動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
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つきまるにゃん

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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動物達の不思議な生態の秘密
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2014.01.15_12:07
僕の朝食

「ソーセージつけようかな?」
朝の7時、僕はファミレスで朝食を選んでいました。
卵を付けた僕は、
「これ以上の肉類は食べられないな」
「ヨーグルトにしよ」
僕の朝食はコーヒーとパンとサラダ、時々卵
もしくはご飯とみそ汁と漬物で十分です。
少し前まで、「すき家」に入ると牛丼を食べていたのですが、
現在は肉のない朝定食を注文します。
最初に運ばれてきた“お代わり自由の薄いコーヒー”を飲みながら、
新聞を読んでいました。

“ジュワーピチピチ”
鉄板の上の肉汁がはじける音が静かな店内に響きました。
新聞のわきからその行先を見ていると、なんと僕のほうに向かってきました。
僕の右隣はぼくよりも30歳以上は年上の爺さん。
左となりは10歳ほど若い美しい女性。

そのステーキは男性の前に置かれました。

動物は一般に食べる餌の種類から
「肉を食べる肉食動物」「植物を食べる草食動物」「両方を食べる雑食動物」に分けられます。
動物の基本は肉食でした。
動物が生きていくためには、蛋白質が不可欠であり、
植物には蛋白質がほとんど含まれていないため、
肉を食べる必要があり、最初はみんな肉を食べていました。
しかし、動物は進化の過程で海から陸へ上陸しました。
その陸には“植物”という資源がたくさんありました。
そして、それを食べようという動物が現れたのでした。
その結果、植物だけで生きていける草食動物が生まれたのです。
ちなみに、進化の過程で最初に上陸した両生類は、今でもすべて肉食です。
動物達の祖先の魚も、一部を除きほとんどは肉食です。
※草食の魚は、淡水魚ではフナ、草魚、海水魚ではクマノミなど

では草食動物は植物には含まれない蛋白質をどうやって、
手に入れたのかというと、
草食動物は、お腹の中に微生物を飼い始めました。
消化管の中で生息している微生物は、
草食動物が消化できない植物の繊維をかわりに分解してあげます。
そして、この微生物は繊維を分解しながらお腹の中で増えます。
この微生物には蛋白質を多く含んでいるので、
草食動物はこの微生物を消化することにより蛋白質をとるのです。
草食動物もお腹の中の微生物を食べているので、ある意味肉食です。
草食動物の代表の牛や羊・キリンは体重の4分の1にもなる反芻胃をもっており、
この反芻胃に大量の微生物を飼っています。
反芻動物は消化できなかった草をもう一度口に戻し細かくし直す、
“反芻”という裏技までおこないました。
また植物は消化しにくいために長い腸をもちました。
最も効率的に植物を利用するシステムをもつことになりました。
ただし、巨大な胃をもつため体が重く、早く早走ることができなくなりました。
馬やネズミ・ウサギは、胃ではなく盲腸にたくさんの微生物を飼っています。
比較的小さい消化器ですむため体が軽く早く走ることができるのですが、
栄養分は盲腸の前にある小腸で吸収することが多いため
栄養の吸収効率が悪く、
必要な栄養(必須アミノ酸)を得るためには、たくさんの草を食べる必要があります。
しかし、たくさん食べることによりカロリーを摂りすぎてしまうことになり、
そのままではデブになってしまいます。
そのため、余分なエネルギーを消費するために彼らはせっせと走ります。
肉食の動物の胃は消化酵素をたっぷりだして蛋白質を分解する能力にたけています。
肉は消化しやすいため、腸の長さが短いのが特徴です。

犬・猫は草食?肉食?雑食?
犬や猫も胃で蛋白質を分解する消化酵素をたくさんだしています。
逆に植物に多く含まれる炭水化物を分解する能力は低く、
特に猫は炭水化物をほとんど消化できません。
4つの胃も大きな盲腸もなく腸も短いことから基本的に肉食です。
消化管も短く、歯や顎は肉を引き裂き、
骨をかみ砕くようにできているので肉食です。
あれ、「うちのワンちゃんキャベツ大好き」とか
「猫に“猫まんま”あげてたよ」という方が多いと思いますが、
これは人間と一緒に生活することによって、食べられるようになったというか、
植物の栄養もゆっくりではありますが消化吸収できるように適応したのです。
適応はしましたが、基本は肉食のため、
肉(動物性たんぱく)なしで栄養不足になってしまいます。
特に猫のほうが肉食に近い体になっているため肉を食べる必要があります。

人間はどうかというと、
体の大きさと比較した腸の長さは、
犬や猫より長く、牛より短い。
歯は肉食のための犬歯をもちながら、
草食のための大きな門歯と臼歯があるなど、
草食と肉食の両方の特徴をもっています。
また、唾液の中の消化液はデンプンを消化する機能をもっており、
肉食にはデンプンの分解が必要ないので唾液からは草食動物といえます。
このことから、犬や猫よりも植物をたくさん食べる、雑食動物といえます。

そして現在の僕は肉食動物から草食動物に変わってきた様子。
以前は、
朝「すき家」で牛どん大盛り、
昼「ラーメン二郎」大、野菜マシマシ、脂、にんにく多め、
夜は牛角で焼肉、
胃もたれなど無縁だったのですが・・・・。
現在はこれを書きながら想像しただけで
“胃もたれ”をしています。

人は年をとると、
体が肉を受け付けなくなった、
たくさん食べると翌日までお腹が空かない、
脂ものを食べると胃もたれがするなど、
胃の老化を感じることがあります。
胃の老化って?
胃は中に食べ物が入ってくると胃液を出します。
この液とともに蠕動運動を行うことによって食べ物を消化します。
しかし、年をとると胃液の量がだんだん少なくなってきます。
少なくなった胃液を補うために、
胃は蠕動運動を一生懸命しなければならなくなり、
胃はたくさん動き、体全体が疲れてしまいます。
この疲れが胃もたれや胃のむかつきとなります。
そうならないように、体が消化の良いものを欲するようになります。
爺さんはなぜ朝からステーキが食べられるの?
実は、胃の動きは年齢の変化よりもストレスや食生活に影響されるので、
年齢の変化がないことが多いのです。
胃の年齢は実年齢と大きく違うことが多いのです。
その結果として、
ソーセージを食べない僕と、
朝からステーキを食べる老人が
隣り合って一緒に朝食をとることになったのです。

“ジュワーピチピチ”
またまた僕のほうに向かってきました。
今度は左となりの女性に。

僕はコーヒーをお代わり
爺さんはご飯をお代わり
爺さんカッコイイ
今年の目標
“朝からサーロイン300g”
爺さんに負けないぞ。

ちなみに今日の昼食は
胃にやさしい“五穀米の雑炊”です。




よろしくお願いします。



<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
         日曜日は午後17:00までとなります。  
 休診日 月曜日
   

 


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