動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
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つきまるにゃん

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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動物達の不思議な生態の秘密
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腫瘍


いつもは上品なフローレス系の上品な香りで
きれいに髪をセットしてやってくる奥さんが、
大きなサングラスに  深々と帽子をかぶり 
焼肉の臭いがついたままやってきました。

「先生、ペコちゃんのお腹と耳の後ろに
ものすごく大きな腫瘍ができたみたいなのの診てください」
さっそく触れてみると、お腹に厚みのある草加せんべいのようなできものが。
耳の後ろにはウズラの卵のようなものが数個。
触れてみると弾力がなく硬い。
これが腫瘍としたら、状態は相当悪いことが考えられます。
そおっとつまんで見ると、皮膚から浮き上がりました。
あれ、思わず僕は“ニヤ”  と笑ってしまいました。
その顔を見て奥さんはサングラスを外し、
僕をにらみつけました。
違います、ふざけて笑ったわけじゃないよ・・・。
ほっとしての“ニヤ”です。

奥さんの目の前でその塊をつまみ上げ、
塊の一部をハサミでチョキ。
そこから“血がぴゅー”、
奥さんは“ぎゃー”と悲鳴。
ウソです、そんなことはありません。
中身はフェルト状になった毛が。
そうですこれは大きな毛玉でした。

ペコちゃんはノルウェージャン・フォレストキャット長毛の猫ちゃん。
寒い地方の猫だけあり、
毛は保湿、保温性に優れていて密なアンダーコートと
雨や雪をも寄せ付けないトップコートをもつ、
おっとりとした優しい猫です。
暖かくなって、保温の必要がなくなり抜け始めたアンダーコートが、
絡み合ってこの大きな毛玉が出来上がっていました。
毛玉とわかり奥さんはほっとした様子。

しかし、毛玉をなめてはいけません。
ほおっておくとますます大きくなり、
そのうえ、蒸れて皮膚が炎症を起こしてしまいます。
普通の毛玉でしたら、まわりからすこしずつほぐしていけばいいのですが、
これだけ大きく硬い毛玉は、カットするしかありません。

カットの注意事項
ハサミは皮膚に垂直に、縦に入れること。
絶対毛玉をつまみ上げて、チョッキンしようなどと考えてはだめです。
猫ちゃんの皮膚は柔らかく伸びるので毛と皮膚の境がわかりにくく、
皮膚をパツンと切っちゃうことになります。
あわてずゆっくり少しずつが大事です。

さっそくペコちゃんの毛玉の状態を調べてみると、
米粒大から、一番大きいのは手の平ぐらい、
全部で27個の毛玉がありました。
ほぐすのもカットも無理なため、
奥さんの了承のもと、バリカンでカットすることにしました。
みごとなライオンカットとなりました。

毛玉はコーミング(ブラッシング)で防げます。
コーミングによって換毛期に抜ける毛をとってあげると、
毛玉ができにくくなります。
毛玉がお腹の中で詰まってしまう毛球症の予防にもなります。
猫ちゃんに負担もかけず、
びっくりするぐらい抜け毛とむだ毛をごっそり取れるブラシありますので
使ってみて下さい。
病院にありますので相談してください。

猫にシャンプーは必要?
猫はセルフグルーミングをしますので、基本的にシャンプーの必要はありません。
あのザラザラした舌によるグルーミングで、いつも被毛を健康に保てます。
以前、白い粉(フケ)がたくさんでるという猫ちゃんがやってきました。
この猫ちゃんは御主人がお風呂に入ると、
必ずお風呂にやってくる猫ちゃんでした。
そして、御主人は毎日自分の頭を洗うついでに、
猫ちゃんも自分のシャンプー(人間用)を使い洗っていました。
油が取れすぎたせいか、毛の艶がなくパサパサして、
毛も細く全体的に薄い感じでした。
飼い主さんにお風呂にきてもシャンプーを使うのをやめてもらうことで、
艶々した毛をとりもどしました。
猫のシャンプーによる“ふわふわの毛”“いい香り”は人間の都合。
猫ちゃんはちっとも嬉しくありません。
逆にシャンプー直後、その臭いがいやなのか、ひたすらグルーミング、
全身を舐めまわして自分の臭いをつけます。
シャンプーのあと同居の仲良し猫が近づくと、香料の香りのためか
「お前誰だ!」と知らない猫と思われシャーと攻撃されることもあります。
シャンプーは、汚れている時や、もしくは皮膚病の時だけでいいですよ。
猫ちゃんの毛玉の予防はコーミングがいいのです。
シャンプーだけでは、むだ毛や抜け毛がとれません。

コーミングしているのに毛玉ができる時などは、
毛に油が付きすぎていることがあるのでシャンプーは効果的です。
去勢のすんでいない雄猫に多いスタッドテイルとよばれる病気は、
尻尾の付け根皮脂腺やアポクリン腺の分泌の活性化により、
尻尾の表側が油でギトギトし汚れがついている状態です。
そこに菌が付き2次感染がおこることがあります。

治療法はシャンプーで余計な油をとることです。
シャンプーする時は人間用はだめです猫用のもの、
できるだけ刺激の少ないものを使ってください。
病院にあります、要相談。

ペコちゃんに専用のブラシを用意して、
コーミングの方法を教えてあげました。
1月後やってきたペコちゃん、
奥さんの髪型と同じように
艶々した毛でやってきました。

<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
 休診日 月曜日



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毛玉

大事に至らなくて良かったですね。
こうやって日々の治療知ることが出来るねは、私達にとってあんしんです。

先生、忙しいのは承知ですが、月一度、二月に一度で構いませんから、講習会のようなものを開いては?
患者さんにとって、家族であるからこそ人間感覚で接し、間違った知識を持ってしまっていることがあると思うのです。
今はまだまだ忙しい時期だとおもいますので、落ち着いたら一度ご検討下さい。
はなわさび | 2012.07.22 01:26 | edit

我が家の男の子はブラッシングが大嫌い!!
いろんなタイプのブラシを試してみても どれも イヤイヤ。

上の子(女の子)は 自らブラッシングを要求するのに…
ロン毛じゃないから いいようなものの、そして本人が今のところ元気だからいいのだけれど
ごっそり取れるあの快感を、ぜひ 知ってもらいたい。
‥‥‥で、そちらにあるというブラシって、
そんな子にも O.K.ですか?
ちょっと意味がちがうか…

まろじゅう | 2012.07.22 15:13 | edit

ブラッシング

まろじゅうさん、こんにちは。
コメントさせていただいているはなわさびです。

うちにも二匹いるのですが、どちらの子もブラッシングし始めると、ジリジリ逃げていくのですよー(^_^;)
下の子は短毛でグルーミングもするので、それ程気にならないのですが、上の子は長毛ではないのに、毛が多くて…しかもブラッシングが余り好きではないようです。しかもグルーミングも適当、、、お互い苦労しますね。゚(つД`)゚。

先生の病院では、餌の種類も豊富ですし、その子の体調を見て選んでくれますので、いつも相談に乗って貰っています。
うちの子達用にもブラシとブラッシングのコツを教えてもらいたいです!
はなわさび | 2012.07.22 18:38 | edit

コメントありがとうございます。

まろじゅうさん、はなわさびさん
コメントありがとうございます。

ブラシ嫌いな子は、どんなブラシでもやっぱり嫌い。
だけど使いやすいブラシは、
毛が絡むこともなく、一回でいっぱい必要のない毛だけとれるので、
痛くないうえ、短時間で済みます。
ということは、抑え込む時間が少なくて済みます。
ブラシを嫌がったのは、気持ちよくなく、痛かった経験からだと思います。
いいブラシを使うことにより
ブラシの時間が痛くはないと感じさせることができます。

だんだんと慣らすといいと思います。

だけどどうしてもブラシはいやという子もいますよ。

講習会というか、みんなで悩みを解決する集まりはいいですね。
検討してみます。



つきまるにゃん | 2012.07.22 23:29 | edit

すごいよ!!

先生!すごいよ、このブラシ♪
あんなに 嫌がってたブラッシングなのに、まるで 気持ち良さを 味わっているかのように
じっとしてますぞ。
しかも!!………
かすかに ゴロゴロ言ってやがる♪♪♪
なんだか 勝った気分!
また、何かの時は よろしくお願いします。

まろじゅう | 2012.07.25 07:25 | edit