動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
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つきまるにゃん

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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動物達の不思議な生態の秘密
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2014.08.23_14:11

「エボラ 医師ら80人以上が死亡」 

「エボラ隔離に反発 住民暴徒化」

「エボラ急拡大で『戦争状態』」


毎日恐ろしいニュースが流れています。

『エボラ出血熱』はウイルスの感染症。
このウイルスが人間の体内に入ると、
高熱・頭痛・筋肉痛・結膜炎に始まり嘔吐・下痢・
そして、鼻血・血尿・吐血・下血、体中のありとあらゆる穴から出血し
ついには死んでしまいます。
※症状として出血を伴わない場合もあります。
発見されている5種のウイルスの型のうち、
ある種の型では、致死率が90%に達するとっても怖い病気。
怖い 怖い  


以前 エボラウイルスは、ジャングルに生息しているコウモリの中で 
ひっそりと共存していました。
しかし、1976年になんらかの方法で人間と接触、体の中に侵入し
高熱・出血などの症状をおこし、人から人へ次々と感染させました。
エボラウイルスはコウモリの中では、悪さをしないのに、
コウモリを介して(食べられるなど)、
他の生き物の体に入ることによって病原性を発揮します。
毎年流行し問題になるインフルエンザなども、
水鳥の中にいるときは症状を出しませんが人の体内に入ると、
高熱などの症状を出します。
そして最近、このように人の体にはいることによって
人に致死的感染を起こす野生動物由来のウイルスが次々と出現しています。
人間は技術の進歩により簡単に未開の地まで行けるようになりました。
その結果今までは奥地で人目に触れずひっそり生息していた野生動物が、
人間と接する機会がでてきました。
ウイルスは体に入るとすぐに症状を出すわけではなく、
症状がでるまでにはある一定の期間があります。
そのため、昔は奥地に行くまでに大変日数がかかったので、
もし奥地でウイルスに侵されて病気になっても
他の人に接する前に発症し、
亡くなってしまうか、もしくは回復してしまうために、
病気が広がることはありませんでした。
しかし、現在はジャングルにいた人が、
数時間後にはスターバックスでキャラメル マキアート を飲むことが可能になりました。
現代は潜伏期の間に都市にでてくることになったのです。
そして、都市にきてから発症し、他の人に感染させ、
新に感染した人が、
今度は潜伏期の間に飛行機で他の都市で移動、発症 
「アウトブレイク」となるのです。

動物園勤務時代は、
特にこのような人畜共通伝染病の危険に常にさらされていました。
マカク属サルが持っているBウイルスは、
人に感染するとリンパ腫を起こします。
これは唾液に多くふくまれているので噛まれることにより感染します。
風邪は間違いなく、チンパンジーと伝染しあっていました。
病気の感染を防ぐため、
サル類が死亡し解剖するときはメガネ、マスク、帽子、手袋の完全防備
ひどい下痢の時など細心注意、
死亡後時間がたっているのに血液が固まっていない時など、
カッパを着用で病理解剖をしました。
血液がマスクに飛んだ時など消毒液で顔を洗いました。

そんな中サバンナモンキーがリンパ腫で死亡しました。
いつものように完全防備で解剖をおこなっていた僕、
事件はそんな時おこりました。
『痛て』
皮膚を剥離していた解剖刀が僕の小指にあたりました。
指を見ると手袋の中にうっすらと血が滲んでいました。
ガーン・・・・・・。
僕は顔面蒼白
奥さんとまだ小さかった子供たちの顔が浮かびました。
実は同居していたサバンナモンキーが、
この数年前 サルT細胞白血病ウイルスの感染症で死亡していました。
これは世界で初めての症例でした。
もしかしたら、僕がサバンナモンキーから
この病気を伝染された世界で初めての人間になるのか・・。
学会の発表でリンパが腫れた僕が、目隠しで全裸の症例写真で使用されるのか・・・
早めにダイエットしなくては・・・。
などなど人知れず悩んでいました。
悩みに悩み、数日後、動物園の先輩獣医に相談しました。
実はサバンナモンキーを解剖中に・・・・・。
説明を聞いた先輩は一言
「大丈夫だ!」
実に心強いお言葉。
しかし、その根拠は?
この病気自体が世界で初めてなので、
人に感染するかどうかなんてわからないはず。
「どうして大丈夫なんですか?」
「おれも2年前、リンパ腫のサバンナモンキーの解剖中同じ事故を起こした。
まだ発症してない大丈夫!」

現在、エボラ出血熱でたくさんの医療従事者が死亡しています。
なんて悲しいことなのだろう。
どんなに防御しても事故は起こります。
それを知りながらもエボラと戦う医療従事者、
感染リスクに身をさらしながら治療を続ける医師、看護師
すごい・・。
このブログを書いている最中に、
「発症した医師が未承認治療薬を投与したところ病状が大幅に改善した」とのこと。
なんていいニュースなのだろう。


今も先輩獣医、元気です。
とりあえず僕も元気です。


<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
         日曜日は午後17:00までとなります。  
 休診日 月曜日
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