動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
プロフィール

つきまるにゃん

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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動物達の不思議な生態の秘密
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2015.12.26_16:09


僕のクリスマス



🎶 ソウ ディス イーズ クリィスマス
アン ワッ ハブ ユー ダーン
アナザー イヤ オウバァー
・・・・・・・・・・~
♪ ア ベーリ メーリ クリスマース
ア ハッピー ニュー イヤー
レッツ ハウピッツ ア グッド ワァーン
ウィズ アウートゥ エニ フィアー ♪

 “クリスマスイブ” 診療終了後の往診が思ったより時間がかかってしまった。
ラジオからはジョンレノンの ♬ Happy Xmas ♬  が流れていた。
僕はラジオから流れる歌を聴きながら、
急いで“クリスマスパーティー”の準備を・・・・・・。
しかし、今日のために集まった彼女たちは待ちくたびれたのか熟睡モード。
あまりにも可愛い寝顔のため、僕は起こすのやめた。
馴染みの店で用意してもらったターキーと、
カマンベールをのせたバケット、
とっておきのシャンパン 「クリュッグ」で、
みんなが起きるまで一人でパーティーを始めることにした。
“バカラ”のグラスに注いだよく冷えた「クリュッグ」 の泡は美しく、
泡越しに見える安心しきって寝ている彼女の姿は、可愛さを際立たせた。
快適な空間は、僕を早く酔わせ、いつの間にかソファーの上で眠ってしまった。

クリスマス・忘年会と、この時期は飲む機会の多い時期。
看護師さんの中にも二日酔いの人も・・・。
酒に酔うのは人間だけではありません。
結構、お酒を飲む生き物たちがいます。
実際僕も、ストレスがたまり元気がないときなど、
チンパンジーやオランウータンにお酒をあげました。
お酒を飲んでゆっくり寝ると、
翌日には元気を取り戻すことも。
彼らも結構悩みを抱えていたのでしょうね。
チンパンジーは日本酒の牛乳割りを好んで飲みました。
何も入っていない牛乳と日本酒入りの牛乳を同時に渡すと、
日本酒入りの牛乳を先に飲みました。
結構いける口で、そのうち酔います。
コロコロ転がったり、走り回ったりと陽気な酔っ払いでした。
オランウータンはコップで冷酒が大好き。
一気にグイグイと飲みます。やっぱり酔います。
目がすわり、やや絡み酒気味、
そのうち横になりしばらく手足をバタバタし、
そして布団替わりの麻袋を体にかけ寝ます。
オランウータンは、以前 霊長目 猩々科とされていました。
猩々とは赤面赤毛でよく酒をのむ中国の想像上の動物です。
そのイメージで僕は、オランウータンは大酒のみと思っていました。
確かに酒は大好きでした。そして 強かったような ?
しかし、最近オランウータンはアルコールを分解できないという論文が・・。
人とチンパンジー、ゴリラはアルコールをできる遺伝的な特質を受け継いでいるが、
オランウータンだけは分解できないとのこと。
オランウータンは木の上で生活しているため、
木になっている果物を食べています。
それに対し、チンパンジーは木から降り地上を生活の場としました。
チンパンジーは木から落ちた果物も食べるようになりました。
その中には、熟し発酵した果物も、
発酵した果物はアルコール分を含みます。
そのため発酵した果物が食べられるようにアルコールが分解できる体になりました。
実際、野生のチンパンジーは、
発酵したヤシの樹液酒で宴会をします。
そして、しこたま飲んだチンパンジーは、
新橋のサラリーマンと同じように千鳥足、
酔っ払い行動をとるとのこと。
オランウータンの“キッキちゃん”
なるほど 味は好きだけど、すぐ眠ってしまったのは酔っぱらっていたから?
もしかして“下戸 ”気持ち悪かったのかな・・・。
“キッキちゃん”ごめんなさい。 

アフリカに生息するゾウも、自然に発酵しているマルーラの実を食べ、
フラフラとなることも。
中米も森に生息するホエザルも熟したヤシの実が大好き、陽気に酔っぱらいます。
もっとも酒豪は、マレーシアのハネオツパイ。
「ブルタム」と呼ばれるヤシの木の花を餌にしています。
この花の蜜は常に発酵しているため3.8%ほどのアルコール分を含んでいます。
ハネオツパイはこれ以外のものをいっさい食べません。
それなのに一切酔いません。

パーティーの場所は病院
“馴染みの店のターキー”
近所のコンビニの から揚げ
“カマンベールをのせたバケット”
患者さんからもらった赤飯に(これが絶品)ごま塩、
“フランス高級シャンパン 「クリュッグ」”
お酒が飲めない僕は、「手裏剣戦隊ニンニンジャーのシャンメリー」
“バカラ”のグラス
ウオーターサーバー用の紙コップ
“今日のために集まった彼女たち”
チワワ・パピヨン・ミニチュアダックス・日本猫

僕の今年のクリスマスイブ
病院で、熟睡している仲間たちとまったりと過ごしました。

<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
         日曜日は午後17:00までとなります。  
 休診日 月曜日

  年末年始休診のお知らせ 
12月29日(火)の診療は通常通り行います。
12月30日(水)~1月4日(月)まで休診となります。



  1月10日(日)の午前中 北澤院長は研修会出席のため不在となります。
  午前中の診療は研修獣医師が対応します。
  午後からは通常診療します。 
 
  今後   2/7(日) 3/6(日)の午前中も
  院長研修会出席となります。 

  ★ もう一つのお知らせ

  辰巳出版の 日本犬専門マガジン!
  Shi-Ba(シーバ) 
  に連載始めました。
 “毎日事件発生!? マニアな視点で診察中
  北澤先生のおもしろ動物病院”
 
 本屋さんで見つけたら読んでください。

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2015.12.10_13:05

僕の膝をツンツン


乳腺腫瘍の手術を終え、
緊張から解放された僕のお腹が“ぐ~”となった。

入院中のワンちゃん・ネコちゃんたちはお部屋に入って寝ていた。
手術したワンちゃんは酸素室で麻酔が覚めるのを待っている。
僕は、お気に入りの椅子に座り濃いコーヒーを飲んだ。
“トン トン トン”ゆっくりとした足音が 
レントゲン室から近づいてきた。
ずっと寝ていたマルチーズの「エリーちゃん」が、レントゲン室から出てきたのだ。
そして、僕の足下までくると、僕の膝を右前足でそおっとツンツン。
彼女はいつもレントゲン室のお気に入りの座布団で寝ている。
他のワンちゃんが僕に甘えるのを、遠くから見ているだけ。
日中は気配を消して、ひっそりとしている。
僕の診療が終わり、みんなが入院室に入り病院内の音がラジオだけになると、
レントゲン室からひょこひょこと出てくるのだ。

最近は歩くのも遅く、転ぶことも多い。
この日はいつもよりいっそう遅いような・・・
いすに座っている僕の足をツンツン。これは抱っこの合図。
僕は痩せて骨ばった彼女の身体をそっと持ち上げ、膝にのせた。
また軽くなったようだ。
頭の中に不安がよぎった。
膝の上の彼女は首を伸ばし、
長い舌で僕の腕をそっとなめて目を閉じた。
頭を撫でてあげると、膝の上で丸まり再びウトウト。
コーヒーを飲み終えた僕はエリーちゃんを膝からそっとおろした。
普段はめったに声を出さないのに、この時は珍しく、小さく消え入りそうな声で“ウワン”とないた。
そして、ゆっくりゆっくりと歩き出した。
爪が床に当たるポツ ポツと小さな足音がやけに大きく診察室に響いた。
彼女はレントゲン室に戻っていった。

入院室を見に行くと、手術を終えたワンちゃんが、麻酔から醒め元気に尻尾を振っていた。
これでひと安心。
僕は術着を脱ぎ、帰り支度をした。
バックを背負い、レントゲン室に向かい「おやすみ!」
エリーちゃんは頭をあげ僕を見て、再び“ウワン ウワン”。
頭を撫でるために近づくと、僕の手を静かに舐めた。

エリーちゃんは推定18歳、病院に来たのは昨冬。
飼い主のお婆ちゃんが入院するということで、病院で預かることになったのだ。
エリーちゃん自身も体調が悪く痩せこけていた。
栄養剤の点滴で彼女の状態は良くなったが、
お婆ちゃんは、退院の目途がつかないほど悪かった。
病院にきて2か月が過ぎたころ、お婆ちゃんが一時退院したという話を聞き、
僕はエリーちゃんを連れてお婆ちゃんに会いに行った。
部屋に入ると、エリーちゃんはバックから顔を出しキョロキョロと部屋を見回した。
そして、ベッドで寝ているお婆ちゃんを見つけた。
バックから出してあげると、たったったと軽快な足取りでお婆ちゃんに近寄り、
ピョンとベッドに飛び乗り、お婆ちゃんの顔の横に座った。
いつもはほとんど感情を出さない彼女だが、
すっかり毛が抜けてウインナーのようになった短い尻尾を精一杯フリフリしながら、
お婆ちゃんの顔をペロペロと何度もなめている。
エリーちゃんもお婆ちゃんも、とっても嬉しそう。
お婆ちゃんは優しい笑顔で頭を撫でる。
エリーちゃんはお婆ちゃんに甘え続けた。

1時間ほどお婆ちゃんの家で過ごした後、僕はエリーちゃんを抱き上げ再びバックにいれた。
「また来るから、早く元気になってね」
僕が言うと、声が出ないお婆ちゃんは、
僕とエリーちゃんを見ながら、手を合わせた。
涙が光っていた。

翌日お婆ちゃんは亡くなった。

エリーちゃんは、お婆ちゃんの所へ、保護犬としてやってきたのだった。
どこで、いつ生まれたのか誰も知らない。
お婆ちゃんの所に来る前も、飼い主さんが何人も変わったとのこと。
千葉で生まれたらしい、その後は東北で暮らしたこともあったようだ。
やっとたどり着いた安住の場所だったお婆ちゃんも亡くなったため、
僕が飼うことになった。

エリーちゃんはけっして声を出さない。
他のワンちゃんに追いかけられても、吠えられても、隅に隠れるだけ。
いつも静かに、誰にも迷惑をかけないよう、ひっそりとすごし、
できるだけ存在を消しているようだった。
大好きな座布団に他のワンちゃんが座った時も、
怒るわけでもなく、部屋の隅の冷たく硬い床に丸まっていた。
他のワンちゃんたちのように、もっともっと甘えればいいのに・・・
次々に変わる飼い主の顔色を伺って暮らす状況の中、静かしていること、できるだけ気配を消すことで、彼女は生きていく術を身につけたのかもしれない。
診療が終わった夜の、僕への前足ツンツンだけが彼女の精一杯の甘えだった。

翌朝、寝坊をした僕に看護師さんから一本の電話が入った。
「先生 エリーちゃんが・・・」
僕は慌てて病院に行った。
エリーちゃんはお気に入りの座布団の上で、いつも通り丸くなっていた。
そして、眠ったまま二度と頭を上げることはなかった。

数奇な運命を送ったエリーちゃん。
病院での生活はどうだったのだろう?
エリーちゃんが亡くなって2週間程がたった。
「あれ、エリーちゃんは?」
「この服、エリーちゃんに似合うかと思って持ってきたんだけど、
エリーちゃんいないの?」
たくさんの患者さんに尋ねられる。
僕が思っていた以上に、エリーちゃんは皆に愛されていたようだ。
今も毎日たくさんの犬が僕の足元でじゃれて甘えているが、あの遠慮がちなツンツンが無性に懐かしい。





<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
         日曜日は午後17:00までとなります。  
 休診日 月曜日

  年末年始休診のお知らせ 
12月29日(火)の診療は通常通り行います。
12月30日(水)~1月4日(月)まで休診となります。



  1月10日(日)の午前中 北澤院長は研修会出席のため不在となります。
  午前中の診療は研修獣医師が対応します。
  午後からは通常診療します。 
 
  今後   2/7(日) 3/6(日)の午前中も
  院長研修会出席となります。 

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  に連載始めました。
 “毎日事件発生!? マニアな視点で診察中
  北澤先生のおもしろ動物病院”
 
 本屋さんで見つけたら読んでください。