動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
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つきまるにゃん

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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2013.06.28_00:38
でんでんむし

梅雨の6月、公園のアジサイの葉に、
小さな“でんでんむし”がいました。
僕はついつい手に乗せてみました。
飼いたい 飼いたい 飼いたい・・・。

小学生の僕は、梅雨時期になると毎年“でんでんむし”をつかまえ飼いました。
飼育ケースにたっぷりのキャベツを入れ、
霧吹きでケース全体を湿らせ大小たくさんの“でんでんむし”を飼っていました。
2日もほっておくと、この時期の気温と湿度は、キャベツを、溶かして腐らせ、
部屋中に悪臭をはなちました。
そして、必ず母親に怒られました。

“カタツムリ”は
陸上に住む巻貝の仲間で、
背中に大きな殻をもつものを、カタツムリと呼び、
殻のないのがナメクジです。
カタツムリは殻があるため、別名“でんでんむし”と呼ばれるほど
みんなに親しまれ人気のある生き物です。
殻があるカタツムリを好きな人はたくさんいますが、
殻のないナメクジを好きな人はほとんどいません。
ナメクジは好かれるどころか嫌われています。
殻があるないだけでこんなにも差がでるなんて・・・。

カタツムリとナメクジは同じ仲間の生き物ですが、
ナメクジに殻が生えることはありません。
カタツムリの殻は体からしみだした石灰分で、体の一部としてつくります。
そのため体の大きさに合わせ成長します。
ヤドカリは成長に合わせ、巻貝の殻をさがし、
洋服のように着替えながら生活します。
ヤドカリの殻は洋服のため、脱いでも死にません。
しかしカタツムリの殻は体の一部、皮膚のようなものであり、
血も通っているので、
殻を体から引きはがすと死んでしまいます。
カタツムリの殻は小さい穴なら自分の力で修復(治療)します。
そして、このカタツムリの殻にはとっても大事な役割があります。
一番大事な役割は外敵から身を守ること。
カタツムリのヤリ(触角)をツンツンとすると、
すぐに殻のなかに体を引っ込めてしまいます。
外敵だけではなく、
天気のいい日は、体を殻の中にひっこめ、太陽の光や乾燥から体を守ります。
寒い冬は体を殻の中にいれ、じっと春がくるのを待ちます。
ちなみにカタツムリの赤ちゃんも小さな殻をもっています。

生きているカタツムリの殻はいつもとってもきれいです。
いつも綺麗でいられるのには、秘密がありました。
殻がいつもきれいなことに注目した、家の外壁を作っている研究者が、
殻に細かく規則正しい溝がついていることを発見しました。
この溝は表面に水の薄い膜をつくりだし、殻自体を乾燥から守ります。
またこの薄い水の膜は汚れを自然に浮かしだす効果があります。
そのため汚れが付きにくいのです。
この研究者は、カタツムリの殻のつくりを参考にして、
汚れない外壁タイルを作り出しました。


カタツムリの歩いた後には、キラキラ光る粘液の線ができます。
カタツムリのこの粘液の成分にはアラントインという成分が含まれており、
傷の修復、皮膚の再生を助けてくれます。
荒れた肌を修復してくれるのです。
その他コラーゲン・コンドロイチンも含まれています。
たくさんカタツムリを飼って、
夜寝るときに体中にカタツムリを這わせれば
肌がつるつるピカピカになります。
それができないかたは、
このカタツムリから抽出したこの成分が入ったカタツムリクリームが販売されています。
これもカタツムリだから売れるのですが、
同じ成分の粘液をナメクジも出しますが、
ナメクジクリームだとしたら売れなかったでしょう。

僕のカタツムリ好きな理由として“ツノ(触覚)”があります。
頭の上についているこの大きなツノの先には、まるい目がついていています。
手にもってカタツムリの顔を近くで見て下さい、まるで宇宙人です。
スターウォーズのお調子者ジャージャービンクスそっくりです。
この目はほとんど目の機能がなく、明るい暗いという明るさを感じる程度だそうです。
そのため、僕が捕まえようと手を伸ばしても、
カタツムリは僕の手が近づくのを触覚に触れるまで気付かず、
触れて初めて僕に気付き引っ込めるのです。
こんなに簡単に捕まえることができる生き物もめずらしい。
こんな間抜けな所も好きな理由です。
口の横についている小さなツノ(触覚)は味や臭いを感じます。

カタツムリにはとっても恐ろしい敵がいます。
ロイコクロディウムという寄生虫です。
何が恐ろしいかというとこの寄生虫、カタツムリの体内に入り、
カタツムリを操るのです。
カタツムリは普通、天敵の鳥などに見つからないように
葉っぱのかげに隠れているのですが、このロイコクロディウムに寄生されると
自分の意志に反して、鳥に気付かれるように目立つ場所に移動させられるのです。
ロイコクロディウムはカタツムリを操るのです。
その上、ロイコクロディウムはカタツムリの触覚に移動し、
その触覚の中で伸びたり縮んだりします。
これが鳥から見るとまるでイモムシに見えるのです。
鳥はカタツムリを襲います。
ロイコクロディウムは今度鳥に寄生します。
鳥の中で成虫になり卵を産み、卵は鳥の糞と一諸に排出されます。
その糞をカタツムリが食べます。
この寄生虫基本的には人間には寄生しないのですが、
間違って寄生すると死に至る危険もあります。
安心してください日本にはいませんから。

手の上のでんでんむし、
僕は目の前に近づけ大好きな触覚を観察。
殻に触れたり、手の上を這わせて思う存分楽しみました。
大人の僕はそっとアジサイの葉の上に戻しました。
さて今からスターウォーズのDVDでも見ましょ。

よろしくお願いします。



<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
         日曜日は午後17:00までとなります。  
 休診日 月曜日



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優しい気持ち

カタツムリで遊んでいた、子供時代に戻ってみました。なんと心地よい気分、戻ってまた、遊びたい。
はな | 2013.08.25 23:14 | edit