動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
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つきまるにゃん

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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動物達の不思議な生態の秘密
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2012.03.30_20:31
桜の思い出

「あーーーーーーー」
小学校低学年ぐらいの男の子が、ペリカン池に向かって指をさしていました。
あまりの驚きのためか、男の子の口は大きく開いたまま、声にはなっていません。

ペリカンといえば短い足に、太った体、体と同じぐらい長い膨らんだ嘴
誰もが姿を思い浮かべることができるほど愛されている鳥です。
10㎏近い重い体を大きく横に揺らしながら歩く姿も、とってもユーモラス。
そして、某宅急便のキャラクターに採用されたり、

ヤッターマンの“ヤッターペリカン”になるなど

ほのぼの としたイメージがあり
嫌いな人がいない程とっても愛嬌のある鳥です。

動物園でのペリカンの餌はアジとワカサギでした。
僕がアジとワカサギを入れたバケツをもってペリカン池に入っていくと、
池の反対側で、首を180度大きく曲げて長いくちばしを羽の上に乗せて休んでいた

ハイイロペリカン「マドカ」

僕を見つけるなり、大きく羽をはばたかせ、池に飛び込みこちらに向かってきます。




僕はバケツから取りだした一匹のアジを、
放物線を描くように、優しくマドカの目の前になげました。
マドカは嘴を大きく開き、上手にアジを受け止めます。
嘴を空に向けアジを喉に送ります。
再び僕に向かい羽をはばたかせもっとよこせのアピール。
僕は次から次へと投げます。
アジが終わると、今度はワカサギを池の中にばら撒きます。
マドカは嘴を大きく開き、池の水と一緒にワカサギをすくいます。
この時に、水がいっぱいはいった嘴の下のノド袋は大きく膨らみ、

ぺりかん2

ペリカンのイメージのあの特徴的な姿となります。
普段は嘴の下は膨らんでいません。
あのノド袋にはバケツ一杯分ぐらいの水が入ります。
水だけを上手に吐きだし、嘴を上に向けワカサギを胃に送ります。
ちなみに「マドカ」の大きさは、
嘴の長さ50センチ、
翼を広げる2メートルを超えるとても巨大な鳥でした。


実は僕、ペリカンが怖いのです。
アジをあげるタイミングを失敗したときに、すごい速さで近づいてきたマドカに
アジを持った僕の右手が、肘の部分から手の先までパクリ
噛まれたと言うか、
嘴の中にはいってしまったのです。
嘴のふちは硬く薄く鋭いうえに、ものすごい速さで嘴を閉じるため、
鋏まれた場所はぱっくりと切れ、傷ができていました。
とっても痛かったのを覚えています。
それ以来、ペリカン池に入った時は、常にマドカの位置を確認しながら、
一定の距離を保っていました。

この日はサクラが散り始めた暖かい日でした。



ニホンザルは舞い落ちてくるサクラを捕まえては食べ、楽しんでいました。
アシカ池にも一面にサクラが浮き、サクラの花びらの中からアシカが顔をだしています。
僕は、ジャンパーを脱ぎ、春の日差しを楽しみながらサクラが降り注ぐ中
動物たちを見回っていました。

そんな時の出来事でした。
母親と一緒に来ていた男の子が、ペリカン池を指差し

「あーーーーーーーーーーー」

指の先を見ると、
ヒラヒラと舞うサクラの中、

マドカの嘴から人の胴体と手と足が飛び出していました。

今までで一番の衝撃的映像。
映画の一場面のようでした。

手で嘴を開くと、○○ちゃんがでてきました。
○○ちゃんは20代のスレンダーな美女。

首のあたりに若干の傷はありそうですが、大きなケガはなさそうでした。
彼女は何事もなかったように、横に転がっていたチリトリとほうきをもち、
再びサクラの花びらを集め始めました。


決定

あまりの出来事に、僕は声を掛けていいのか迷いながら、その場を離れました。
男の子は、口を大きく開けたまま、お母さんに腕を引っ張られ、
ひきづられながらその場を離れていきました。

数日後どうしても気になったため、○○ちゃんに話を聞きました。
彼女のほっぺと首の傷があの出来事が、
僕の見間違いではなく本当にあったことを証明していました。
彼女によると、サクラの花びらの掃除をしていた時、
集めたサクラをチリトリに入れようと頭を下げた
その瞬間、
激痛とともに、

“突然世の中が真っ暗”になったそうです。

その後は、あまりの恥ずかしさで、
何もなかったかのように掃除を続けたようでした。

僕はサクラを見るとあの光景が思い浮かびます。



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うわぁ・・・かなり衝撃的な映像ですね・・・。
スタッフの方もとりあえず?無事でよかったです^^;

実家ではクサガメを飼っているのですが、
餌を手であげていました。
カメの口の距離と餌をあげるタイミングを間違えると、
ばくり!と指を持って行かれます。。。
大きさはかなり小さくなりますが、
それでも衝撃的な痛さ;;

ペリカンに近づく機会があるときは要注意ですね(笑。
はなわさび | 2012.03.31 17:26 | edit

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