動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
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つきまるにゃん

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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動物達の不思議な生態の秘密
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2013.05.21_13:15
おやじ臭


「シャッ シャッ バリ バリ バリ」
ソファーで横になっていた僕の耳もとであやしい音が
「 ロン ダメ!」
愛猫の “ロン” が “猫背” の背を伸ばし、そして弓なりにして
僕のお気に入りの黄色い合皮のソファーで爪とぎをしていたのでした。
先日ガムテープで補修したばかりのその横をカリカリしているのです。

部屋の中にはたくさんの爪とぎを用意してあるのに、
なぜかお気に入りのこのソファーで爪を研ぐのです。
それも決まって僕が頭を乗せる肘掛で。

猫は興奮したあと、ごはんを食べたあと、寝起きに、
そして、僕がこのソファーでに横になると爪とぎをします。

『爪って何のためにあるの?』
爪は動物によって役割が大きく違います。
肉食動物の多くは、獲物を襲うために鋭い鉤爪を使います。

猫の場合
鋭く尖った爪は、獲物を捕らえるための道具です。
木のぼりのときも鋭い爪を利用します。
鋭くとがっている爪は、走る時邪魔になるため、
普段はしまっており、獲物に襲う瞬間に出します。
犬の場合
爪は常にでており、
滑ったりするのを防ぐスパイクの役割があります。
走るのに邪魔にならないようにあまり先はとがっていません。
草食動物は長距離を移動した時や、
長時間立っていても負担が少ないように大きい蹄(爪)をもっています。
特に馬は長時間走ったりしても擦り減らないように
とっても硬い蹄(爪)をもっています。
肉食動物の爪は武器、草食動物にとっての爪は靴なのです。

さて僕たち人間の爪はといいますと、
平爪といい平らな爪をしています。
この爪は耳の穴から、薄茶色の物体をとりだしたり、
または鼻の穴から黄色塊を取り出すという大事な仕事があります。
取れたそれを、親指に乗せ、
人差し指の爪で遠くまで飛ばすという役割もあります。
それ以外にも、色を付けたり、装飾品をつけ、
異性の興味をひきつけるための役割があります。
人間の爪は耳くそや鼻くそをとりやすく、
またマニキュアを塗ったり、つけ爪をするなど
ネールアートをしやすいように独特の進化をとげました。
うそですよ。
あの独特の平らな爪は物を掴んだり、
細かい作業がしやすいようにあのような形になったのです。
折り紙で鶴を折れるのは爪があるためです。
人間の骨は指先まで達していないため、
もし爪がなかったら、
指先はふにゃふにゃしてものを掴めません。
缶ビールを開けることもできません。
お腹や足など痒いところを痒くこともできません。
足の爪がないと踏ん張ることができず、
重いものをもつことができません。
走ることもできません。
ちなみにネコの爪は骨に近いため、レントゲンに写りますが、
人間の爪は皮膚が変化したものなのでレントゲンに写りません。

『猫は爪をといではいない』
研ぐ(とぐ)とは、研磨する ・ 擦る ・ 磨くことにより先端をとがらせることですが、
猫は擦ってつめをとがらせてはいません。
といではいません。
ためしに爪とぎとして利用している段ボールなど触れてみて下さい、
あんなにも柔らかくてはいくら擦っても、
けっして、爪をとがらせることはできないことがわかります。
ではなぜ猫の爪はあんなにとがっているかというと、
爪の一番外側は古くなると、死んでしまいます。
その死んだ外層の爪をはぎ落とすことにより、
下からとがった新しい爪が出てくるのです。
猫が爪をガリガリするのは、研ぐというよりも
死んだ皮をぬぐ脱皮に近いのです。
それが証拠にときどきガリガリしたところに、
はがれた爪のぬけがらがおちていることがあります。
後ろ足はどうしているかというと、
ガリガリするかわりに、
口で噛み切っているのです。
トラの爪切りの時も先端をカットするというよりも、
一番外の爪をはがす感じでした。



トラ



『“猫背”の背を伸ばし、そして弓なりにして』

爪とぎの時のこのスタイルにも大事な意味があります。
何と“ストレッチ”をしているのです。
体の筋肉や腱をのばしているのです。
寝起きにするのは、丸めて寝ていた体を伸ばしていたのです。

『なぜ僕のお気に入りのソファーでするのか、
それも決まって僕が頭を乗せる肘掛で』

猫の肉球にはそれぞれの猫ごとに特有のフェロモンを分泌する臭腺があり、
爪とぎ行動をしながら、ここから出る分泌液をこすり付けているのです。
そして、僕の頭にも脂っこいフェロモンを出す臭腺があります。
このフェロモンの臭いは“おやじ臭(加齢臭)”と呼ばれて、
とっても嫌われています。
家の奥さんは絶対、自分の枕を僕には使わせません。
僕がソファーに横になると、
肘掛に僕の臭い“おやじ臭”がつくようで、
“ロン”はその匂いに反応し、
僕の臭いの上に自分の臭いをつけようとしているのです。
「ここは僕の場所だ」というマーキングするのです。

ロンくん
僕は決してテリトリーとして、
おやじ臭
          だしているわけではありませんから。





よろしくお願いします。



<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
         日曜日は午後17:00までとなります。  
 休診日 月曜日



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| 2013.05.22 23:07 | edit

Re: 「事件簿」買いました

お久しぶりです。
本を買っていただきありがとうございます。
今は学芸員の必要のない動物病院の院長をしています。
野生動物とはなれ、ワンちゃんネコちゃんの診療をしています。
余裕ができたら、また野生動物の保護などもやりたいなと考えています。

このメールを見ていたら、
学芸員の資格のためのレポートを思い出しました。
たしかまだ手書きの提出でしたよね。
あの頃の自分の気持ちもおもいだしました。

そうですか野口に会いましたか、
彼女とも今は疎遠なので、
信州ツキノワグマ研究会に参加しているところを見ると
元気そうでほっとしました。
大田区の小さな動物病院ですが、
月曜日以外は病院にいますので、
遊びに来てください。

tukimaru532@yahoo.co.jp
上記のメールで連絡取れます。

五十三次どうぶつ病院
院長 北澤 功
電話03-3761-5676




つきまるにゃん | 2013.05.23 23:17 | edit

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