動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
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つきまるにゃん

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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2014.11.12_18:37

ポン太

「先生・・・、さっき“ポン太”死んじゃった」
休診日の夕方、ポン太のお母さんからの突然の電話でした。
ポン太はちょっとおデブな17才のミニチュアダックス。

翌日、いつものネコ柄の毛布に包まれ、ポン太がやってきました。
お母さんに抱っこされているポン太は、
優しく安心した顔でまるで眠っているようでした。
僕が頭を撫ぜると、やはり冷たく、息をしていません。

「どうしたの・・・。」
僕がたずねると、
お母さんはうっすらと涙を浮かべながらも笑顔で、
「おととい先生に診てもらった後はね、すごく元気だったの。
散歩まで行ったのよ、それも久しぶりに○○公園までいったのよ。
そこではね、昔のように一番お気に入りの黄色いベンチに飛び乗ったの。
お父さんがいつも座っていたところの横にね、
そこで、夕方まで日向ぼっこ。
あたしもその横で・・・。
お父さんもきっとそこにいたのよね。
なんか昔にもどったみたいだった。」

旦那さんは定年の日、
大きな花束と小さな箱をもってかえってきたそうです。
箱の中身は、片手にのるほど小さいポン太でした。
バリバリの営業マンだった旦那さんが犬に興味があったなんて驚きだったそうです。
それからの旦那さんは毎日、風が吹いても、雨が降っても、
ポン太と一緒に朝に夕にと○○公園に散歩にいきました。
そこでワンちゃん仲間もでき、とっても楽しそうだったそうです。
6年ほど前、旦那さんが体調を崩したあとは、
奥さんも一緒に
“お父さん”“お母さん”“ポン太”の3人で公園に行きました。
歩くのが遅くなったお父さんをポン太が引っ張って、
ポン太がお父さんの散歩をしてあげているようだったそうです。
公園では、いつも黄色いベンチに座り3人でおやつを食べました。
そんなお父さんも3年前に亡くなりました。

その後は、お母さんと二人で公園に来ていました。
ここ最近のポン太は、心臓の状態も悪く、
ほとんど公園に行かなくなり、
一日中家で寝ていました。

「ポン太、あのヨタヨタの足でよく歩いたね」
僕がたずねると、
「あたしもびっくりしたわよ、
たぶんお父さんがリードを引っ張っていたのね、
お父さんが迎えに来たのかな」

「次の日ポン太ね、
お気に入りの毛布の上で寝ていると思ってたら死んでたの・・・。」
「力になれなくてごめんね」
「いいのよ、自宅で看取れてよかったわ」
「これで、家じゅうのおしっこ掃除しなくてすむわ・・・。」
「しばらくいけなかった旅行でも行こうかな」
「先生、ありがとね!」

“ポン太”は僕に、治療について、
そして、最後の迎え方を教えてくれました。
あの時入院させたほうがよかったのかな、
もし、入院させたらもう少し長生きできたかな?
ポン太は、最後の時間を
お母さんと一緒に過ごせて、幸せだったかな?
答えのでない悩みです。
お母さんの最後の言葉がありがたいです。

1週間後、病院の待合室に小さな箱をもってお母さんが、
え、骨壺?
クウ~ン クウ~ン 
生き返った 
箱から小さな小さなミニチュアダックスが顔を出しました。

お母さんが笑顔で、
「先生、“ポン吉”です。よろしくね!」
お母さんまだまだ元気です。




<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
         日曜日は午後17:00までとなります。  
 休診日 月曜日
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