動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
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つきまるにゃん

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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動物達の不思議な生態の秘密
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あけましておめでとうございます

2012年12月31日
 えがおとうたごえでせかいをてらしだせ  
かなこぉ↑↑が えびぞりジャンプ 
紅白で“ももクロ”に元気をもらい
2012年辰年の最後を無事終えました。

そして
2012年1月1日 AM1:30
「やった~~~~~ 食べたぁぁ・・・・
今年最初のいいことです。
“ジャム”がやっと餌を食べたのです。
彼は昨年10月から餌を一切食べなくなりました。
餌を食べなくなって3か月、毎日心配で心配で・・・
彼は餌を食べないくせに、
ハンドリング(手に乗せて遊ぶこと)のために、
僕が彼のお部屋の水槽に手を入れると
僕の手に噛みついてきました。

10月までは10日に一回餌を与えていました。
彼の餌は「冷凍ネズミ」
彼は温度を感知して餌を襲います。
そのため僕は、湯せんして温めたネズミの尻尾を割り箸でつかみ、
目の前に持っていき、揺らします。
獲物に気付いたジャムは、
ものすごいスピードで首というか胴体をいっきに伸ばし獲物に噛みつき、
そして、あっという間に、自分の長い体を獲物に巻きつけます。
細い体なのに、締め付ける力はものすごく、
生きている獲物だったら、
この締め付けによって窒息させます。
この噛みついて締め付けるまでの時間があっという間、
ものすごい速さです。
獲物がぐったりすると(冷凍ネズミは最初からぐったりしていますが)、
大きく口を開け、上顎と下顎をはずし、
下顎を左右に大きく開き、
自分の頭より大きな獲物を、頭から丸のみします。
“ジャム”の上顎骨と下顎骨は直接つながっておらず上下に大きく開くことができます。
その上、左右の下顎骨の先端は軟組織でくっ付いているため、
左右の顎を別々に動かしたり、大きく開くことができます。
この不思議な顎のおかげで、
こんなにも大きな獲物を丸のみできるのです。
お腹より太い獲物も、
左右の肋骨が離れているため大きくひらくことにより途中でひっかかることなしに
胃から腸へと運ぶことができます。

この不思議な生き物“ジャム”は
カリフォルニアキングスネーク、とっても綺麗な ヘビ です。
そして、今年はヘビ年
彼らの年です。
そんなジャムがヘビ年になったとたん餌を食べるなんて
なんて明るい年明けでしょう。

ヘビというと気持ち悪いというイメージがありますが、
飼ってみるととってもかわいい奴です。
匂いもなく、餌は10日に一回、
温度管理さえしっかりしていれば比較的簡単に飼うことができます。
ただし寿命が長く40年近く生きるものもいるので、
一生付き合う覚悟が必要です。

我が家には、もう一匹のヘビ“ジャック” ボールパイソンもいます。







このボールパイソンの上唇のところに数個の穴が開いています。
これはピット管と呼ばれるもので、赤外線感知装置です。
つまり彼は、視覚だけではなく
熱を感知するピット管を使い、
獲物を見つけ、ハンティングするのです。
アーノルド・シュワルツェネッガーが戦った、
“プレデダー”と一緒です。
ちなみに戦闘機もこの赤外線感知装置を使用しています。
耳はないため僕たちのように音を聴くことはありませんが、
音を骨で振動として感じています。
ヘビは長い2つに分かれた舌を
よくピロピロと出し入れをしています。
何をしているかというと匂いを嗅いでいるのです。
普通匂いは鼻で嗅ぐのですが、
ヘビは鼻よりも上顎にあるヤコプソン器官で匂いを感じるのです。
ヘビは舌をだし空気中の「匂い物質」を舌で絡めとり、
口の中のヤコプソン器官に運びます。
舌が2つに割れているのはこの器官が上顎に2つあるからです。
ピロピロは匂いを感じているのです。

足がない、ピロピロ出す舌、ニョロニョロした動きなどから
気持ち悪がられ、嫌われ者のヘビさん。
飼ってみるとおとなしく、とっても綺麗な模様をもつ美しい生き物です。
そして、とっても不思議な生態をもった面白い生き物です。
実際、ネズミを食べてくれるなど、僕たち人間の役に立ってもいます。
皆さんもちょっとでいいのでヘビさんに興味を持ってください。


突然ですが、皆様にとっても大事なお知らせがあります。
1月中旬に

笑って泣いて、ためになるコミックエッセイ

「爆笑!どうぶつのお医者さん事件簿」

が発売されます。

この本は僕が漫画家さんのユカクマさんと一緒に作りました。
すべて実際僕が体験したことです。
本書を読めば、ペットを飼うのも、動物園に行くのも、
今までより何倍も楽しくなること請け合いです!
知っているようで知らない動物のウンチク満載の本書が、
動物の奇妙な世界へナビゲートします。
お楽しみに!







<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
 休診日 月曜日



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初めまして

以前から、爬虫類関係は好きなのですが 一つ疑問があるのです

上顎骨と下顎骨がつながっていないこと、そのため大きな獲物やタマゴなどを丸呑みにすることができるなどは知っていたのですが、気管はどうなっているのですか?

人間だと、よく硬い肉や餅等をうまく飲み込めなくて窒息という事態になることがあるのですが、蛇さんはどうなんでしょうか?

ゆう | 2013.02.05 22:14 | edit

Re: 初めまして

コメントありがとうございます。
気管ですが以前病理解剖したことがあるのですが、
特に固くてつぶれないわけではありませんでした。

では大きな獲物を食べているときは呼吸していないかというと、
1、変温動物は代謝の効率がよく、あまり酸素を必要としないので、長時間呼吸を止められます。
2、ヘビは気管にも毛細血管があり、肺ほどではありませんが、気管自体が肺のような機能をもっています。



> 以前から、爬虫類関係は好きなのですが 一つ疑問があるのです
>
> 上顎骨と下顎骨がつながっていないこと、そのため大きな獲物やタマゴなどを丸呑みにすることができるなどは知っていたのですが、気管はどうなっているのですか?
>
> 人間だと、よく硬い肉や餅等をうまく飲み込めなくて窒息という事態になることがあるのですが、蛇さんはどうなんでしょうか?
つきまるにゃん | 2013.02.06 11:06 | edit