動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
プロフィール

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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動物達の不思議な生態の秘密
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2012.06.30_17:52
熱中症

飼い主さんに抱っこされ、ワンちゃんがやってきました。
「先生、○○ちゃん少し歩くと倒れちゃうの」
口を大きく開け、
速く浅い呼吸「ハァハァハァハァ」息苦しそう。
床に降ろすと、2~3歩き、べたっと座り込んでしまいました。
舌は口の横から飛び出しています。
舌と一緒によだれが垂れて、口の周りがビショビショに濡れていました。
耳に触れると熱く
体温計で計らなくても熱があることがわかりました。
耳の内側と口の中は赤みが強くなっていました。
今年最初の熱中症です。
すぐに緊急治療を始め何とか一命を取り留めました。
あと30分おそかったら・・・。

この子はミックス犬(キャバリア×マルチーズ)
全身長い毛に覆われ、
食べることが大好きな“太っちょ”ワンちゃん。
普段から呼吸が速いことが多く、
あまり歩かず、すぐ座ってしまうので、
緊急事態とはわからなかったようで。
心臓にも雑音が聴こえ心臓の病気がありました。

 梅雨に入りいよいよ、熱中症の季節。
全身毛に覆われたワンちゃん、猫ちゃんには受難の季節。
熱中症はとっても危険な病気です、手当が遅れると死んじゃうことも。
“うちの子はサマーカットするから大丈夫”なんてかたも多いと思います。
しかし、バリカンで皮膚が見えちゃうほど短くするのは、暑さ対策になりません。
逆に熱中症になりやすいこともあります。
私たち人間も真夏の太陽の下、裸で歩くよりTシャツを着て歩いた方が涼しいですよね。
Tシャツは直射日光や太陽の紫外線から皮膚を守ってくれます。
裸のまま長時間野外にいたら、皮膚は日焼けを通り越し、
“やけど”状態になってしまいます。
丈夫そうに見える犬の皮膚は、
実は人間に比べ角質層が薄く、
人間の皮膚よりずっとデリケートなのです。
そのデリケートな皮膚を守るため、全身を毛で覆っています。
皮膚が見えるほど毛を短くしてしまうと、
紫外線が皮膚に直接あたり皮膚にダメージを与えてしまいます。
そして、太陽からの熱い直射日光を皮膚に直接受けます。
毛は保温効果だけではなく、直射日光の高温から体を守る断熱効果もあります。
サマーカットは室内では涼しい効果がありますが、
太陽の光が降り注ぐ、外では逆に熱くなりますので注意してください。


サマーカットの注意点として、もう一つ。
ポメラニアンやシェルティは、バリカンで丸刈りにすると、
毛の質が変わると言われています。
剛毛になったり、毛が生えそろわなくなったりするらしいのです。
らしいというのは、
毎年サマーカットにしているポメラニアンのモモちゃんは、
全く問題なく、冬にはフカフカの毛が生えそろっています。
サマーカットによる毛質の変化、僕は今のところ経験していないので、
本当なのか、都市伝説なのかわかりません。
ちなみに人間も髭(体毛)をそると太く濃くなると言われていますが、
そんなことはありません。そう感じるだけだそうです。
ただし、実験的に毎日過剰に毛をそり続けたマウスの実験では
毛が少し太くなったそうです。実験をやめたらもとにもどったそうですが。
丸刈りにすると毛が太くなるのが本当なら、
そろそろ髪の毛に不安を抱える僕も丸坊主にしてみようかな?
逆に生えてこなくなくなったりして、あー恐ろしい。

サマーカットはお腹の毛を短くするのは効果があります。
お庭で飼っているワンちゃんが、
庭に穴を掘りお腹を付けているのを見たことがありませんか。
表面の熱い土を、穴を掘ってどかし、冷たい地面をだし、
そこに“ベタっと”フセをして体を冷やします。
ワンちゃんはお腹を冷やすことによって、体を冷やします。
よって、お腹の毛を短くするのは結構効果があります。

熱中症の症状は
☆“ハァハァハァ”いつもより早く浅い呼吸
☆舌を口の横から出している
☆よだれを垂らしている
☆耳の内側が赤くなっている。
☆ふらふら、ヨタヨタ歩く
☆体が熱い、耳が熱い
☆吐いて下痢をする
などです。
ひどくなると、
筋肉が震え、意識が薄れ、失神することもあります。
口の中の粘膜が白くなっていたら、緊急事態です。
すぐに緊急処置をして病院に連れてきてください。

ワンちゃんは熱中症になりやすい
ワンちゃんは汗ではなく、呼吸によるよだれを蒸発させ、
その気化熱を利用して体温調節をしています。
そのため、日射しの強い暑い日中に起こる病気と思われがちですが、
朝方や夕方でも湿度が高いとよだれが蒸発しにくく、熱中症になることがあります。

熱中症になりやすいワンちゃんは?
“太っちょワンちゃん”は、体中の皮下脂肪が断熱材となり体の中に熱をため込みやすく、
また、首のまわりの脂肪によって気管が圧迫されて、空気の通り道が狭くなり、
呼吸による体温調節が難しくなり熱中症になりやすいです。
心臓の病気を持つワンちゃんも、循環機能が上手く働かず、
やっぱり体温の調整が上手くできず熱中症になりやすいです。
肥満は心臓病にもなりやすいため、熱中症で運び込まれ心臓の病気が発見されることも
よくあります。

熱中症かなとおもったら
一刻も早く体を冷やしてください。
首のまわり、わきの下、内股のつけねを冷やしてください。
体全体に濡れたタオルをかけるのも効果的。
水が飲めるようでしたら、水分を補給してください。
そしてすぐに動物病院に連れてきてください。

一晩入院すると○○ちゃんはすっかり元気を取り戻しました。
飼い主さんが迎えにくると、
○○ちゃんは、これでもかというぐらいシッポを
フリフリし飼い主さんに飛びついていきました。
飼い主さんは、抱っこをして顔をスリスリ、
そして、一言
「帰ったら大好きな“すき家の牛丼”食べようね。」
ダメですよ、ネギが入っているから、
いやいやそれだけじゃない、
熱中症の原因の一つは肥満
牛丼は絶対ダメです。吉野家でもダメ。

<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
 休診日 月曜日



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