動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
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つきまるにゃん

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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動物達の不思議な生態の秘密
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 蚊はけっこう気を使う

最後に残った小さな桜の花びらが散る中 
桜の木からは、花にかわり生き生きとした濃い緑の葉が芽吹いていました。 
「テツ」は、落ちてくる花びらを追いかけて楽しんでいます。
目の前でくるっと方向を変える花びらが楽しいようで
落ちる寸前に花びらに向かい「ワンワン」。
僕のほっとするひと時です。
入院中のテツを連れて、今年最後の桜を見に行きました。

“ブーーーーン”  
「ん」聞き覚えのある、いやな音が聞えました。
今年最初の「蚊」。
まだ寒いせいかヨタヨタと飛んでいました。

ついに来ました「蚊」の季節。
「蚊」は、ワンちゃんにとって天敵。
フィラリアの幼虫を体の中にもっている「蚊」がワンちゃんを刺すと、
その幼虫は、血を吸う時に さっと ワンちゃんの体の中に入り込みます。
そして、この幼虫はワンちゃんの心臓や肺動脈に住みつき 
長さ30cmの“そうめん”そっくりの成虫になります。
フィラリア成虫はほんの1~2匹寄生しているだけでも咳などの症状を起し、
何十匹もが団子のように心臓に住みついてしまうと
だんだん血液循環がうまくいかなくなり、
やがて衰弱して死に至ります。
フィラリア症はとっても怖い病気です。


不思議な生き物「蚊

蚊に刺されたことがある人はわかると思いますが、
刺された時は痛みもなく、刺されていることに気づきません。
しばらくしてから「かゆーーーい」
“しばらくして”が大事、刺した時に痛いと、
血を吸う前に追い払われてしまいます。
そのために、刺されたことに気づかせない恐るべき戦略を蚊は持っています。
その一つは針がギザギザになっていること。
このことにより針を刺さした時、皮膚との摩擦面が少なくなって痛みを感じさせません。
ちなみにこの構造に注目して、日本の会社が痛みの少ない採血針を開発したそうです。
もう一つ気づかれない作戦は、刺すと同時に麻酔成分の入った唾液を注入し、
皮膚を麻痺させてしまいます。
そして、唾液の中には血を固まらなくする成分も含まれており
血をサラサラにしていっきに短時間で吸い込むこみます。
しばらくして“痒い”、これはこの唾液のせいでした。
体内に唾液が入ると体はアレルギー反応を起こし、痒く感じたのです。


蚊はけっこう気をつかう。

なんとたっぷり血を吸い終わると
親切のためか、気をつかっているのか、
蚊はこの唾液を吸いもどしてくれます。
そこで、体についた蚊を発見したら、
じっと我慢してゆっくりと満足いくまで吸わせてみてください。
最後に唾液を吸いとらせると痒みが感じなくなります。
血を吸ってる最中に追い払うと、
唾液が体内に残り、痒みがでるうえ、血も止まりにくくなります。
蚊が血を吸っていたら、ゆっくりと最後までたっぷりと吸わせてあげましょう。
僕には絶対無理ですが。


蚊は血を栄養にして生きていると皆さん思っていませんか?

血は餌ではありません。
蚊の主食は草の汁や花の蜜なのです。
ではなんで血を吸うのかというと、卵を育てるために必要なのです。
よって、血を吸うのはメスだけ。
オスは草の汁や花の蜜だけで生きています。
恐ろしいのはメスだけ、人間と一緒です。
そして、メスの体にはこの血をためておく専用の胃があります。
餌用の胃、血のための胃、2つあるのです。
どのぐらい血をすうかというと、
体重の3倍もの血を吸うこともあります。
このため、お腹がパンパンに膨れ、重くなりすぎてうまく飛べない蚊もいます。


浮気をしない「ヤブ蚊」

ヤブ蚊のオスはだれとでもできるだけたくさん交尾します。
僕とは正反対、うらやましい
しかし、メスは一生に一度だけ、一匹としか交尾しません。
なぜかというと、
メスの体の中には精子をため込む袋をもっており、
1回の交尾でそこに精子をため込み、
一生、この精子を少しずつ利用して卵を産みます。
ただし、アカイエカのメスは、
たくさんのオスが集まる「蚊柱」の中に飛び込んで交尾します。
なんと両極端。


フィラリア症は防げる


温暖化真っ最中の地球、
蚊にとって、日本はとっても住みやすい環境になっています。
残念ながら、蚊はいなくなりません。
今後もフィラリア症の危険は増えると思います。
いくら蚊にさされようとこの病気は予防する方法がありますので、
きちんと予防さえしていればこの病気にかかりません。
「ブゥーン」あの羽音をきいたらすぐに動物病院に相談してください。


こんなにも嫌われ者の「蚊」
こんな面白い生態を知るとちょっと、
自分の血を吸わせながら、

「飼ってみようかな」とおもう僕でした。




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蚊は大嫌い!!

「今年は美味しそうなお肉タイプのフィラリア予防薬だから、チャーリー 嬉しい!毎月楽しみ~!」

私もチャーリーも、冬より夏の散歩の方が大変です。
蚊やノミダニが多そうな草むらは避けたり、暑さ対策の為に早朝&夜間散歩になったり・・・。

この時期のお散歩は最高ですね(^-^)/
キャバリア チャーリー | 2012.04.22 20:37 | edit

Re: 蚊は大嫌い!!

コメントありがとうございます。
暖かくなったとおもったら、また寒くなっちゃいました。
この天候のためか、風邪が流行っています。
チャーリーも健康に気をつけてね。

> 「今年は美味しそうなお肉タイプのフィラリア予防薬だから、チャーリー 嬉しい!毎月楽しみ~!」
>
> 私もチャーリーも、冬より夏の散歩の方が大変です。
> 蚊やノミダニが多そうな草むらは避けたり、暑さ対策の為に早朝&夜間散歩になったり・・・。
>
> この時期のお散歩は最高ですね(^-^)/
つきまるにゃん | 2012.04.23 21:27 | edit

先生、チャーリーさんこんにちは(^-^)/
これからの時期は、蚊には本当に悩まされますよね(ーー;)
蚊に刺されると、私自身、皮膚が炎症をおこすので辛いです。
ところで、蚊も冬眠(?)するのでしょうか汗。
なぜなら、実家にいた頃、少しでも暖かくなるとプーンと…。
何度飛び起きたことか(−_−;)
先生、是非、蚊に刺されない方法を研究して下さい( ´ ▽ ` )ノ。
チャーリーさんも気を付けて下さいね!
はなわさび | 2012.04.26 14:23 | edit

Re: タイトルなし

コメントありがとうございます。
卵で冬眠するのと、成虫で冬眠するのがいるみたいです。

僕の友達でなぜか蚊にさされたことがない奴がいます。
40過ぎのおじさん。
一緒にいてもなぜかそいつだけ決してさされないのです。
こいつの体を調べたら、もしかして蚊にさされない秘密がわかるかも、
それとも人間ではなかったりして、
どちらにしても大発見。


> 先生、チャーリーさんこんにちは(^-^)/
> これからの時期は、蚊には本当に悩まされますよね(ーー;)
> 蚊に刺されると、私自身、皮膚が炎症をおこすので辛いです。
> ところで、蚊も冬眠(?)するのでしょうか汗。
> なぜなら、実家にいた頃、少しでも暖かくなるとプーンと…。
> 何度飛び起きたことか(−_−;)
> 先生、是非、蚊に刺されない方法を研究して下さい( ´ ▽ ` )ノ。
> チャーリーさんも気を付けて下さいね!
つきまるにゃん | 2012.04.26 23:58 | edit

No title

はなわさびさんはじめまして。チャーリーへのお心遣いありがとうございます!by飼い主
「はじめまして、キャバリアのチャーリーです!この夏で2歳になります!五十三次動物病院さんをホームドクターにしてます!フィラリアのお薬しっかり食べます!ペロッ」


キャバリア チャーリー | 2012.04.28 08:32 | edit

チャーリーちゃん&飼主様へ

チャーリーちゃん、いっぱい食べて予防して下さいね(^-^)/
はなわさび | 2012.05.09 16:16 | edit