動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
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つきまるにゃん

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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2012.03.02_20:34
狂犬病

『大分大は、狂犬病ウイルスを破壊する
「スーパー抗体酵素」の開発に成功したと発表した。
同大によると、人から取り出した抗体を持つ遺伝子を
使ったケースは世界初で、
現在、狂犬病に有効な治療法はないが、
人への応用が可能になれば、
狂犬病が不治の病でなくなる可能性があるという。』

こんなうれしいニュースが入ってきました。

“狂犬病” 
僕はこの病気がとっても怖いのです。
学生時代に見た「狂犬病撲滅ビデオ」は、
“よだれを垂らしながら唸る犬”
“両手・両足をベットに縛られた人間”
東南アジアで実際に狂犬病に感染した犬と人間のビデオでした。
どんなホラー映画よりも怖く
僕の脳の一部にその映像がしっかりと刻み込まれてしまいました。
しばらくは夢にも・・・・。

名前もすごい 狂犬病 「狂う犬の病気」
またの名は 恐水病 「恐れる水の病」
どちらにしても、なんとも恐ろしい。

感染方法と症状も恐ろしい
この病気のウイルスは唾液中にたくさん存在し、
他の生き物を噛むことによって感染を広げていきます。
狂犬病の犬に噛まれると、唾液中にあるウイルスが
傷口より体内に侵入し感染してしまいます。
体内に入ったウイルスは、脳と唾液線の中で増殖します。
ここからがすごいのですが、
唾液を他の生き物の体内にいれるため、
“噛みつきたくなる”ように脳を支配するのです。
うわー恐ろしい。
感染すると、最初は今まで人懐こかったワンちゃんが、
常に不安な様子で落ち着かなくなり、暗がりを好み
“大好きな飼い主さん”からも隠れるようになります。
そのうち今度は、あてもなくフラフラ歩きだし、

だんだん 狂躁状態 に変わっていきます。

そして、“大好きな飼い主さん”のこともわからなくなってしまいます。
アーなんて悲しいのだろう 
水を見ると痙攣がおきるため、喉が渇いているにもかかわらず、
水を恐れるようになります。
これが「恐水病」の名の謂われです。
目は血走しり、
口を大きく開け、ヨダレをだらだら垂らしながら、
低くしわがれた声で唸ります。

「う~~」
そして、
目の前にあるものをすべて噛みつくようになります。

まるでバイオハザードの犬のよう
最後には、
筋肉が麻痺し、歩けなくなり、
目は斜視となり、左右の瞳孔の大きさも異なり、
痩せ衰えて苦しみながら死んでいきます。

発症すると治療方法がなく、ほぼ100%死亡します。

「狂犬病」は名前から、犬だけの病気と思われがちですが、
すべての哺乳類が感染します。
僕たち人間にもうつります。         

 現在の日本にはない病気ではありますが、
以前は日本の犬にもこの病気がありました。
そして狂犬病の犬に噛まれて、亡くなる人もいました。
そのため昭和25年の狂犬病予防法により
飼い犬の登録と ワクチン接種の義務化となり、
徹底した野良犬の駆除によって、7年後には日本での発生がなくなりました。
日本では見られなくなった狂犬病ですが、
世界的にはまだまだ多く、毎年5万人近い人が命を落としています。
2006年には日本でも2名、フィリピンで犬に噛まれた人が狂犬病で死亡しました。
世界的にみると、狂犬病の清浄国は少なく10か国にも満たないのが現状です。
狂犬病の悲劇は人だけではありません。

中国は狂犬病多発地域であり、
2006年に雲南省で狂犬病予防の目的で5万匹の犬が撲殺されました。
人口約20万人の雲南省牟定県では、
この年、約360人が犬に咬まれ、うち3人が狂犬病で死亡しました。
亡くなった中には、4歳の少女も含まれていました。
そしてその後も犬が人を咬んだとの情報が相次いだため、
県政府は、公安局長をトップにした

「打狗(犬退治)隊」を組織、

厳しい「犬狩り」を行いました。

どのようなことがあったか、詳しいことはわかりませんが、
「撲殺」の言葉がすべてを表しています。

散歩の途中で、飼い主の目の前で殺されたとか、
車の検問で見つけ、その場で殺された、
中には、夜間に処分者らが物音を立て、
イヌの鳴き声から居場所を突き止め、処分した
というニュースもありました。

現在の日本は、狂犬病の発症のない清浄国ではありますが、
犬に限らず狂犬病に感染している動物が、日本にもちこまれる可能性は常にあります。
狂犬病の治療法はありませんが、

『狂犬病予防のワクチン』はあります。

今現在は狂犬病のワクチンがこの恐ろしい病気に対抗する唯一の方法です。
春(4月~6月)は狂犬病の予防接種の時期となります。
日本に狂犬病を持ち込まないために、
また万が一発生した場合も流行させないために、
必ずワクチンを打ちましょう。
不幸な犬を出さないため、みんなの協力が必要です。


<東京都大田区大森東 五十三次どうぶつ病院 獣医師 北澤 功>




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今宵もチャーリーです!

うちのママね、昨日 スターバックスで驚いた事があったんだってさ。
「なになに?ドッグカフェ ドッグメニューができたとか??」って聞いたら、「ぶ~っ!コモドドラゴンブレンドっていうコーヒー豆があったの。インドネシアのお豆なのかな?200g買っちゃおうかと思ったけど、最近 ファンケットの美原ブレンドにハマってるからね。買うのやめてきた~。」だってさ。あっそ・・・。

「コモドドラゴンと狂犬病」細菌とウイルスの違いだけど、どちらも咬まれると死んでしまうんだよね。怖いよ~。区役所からおハガキ届いたら、僕 ちゃんと注射しに行くからっ。

キャバリア チャーリー | 2012.03.05 21:18 | edit

Re: タイトルなし

コメントありがとうございます。
コモドドラゴンブレンドも興味あるけど。
ファンケットの前を朝通ると、香ばしいいい香り、
いつもすごく気になっています。
甘いものとコーヒー好きなので、一度試してみよう。
つきまるにゃん | 2012.03.06 10:57 | edit