動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
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つきまるにゃん

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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動物達の不思議な生態の秘密
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2012.06.03_10:43
犬語を覚えるぞ

「ワンワン・ワンワン・ワンワン」
ドアの外から甲高い声が聞えています。
「静かにしなさい
今日は注射しないから、なかないの
 あんまりなくと先生に怒られるよ」
飼い主さんの甲高い声も聞こえます。
おいおい、僕はないたからって怒りませんよ。

ワンワン ワンワン ワンワン

声がだんだん近づいてきました。
ドアが開き、飼い主さんに思いっきり引っ張られながら
「ワン ワン キャン キャン」
ポメラニアンのポッキーがはいってきました。
彼は病院が大嫌いなようで、
病院の前の道にきただけで吠えます。

彼は家でも、

チャイム  がなると玄関に突進し「ウーワンワンワンワン」

朝の5時  お母さんの顔を前足で押しながら耳元で「ワンワンワンワン」

お母さんがかえってくると
足元でジャンプし飛びつきながら「クーンクーンワンワンワン」

お母さんがお出かけしようとすると玄関で「ワンワンワン」

人を見てワン、犬を見てワン、
テレビを見てワン、車を見てワン

病院で、僕を見て「ワン」

犬の祖先のオオカミも吠えます。
しかし、いつでどこでも吠えるわけではありません。
狼は5頭から10数頭が集まり群れで、
広い縄張りの中を、獲物を求め移動しながら生活しています。
獲物を見つけると、皆で協力しながら獲物を捕らえます。

しかし、同じ肉食獣でも猫は単独で生活し物陰に隠れ、待ち伏せ型の狩りをします。

群れで生活する狼には雄・雌の中にそれぞれ厳密な順位があります。
ちなみに繁殖を行うのは一番上位の雄雌だけです。

狼は獲物を見つけると一番上位のリーダーの指示のもと追跡を始めます。
この追跡は時には数十キロになることもあります。
追跡の時は群れ全頭で協力し、
役割を決め、何頭かが先回りするなどじわじわと獲物を追い詰め、
獲物が疲れると、一気に距離を縮め、一斉に襲い掛かり獲物を仕留めます。
見事なチームワークです。

このように先回りしたり、挟み撃ちにするなど群れによる狩りには、
群れをまとめる強く賢いリーダーが必要です。
それとともに、群れの中の厳密な順位により、
リーダーに従うためのシステムができています。
そして、権力闘争に負けたり、そのシステムになじまなかった個体は、
群れを出て単独で生活することになります。

この狼を“一匹狼”といいます。

僕たち人間界では“一匹狼”というと誰にも媚びず、
一人で強く生きている、ちょっとアウトローでかっこいいイメージがありますが、
本当の“一匹狼”は、群れから追放された狼で、
そのうえ“一匹狼”は完全に群れから離れるわけではなく、
群れの仲間には無視されつつも、
元の群れの後を少し離れてついていく、

本当は“さびしんぼう”な狼なのです。

賢く強いリーダーがいて、みんなで協力しながら社会を構成している狼社会は、
まるで人間社会のようですね。
あれ、みんなから信頼され、群れを守りながら統率している賢いリーダー? 
人間社会、日本国にいたっけ?
狼社会のほうが、今の日本の人間社会より、
ずっとしっかりとしていますね。

このような群れ生活の維持には、お互いに理解し合う必要があり、
なき声、遠吠え、表情やしぐさなどでコミニュケーションをとります。
遠吠えは、仲間への連絡や、縄張りの主張、
居場所の確認などが目的で、それぞれの吠え方が違います。
近くにいる時は、声ではなく表情やしぐさにより、コミュニケーションをとります。
吠えると言っても、野生では必要最小限でしか声をだしません。
獲物に自分の居場所を知らせることとなってしまうので、無駄吠えはしません。

さてポッキーはなぜ吠えるのでしょう、
答えは簡単です、自分の気持ちを飼い主さんに伝えるため、
もしくはこうしてほしいと命令しているのです。
そして、敵がいないので、いくら吠えて居場所がばれてもいいので、
何度も繰り返し大きな声で吠えます。

病院に近づくと『病院 に行きたくない、やめて「ワンワン」』

チャイム  がなると「僕の家に知らない人はこないでワンワン」 

朝5時「早く起きてよ、散歩   に連れてってワンワン」

お母さんに飛びつきながら「遊んで遊んで  ワンワン」

お母さんが玄関に向かうと「僕をおいていかないで  ワンワン」

野生では敵を見つけると警戒音をだします、
仲間がそれに応え、わかったと吠えます。
理解されているので短い会話ですみます。
でもお母さんとポッキーの場合、
ポッキーの「ワンワン」にお母さんは大声で、
「なかないで」「静かに」「だめ」と答えます。
しかし、ポッキーにはお母さんの甲高く大きな声は、
「吠えるのはやめなさい」とは聞えず、
逆に一緒に“吠えている”ように聞こえ、
お母さんの声が“応援”にすらきこえます。
お母さんは犬語がわからず、ポッキーもお母さんの言葉がわからないので、
お互いに気持ちを一生懸命伝えようとするけど、
お互いに理解できず、その結果何回も吠え合うようになるのです。

ワンちゃんは順位をつけることが大好き。
ポッキーとお母さん、どちらが上か僕にはわかりませんが、
たぶんポッキーは自分が上だと思い、お母さんに命令をしています。
命令を無視するお母さんに何回も何回も大声で指示しているのです。

解決法は、
お母さんが賢く強いリーダーとなり、
ポッキーに信頼されることです。
信頼が大事ですよ、力で押さえつけても真のリーダーにはなれませんよ。
そして、もう一つの方法はお母さんが犬語を覚え、
ポッキーと会話ができるようになること。
これができれば完璧。
犬と普通に話せたら、“びっくり人間大集合”にでられるうえ、
犬の通訳として世界中で大活躍。
そっか、僕も早く犬語を覚え犬語辞書をだし大儲けしよう。
犬語の次は猫語・・・。
妄想はひろがります。
だけど現実の僕は人間の言葉、英語すら理解できていません。




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| 2012.06.05 19:12 | edit