動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
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つきまるにゃん

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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動物達の不思議な生態の秘密
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2013.08.10_22:03

ばれています

“ピョッコタン ピョッコタン” 飛び跳ねるように
やや太り気味のミニチュアダックスの“モコ”ちゃんが診察室に入ってきました。
大きなサングラスをつけ、白い手袋、腕には黒い腕カバー、
フリルのついた日傘をもち、日焼け対策完璧なお母さんが連れてきました。
“モコちゃん”も
首にクールカラー(首から冷やす保冷剤)
体にはクールベストを着て
暑さ対策万全でした。

「先生、さっき偶然にね、
銀行の前で10年ぶりに妙子ちゃんにあったのよ、
妙子ちゃんは高校時代の友達でね・・・。
彼女の旦那さんが単身赴任で、
そこでどうやら、あやしい行動をとっているらしいのよ、
それでね・・・・・・・・・。」
15分ほど妙子ちゃんの話を聞いていると、
やっと、“モコちゃん”の話になりました。
今度はモコちゃんが初めて家に来たときの話から
隣の家の柴犬のタロウに噛まれた時の話、
虫を食べちゃった話などが
さらに10分程話が続き、
まってました、ついに
“モコ”ちゃんの症状の話になりました。

要約すると、
『妙子ちゃんの旦那さんは保険会社に勤務しており、
主に保険レディーの管理が仕事で、
その中の一人と・・・・・・。』
あ~違った。
『銀行の前で話を終えて妙子ちゃんと別れ、
10メートル程歩いた時、
“モコちゃん”が突然“ピョッコタン ピョッコタン”
へんな歩きかたを始めたそうです』

診察台にのせ足を見ると、
肉球の皮が水膨れになり、一部皮膚が剝けていました。

肉球 
肉球は陸上で生活する食肉目の動物の足の裏に見られる、
プクプクし毛の生えていないとっても気持ちのいいところ。
熱烈なファンも多く、ここを嫌いな人はいない程、人気があります。
犬や猫のほかクマ・トラ・ライオン・レッサーパンダ・イタチなどにもあります。
ちなみに僕は上の動物のすべてに肉球に触れたことがあります。

肉球って何
表面は皮膚の角質層が厚くなったもので、
一番外側は爪のような硬いケラチンで覆われています。
中身は脂肪を多く含んだ弾性繊維が網目状に重なっており、
この構造によりあのプクプク感となります。
このプクプクは僕たちが楽しむためにあるのではなく、
この厚くて弾力のある肉球は、
歩く時やジャンプして着地する時の衝撃を和らげる
クッションの役割をしています。
バスケットシューズの靴裏のゴムと同じです。
そのほか、弾力により消音効果もあります。
寝ている時いつのまにか枕元にネコちゃんがいて驚いたことありませんか?
この肉球があることにより、
ほとんど足音をさせずに歩くことができるのです。
しかし、食肉目に肉球があるのは僕たちを驚かすためでなく、
獲物に気付かれずに近づけるためにあるのです。
草食動物はいつでも逃げられるように、
立っている時間が長く、
餌をもとめ長い距離を歩けるように、
柔らかい肉球ではなく硬い爪 “蹄”をもっているのです。
短距離走のシューズは柔らかく、
長く歩く登山靴は厚く硬い靴底なのです。
また同じ肉球でも犬たちは群れであちこちを歩きながら狩りをするため、
ネコに比べ硬い肉球をもっています。

犬もネコもクマもレッサーパンダも、
おっぱいを飲んでいる時の肉球は、ピンク色で
とっても柔らかくプニュプニュ、
まるで作りたての大福のよう、とっても気持ちいいのです。
そんな肉球も自分一人で行動を始め
たくさん歩きだすとだんだん硬くなり、
色も黒く変わります。
高齢の犬などは肉球が硬くなりすぎて、
鏡開きの鏡餅のようにひび割れたりします。

室内で生活している犬は、比較的柔らかい肉球をもち、
野外で生活している犬は硬い肉球になります。
ネコもノラ猫の方が硬い肉球を持っています。
肉球の硬さはこのように生活環境に影響されます。

肉球をプニプニしていたら濡れてきてびっくりすることがあります。
これは肉球の間には汗腺があるためです。
僕が緊張すると掌に汗をかくように、
犬、猫も緊張したり恐怖を感じると肉球に汗をかきます。
運動した時や暑い時も汗をかきます。
肉球が濡れると滑りにくくなるという効果があります。

さて“モコ”ちゃんはというと、
肉球の「やけど」でした。
とってもお利口な“モコ”ちゃん、
お母さんがお話をしている間、
アスファルトの上でお座りの格好でじっとまっていたのです。
熱くてもお母さんが動くまでその場でじっと耐えていたのです。
クールカラーにクールベストと暑さ対策は完璧だったのですが・・・。
暑さ対策完璧のお母さんも、
妙子さんの出現と、
足の裏は計算外だったようで。
この時期のアスファルトは、フライパンの上のよう、
ためしに裸足でアスファルトの上に立ってみてください。
30秒も我慢できませんから。
その他砂浜も要注意、
焼けた砂が肉球の間に挟まってやけどすることもあります。

硬い皮膚の肉球もしょせんは皮膚です。
ガラスの破片で外傷をおったり、やけどをすると、
ぷっくりと膨らんでいた肉球はぱっくりと割れてしまいます。
この皮膚は硬く血管が少ないため、
一度傷つくと再生が遅く、
その上つねに負荷がかかる部分でもあり、
治るのに非常に時間がかかります。
包帯もしにくいため、やけどやケガをさせないことが大事です。

まだまだ暑い日が続きます、
思った以上に地面は焼けています。
立ち話は日陰の土の上で。
もしくは飼い主さんも裸足になり、
我慢できる時間だけにしましょう。

最後に
妙子さんの旦那さん
     “ばれてますよ~”


よろしくお願いします。



<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
         日曜日は午後17:00までとなります。  
 休診日 月曜日
 8月11日(日)午後から8月16日(金)午前まで休診となります。
 8月16日(金)午後は通常の診療となります。



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モコちゃんに花束

お母さんの事が大好きなモコちゃん. .
アンヨは治ったかしら。私も気をつけなければ.
でも心配無用かも!うちの子は、こんなお利口さんに育つわけないかな~~
はな | 2013.08.25 23:43 | edit