動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
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つきまるにゃん

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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動物達の不思議な生態の秘密
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2012.04.06_18:50
 衣替え 


桜も芽吹き、 なが~い冬が終ったと思ったら、
4月なのに季節外れの嵐がやってきました。
最近の地球は人間への復讐の為か“大暴れ”ばかりしているように感じます。

嵐の後、僕はやっと冬のコートをぬぎました。
それと同時に、病院では掃除機とコロコロの活躍が始まりました。
病院に来るワンちゃんネコちゃんも、この数日の暖かさで衣替えを始めたのです。
冬用の暖かいコートを脱ぎ、春の薄い可愛い服を着るようになりました。
いやいや服を替えてあげるのは飼い主さん、これは掃除機と関係ありません。
ワンちゃんネコちゃんは自分達でも服を替えます。
服とは被毛のこと、フカフカで温かい毛を脱ぎ、夏用の短くすっきりした毛に変わります。
脱ぐと言っても一気に変えるわけではなく、何週間もかけて抜け変わるのです。
この大量の抜け落ちる毛を掃除するための掃除機と、
抱っこしたときにスクラブ(診察中着ている服)に着く毛をとるために、
コロコロが大活躍するのです。

人間もその昔は全身毛で覆われていました。
しかし、進化の過程でほとんどの毛を捨て、
毛の代わりに洋服を着ることにしました。
それでは、人間が洋服を着なかったらどうなるのでしょう。
冬は寒くて、すぐに風邪をひきます。
夏は逆に太陽の直射日光で暑く、紫外線でやけどをしてしまいます。
また雨や雪が降れば皮膚が濡れて体温が奪われてしまいます。
犬や猫は服を着ない代わりに全身の毛によって、
「保温」「防水」「太陽の直射日光や紫外線から皮膚の防御」を行っています。

もう一つ毛には大事な役割があります。
人間もこの役割のために、体の一部の毛を残しました。
毛のある場所は人間の体にとって、みんな大事な場所です。
眉毛やまつ毛は汗やホコリなど上から落ちてくるものから目を守り
鼻毛は、ホコリやウイルスなど有害な物質を体の中に入れるのを防ぎ
髪の毛は柔らかく傷つきやすい脳が入っている頭を、外からの衝撃から守っています。
もう一か所、大事な場所に生えています。
ここはぶつけると、とてつもなく痛いことから急所ともよばれています。
そこに生えている毛がクッションとなりが外部からの衝撃から守っています。
このように毛には「物理的な衝撃から守る」という大事な役割もあります。

さて犬の換毛の時期は春と秋の2回あり、
これは「保温」の機能が関係しています。
犬の毛には短く細いアンダーコートと、太くて長いオーバーコートがあります。
アンダーコートは柔らかく、密集して生えているために、毛の間に空気を含み、
断熱材の役割をして寒さから体を守ります。
オーバーコートは、硬くツンツンしてアンダーコートを覆うように生えており、
ばい菌やホコリなどの汚れや、雨や雪などから皮膚を守る役割をしています。
春になり、日が長く暖かくなってくると、
みっちりフカフカ生えていたアンダーコートが大量に抜け、
粗めで硬いオーバーコートが多くなり、すっきりした姿になります。
秋は、逆にアンダーコートがみっちりと生え、もこもこの姿になります。
換毛期のある犬は、アンダーコートとオーバーコートの両方をもつ
『ダブルコート(柴犬・ポメラニアン・コーギーなど)』の犬で、
アンダーコートを持たない
『シングルコート(マルチーズ・トイプードル・シーズーなど)』の犬は
明確な換毛期がありません。
換毛期がないのなら、シングルコートの犬は楽でいいなと思うかもしれませんが、
毛が伸び続けるので長さを保つために、定期的なカットなどのお手入れが必要です。

ただ近年、本来は換毛期のある犬種が
常にエアコンで温度管理された快適な部屋ですごし、
外出時にはお洋服を着るために、
明確な換毛期のないまま、一年中毛が少しずつ抜けることが少なくありません。
また、今年もそうですが異常気象により明確な四季がなくなってきており、
換毛期が長くなっているように感じます。

ゾウには毛があるの?




「ゾウには毛がないよ」と思うかもしれません。
いやいやゾウの祖先のマンモスをイメージしてください。
雪や氷に囲まれた寒い所で「長い毛で覆われた姿」が思い浮かぶと思います。
暖かいところに生息している現在のゾウも近くでみると、全身に短い毛が生えています。
面白いことに、長野や北海道の寒い地方で飼育されているゾウは、その毛が長くなります。
長くなったからといって保温機能がある程は、密に生えませんが。
家ネコとノラ猫も毛の長さが違います。
いつも暖かい部屋の中で住んでいる家ネコより、
寒い外で生活しているノラ猫の方の毛が長くなります。

湯冷めをしないニホンザル。

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青森県の下北半島に住むニホンザルは、地球上のサルの中で最も北に住むサルです。
世界でもっとも寒さに強いサルです。この寒さに強いのは全身の毛おかげです。
あの密に生えるフカフカの毛は保温効果抜群です。
長野県の雪の降る中、露天風呂に入る「地獄谷のニホンザル」は有名です。
いくら体が温まっても、あの寒い中お風呂からあがったら、
湯冷めしないのか不思議ですよね。
彼らは、お風呂から上がると脱衣所で一列に並び、
大きなドライヤーで一気に乾かしているのです。
ウソですよ~。
ニホンザルの密に生えた毛は、毛と毛の間に空気の層をつくるため、
お湯の中に入りながらも、
毛の生えていない手や顔と足の裏以外の皮膚はほとんど濡れません。
そのうえ、毛には撥水性があるためお風呂あがりに体をブルブル震わすと、
水を弾き、飛びちり、あっという間に乾いてしまいます。
ドライヤーは必要ありません。
皮膚が濡れないので湯冷めはしません。

これから始まる換毛期、ワンちゃん猫ちゃんの抜けた毛を、
絡まったまま体につけておくと、
下の皮膚が蒸れたり、汚れがたまってしまいます。
そうすると、ジメジメし暖かいところが大好きなばい菌がどんどん殖え、
臭くなったり、皮膚病になることもあります。
ブラッシングをするだけで防げますので、毎日少しずつしてあげてください。
耳の後ろ、尻尾と後ろ足の付け根などは特に絡みやすいですよ。

じつは僕も最近換毛期にはいったのか、枕にたくさんの毛が・・・。
いやいや生え変わらないので、脱毛 



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