動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
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つきまるにゃん

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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動物達の不思議な生態の秘密
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恐るべき生き残り戦略

「箱船計画」の下、
皆神山から採集したクロサンショウウオの卵が無事孵化し、
42匹の幼生の世話をしていました。
毎朝出勤すると、
まずクロちゃんたちに会いにエアコンの効いた涼しい飼育部屋にいきます。

しかし、孵化してから2週間ほどしたある朝のことでした。
「なんか減っていか?」
撲がクロサンショウウオお助け隊のT隊長に尋ねると、
「葉の下に隠れているだけですよ」と。
そうかなと思い葉の下を捜してみるが、
いやいや違う、確実に昨日より減っている。

そして、再び葉の下をのぞいたとき、
衝撃的な場面に遭遇してしまいました。
撲があんなにも愛情を込め、可愛がっているクロちゃんが、

兄弟のクロちゃんを頭から モグモグと食べていたのでした。




サンショウウオが共食いすることは知識として知っていたのですが・・・。
クロサンショウウオは1か所に100以上の卵を産みます。
なぜこんなにもたくさんの卵を産むかというと、

餌が足りない場合は、

“兄弟が食べ物になるようにたくさん産むのです”



早く孵化したものが、遅く孵化した幼生を食べるのです。
そして驚くことに、
後から孵化した弟は、先に孵化した兄が食べやすい大きさでいるために
成長を抑制までするそうです。
さらに、次の幼生が孵化すると、
それまで食べられる側だった幼生の成長が今度は促進され、
食べる側に回ります。
餌の少ない小さな池でも生息できるための恐るべき戦略です。

次の日から撲は共食いを防ぐため、
飼育ケースを増やし、分けて飼育しました。
すると確かに今までに全然大きくならなかった個体がぐんぐん大きくなりました。

兄弟殺しというとイヌワシが有名です。
イヌワシの場合、卵をたいてい2個産みますが、
わざと孵化をずらし、雛の大きさに差をつけます。
そして、親は大きな雛から餌をあげ、兄が満腹になってから下の子に餌を与えます。
十分な餌がないと弟は餌をもらえません。
それどころか餌が極端に少ない時は、

弟を餌として食べることもあります。

イヌワシは小さく弱い2羽を育てるのではなく、
大きく強い1羽を育てる戦略をとるのです。
クロちゃんの共食いの光景は、
生き残るため・遺伝子を残すための戦略のすごさを感じる出来事でした。



<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
 休診日 月曜日



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