台地で亜高山帯針葉樹林の原生林が残っており、
多様な生物が生息しています。
温泉に入るので有名なニホンザルをはじめ
ツキノワグマ・カモシカ・オコジョ・ヤマネ・ノウサギ
テン・リス・タヌキ・キツネなどなどたくさんの生き物が生息しています。
この時の朝一番の楽しみは除雪前の駐車場、
昨晩降った新雪には、たくさんの足跡が残されていました。
横に並んだ2つの足跡の後ろに縦に2つ並んだ足跡、
この特徴的な足跡はウサギです。
これはジャンプしながら進んだ証拠、
前の横二つは後ろ足、後ろの縦2つが前足の跡というちょっと不思議な足跡です。
タヌキとキツネの足跡の違いは
1直線に真っ直ぐはキツネ、
くねくね、うろうろして曲がっている足跡はタヌキです。
タヌキは雑食、
隠れている獲物や落ちている木の実などの餌を、
ウロウロ探しながら歩くのでくねくねなのです。
キツネは肉食、ウサギやネズミ、鳥などを食べます。
キツネは動く獲物をハンティングするため最短距離で移動するのです。
ウサギの足跡の後ろに、かさなるようにキツネの足跡、
時にはキツネの足跡の先に赤く染まった雪があることも。
昨晩に起こったドラマが想像できます。
冬は、草もなく木の葉もないため森の見通しは格段に良くなります。
また、雪は生き物の足痕ばかりでなく、糞などを見つけやすくします。
足跡の先に糞を見つけたら、分解してみると動物の骨がでてきたり、
種が出てきたりと何を食べていたのかがわかります。
足跡と糞から彼らの生活を想像するのはとっても楽しいのです。
冬のカモは、雄と雌の出会いの季節、
雄は冬になると派手な洋服(繁殖羽)に着替え一番綺麗になります。
足跡から動物たちの出来事を想像したり、
見通しの良い森で鳥を観察したり、
川や池で綺麗なカモを観察するのは冬が一番です。

長野オリンピックの僕の自慢のもう一つは、
女子モーグルのゴールドメダリスト「里谷多英」、
彼女が滑ったモーグルコースをつくったのは僕です。
正確には滑った雪をつくったのですが。
僕はオリンピックが始まる2か月まえから、
週1~2回夜中にモーグル会場に泊まり込み、
人工降雪機による雪づくりを手伝っていました。
夜中に3人でリフトにのって山頂まで行き、
歩いて降りながら人工降雪機の水の量を調節したのです。
水が多いと雪にならず、少ないと雪がたりないと、
その微妙な調整がとっても大変だったのを覚えています。
時には水を多く出しすぎ全身に水を浴び、
体中に氷がついたこともありました。
里谷多英の金メダルの影には僕の努力があったのです。
もし、僕が雪をつくらなかったら金メダルはなかったのです。
あの金メダルは僕のおかげです。


僕のサインをもらった選手は
カナダの選手『ロス・レバグリアティ』
スノーボード大回転“ゴールドメダリスト”
その夜、僕はスノージャケットを抱きしめて
幸せな気分で寝ました。
翌日の新聞にでかでかと『ロス・レバグリアティ』の写真が、
あれ?でも扱い方が違う
『ロス・レバグリアティ、金メダル剥奪』
剥奪?
何とメダル獲得後の検査でマリファナが検出されたとのこと
あのハイテンションとハグの意味はこれか・・。
あのサインは金メダル剥奪された人のものということになりました。
残念

よろしくお願いします。



<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
         日曜日は午後17:00までとなります。  
 休診日 月曜日
   
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No title

こんにちは。先日はお仕事中にもかかわらずお相手頂き、どうもありがとうございました。

長野の冬の森、懐かしいなあ。サルの群れと向かい合ってお茶を飲んだり、アカネズミに餌をねだられたり、ふと気付くと目の前にカモシカがいたり…、寒さ(雪)のせいで人間臭さが消えるのか、冬は動物たちとの距離がちょっとだけ近くなるような気がします(単になめられていただけかも…)。

それにしても金メダリストにもらったサイン、笑撃のオチですな(^^
渡辺 | 2014.02.12 18:05 | edit

Re: No title

コメントありがとうございます。
先日は楽しい時間ありがとうございました。
僕は雪が降った後の夜中に山を歩くのが大好きです。
雪はすべての音を消し去り、自分の足音だけしかきこえません。
月明かりが反射した雪は森を照らしだし、とっても幻想的な姿になります。
先日の大雪の時、東京の街も夜中に歩いてみました。
人もいない町は雪が音を消して違う街のようでした。
今も雪が降っています。
今夜も僕は街に繰り出します。






> こんにちは。先日はお仕事中にもかかわらずお相手頂き、どうもありがとうございました。
>
> 長野の冬の森、懐かしいなあ。サルの群れと向かい合ってお茶を飲んだり、アカネズミに餌をねだられたり、ふと気付くと目の前にカモシカがいたり…、寒さ(雪)のせいで人間臭さが消えるのか、冬は動物たちとの距離がちょっとだけ近くなるような気がします(単になめられていただけかも…)。
>
> それにしても金メダリストにもらったサイン、笑撃のオチですな(^^
つきまるにゃん | 2014.02.14 09:38 | edit

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