動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
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つきまるにゃん

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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動物達の不思議な生態の秘密
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2014.11.19_11:44

大量出没

「カラン、カラン、カラン」
大きな鈴の音とともに小学生4年の娘が帰ってきます。

先日、信州の我が家の近所でキノコ採りをしたその帰り道、
畑のリンゴの木に縦に長い傷がありました。
1メートルぐらいの高さにある傷はどうも何かの爪跡らしい、
何の跡? 
あの高さの動物、長く深い傷、
まちがいなく“あいつ”です。
“あいつ”とはツキノワグマ。
ここ数年は我が家の近所には出ていなかったのに。
そろそろ冬眠にはいるはずなのに、
お腹が空いて眠れないためか、
出没しています。

最近は数年おきにこのような大量出没がおきています。
これは“どんぐり”の出来不出来が大きく影響しています。
どうも今年の山は“どんぐり”が不作の様子。
不作どころかほとんど“どんぐり”がない!
昨年の豊作も今年の大量出没の原因。
ツキノワグマは着床遅延といって、とっても変わった繁殖方法をとっています。
春から初夏にかけて交尾をしますが、
すぐには妊娠せず、受精卵のまま卵管にとどまっていて、
11月ごろに『栄養状態がいい』と
初めて受精卵が子宮にくっついて(着床)妊娠、
冬眠中に出産となります。
昨年は栄養状態が良かったためたくさんの仔が生まれました。
それなのに今年の山は餌不足で、
お腹を空かしたクマたちが大量に人里に出てしまいました。
お腹を空かしたクマたちは、
人間の捨てたごみ、
畑に捨てられたリンゴ、
木になったままのカキ、
などをもとめ人の住む場所まで出てきています。


家の近所にクマが出るようになったのは、15年ほど前から、
僕の住む山も御多分に漏れず高齢化が進み
次々と農業をやめてしまい、
放棄された田や畑にはあっというまに草が生え、
ものの数年で木が生え、森に変わってきています。
人の住む集落に森が迫ってきています。
今では人家のすぐ裏が山となっています。
田んぼや畑があるときは、
森から人の住む場所までの間にある田んぼや畑により、
クマは隠れる場所がないため、
人家のあるところまで出にくい環境でした。
しかし、現在は森にいたつもりがいつの間にか集落にいたという状態です。
また、人に見つかっても、すぐに森に逃げ込めるのです。
地球全体で見ると、砂漠化などにより、緑が失われていますが、
日本は四季があり温暖で湿潤の気候のため植物にはとってもいい環境のようで、
植生はかわりますが、あっという間に林や森が復活します。
森とともに森の生き物も戻ってきます。
ただその森の木や生き物は偏っており、
昔のような多様性に富んだ豊な森になるためには何百年とかかります。
昔も“どんぐり”の凶作は定期的にあったのですが、
人里にでることはなく、森の豊かさがツキノワグマを養っていたのではと思います。

ツキノワグマが出没原因は、
人を恐れなくなった、
森と人の住む場所の境がなくなった、
ごみや果実などの味を覚えた、
ツキノワグマが増えた?
いろいろと考えられます。

人との事故は絶対起こしてはいけません。
危険なクマは駆除する必要があると思います。
逆に事故さえ起きなければ駆除の必要がありません。
僕たち人間はたくさんの生き物を地球上から消してきました。
消えたことにより、自分たちの生活に違った形で影響があります。
日本人は怖いオオカミを日本から消しました。
そのため今ではシカやイノシシが増え森を破壊したり、
畑を荒らしたりします。
自然はバランスがとっても大事。

ツキノワグマの生態を知ることにより、
事故は大分防げると思います。
ツキノワグマは臆病のため、
鈴やラジオをつける、もしくは大声で歌う。
家の周りにごみを放置しない。
リンゴなどを畑に捨てない。
夜は一人で歩かない。

先日、クマの保護活動をしている方と飲み会をしました。
ツキノワグマの調査などはほとんど手弁当でしています。
まだまだ謎の多い生き物です。
きちんと予算をつけ調査することにより、
研究が進み生態がわかれば、ツキノワグマとの共存方法がわかるとおもいます。
地球上で人間が今後健康に住んでいくためには、
他の生き物の排除ではなく共存がテーマになります。


大森駅、バックには鈴をつけ大声で歌いながら歩いていたら僕です。
クマに会わないためなので気にしないでください。




<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
         日曜日は午後17:00までとなります。  
 休診日 月曜日

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2014.11.12_18:37

ポン太

「先生・・・、さっき“ポン太”死んじゃった」
休診日の夕方、ポン太のお母さんからの突然の電話でした。
ポン太はちょっとおデブな17才のミニチュアダックス。

翌日、いつものネコ柄の毛布に包まれ、ポン太がやってきました。
お母さんに抱っこされているポン太は、
優しく安心した顔でまるで眠っているようでした。
僕が頭を撫ぜると、やはり冷たく、息をしていません。

「どうしたの・・・。」
僕がたずねると、
お母さんはうっすらと涙を浮かべながらも笑顔で、
「おととい先生に診てもらった後はね、すごく元気だったの。
散歩まで行ったのよ、それも久しぶりに○○公園までいったのよ。
そこではね、昔のように一番お気に入りの黄色いベンチに飛び乗ったの。
お父さんがいつも座っていたところの横にね、
そこで、夕方まで日向ぼっこ。
あたしもその横で・・・。
お父さんもきっとそこにいたのよね。
なんか昔にもどったみたいだった。」

旦那さんは定年の日、
大きな花束と小さな箱をもってかえってきたそうです。
箱の中身は、片手にのるほど小さいポン太でした。
バリバリの営業マンだった旦那さんが犬に興味があったなんて驚きだったそうです。
それからの旦那さんは毎日、風が吹いても、雨が降っても、
ポン太と一緒に朝に夕にと○○公園に散歩にいきました。
そこでワンちゃん仲間もでき、とっても楽しそうだったそうです。
6年ほど前、旦那さんが体調を崩したあとは、
奥さんも一緒に
“お父さん”“お母さん”“ポン太”の3人で公園に行きました。
歩くのが遅くなったお父さんをポン太が引っ張って、
ポン太がお父さんの散歩をしてあげているようだったそうです。
公園では、いつも黄色いベンチに座り3人でおやつを食べました。
そんなお父さんも3年前に亡くなりました。

その後は、お母さんと二人で公園に来ていました。
ここ最近のポン太は、心臓の状態も悪く、
ほとんど公園に行かなくなり、
一日中家で寝ていました。

「ポン太、あのヨタヨタの足でよく歩いたね」
僕がたずねると、
「あたしもびっくりしたわよ、
たぶんお父さんがリードを引っ張っていたのね、
お父さんが迎えに来たのかな」

「次の日ポン太ね、
お気に入りの毛布の上で寝ていると思ってたら死んでたの・・・。」
「力になれなくてごめんね」
「いいのよ、自宅で看取れてよかったわ」
「これで、家じゅうのおしっこ掃除しなくてすむわ・・・。」
「しばらくいけなかった旅行でも行こうかな」
「先生、ありがとね!」

“ポン太”は僕に、治療について、
そして、最後の迎え方を教えてくれました。
あの時入院させたほうがよかったのかな、
もし、入院させたらもう少し長生きできたかな?
ポン太は、最後の時間を
お母さんと一緒に過ごせて、幸せだったかな?
答えのでない悩みです。
お母さんの最後の言葉がありがたいです。

1週間後、病院の待合室に小さな箱をもってお母さんが、
え、骨壺?
クウ~ン クウ~ン 
生き返った 
箱から小さな小さなミニチュアダックスが顔を出しました。

お母さんが笑顔で、
「先生、“ポン吉”です。よろしくね!」
お母さんまだまだ元気です。




<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
         日曜日は午後17:00までとなります。  
 休診日 月曜日


2014.11.05_16:20

ランニングハイ

タッタッタッタッタッタ
「ハッ ハッ ハッ ハッ ハッ 」
夜の9時、
僕は近所のスポーツジムのランニングマシーンで走っています。

10月のとある日、昼ごはんに“カツ丼”を食べた後、
動物病院に向かって歩いていた時、
「あれ」いきなり膝に違和感が、
そういえば、体が重い。
この夏だけで体重が3kg、3年前より6kg増えている。
お腹も“ポッコリ”。
腕もプヨプヨ。
これではまずいと、早速スポーツジムに入会。
運動後、サウナに入ると、
どう見ても僕より20歳以上年上の爺さんの腹筋が割れている、
カッコイイ!
僕のお腹も割れてはいるが、脂肪の上に脂肪がのって割れている。

マシーンに乗り走り出すと、
15分ぐらいで最初は呼吸が苦しくなり、
20分を超えるとやっぱり膝が悲鳴をあげる~。
そして、33分を過ぎると痛みが和らぎ、
頭は何も考えなくなり、軽い陶酔状態。
もしかして、これがうわさに聞く
“ランニングハイ”?

「火事場の馬鹿力」
人間は、火事のような危機的状況になった時、
自分の身体を守るため、普段以上に突発的な力を出すことがあります。
人間の身体は筋肉や骨のパワーを100%使った状態で動かし続けると、
筋肉や骨が傷んでしまい、身体がボロボロになってしまいます。
そのため、人間の脳には安全装置がつけられており、
脳に自分の能力を過小評価させ、
普段は最大でも筋肉・骨・心臓・肺などの能力の70%ほどしか使えないようにしています。
ところが、火事のように身体に危機的な危険が迫ると、
脳の安全装置が解除され“アドレナリン”が大量に放出されます、
すると、本来ある能力を100%発揮できるようになり、
思わぬ力“馬鹿力”が出るのです。
柔道の選手が気合いのため顔をたたく
レスリングの吉田選手の背中たたき、
室伏選手の雄叫び、
一流のアスリートはこのような刺激により、
このアドレナリンを意識的に出すことができるようで、
そのことにより、100%能力を出すのです。
そしてこの時は不思議なことに、痛みも全く感じないのです。
痛みを感じないのは、
脳内麻薬と呼ばれている“エンドルフィン”が放出されるためです。
この“エンドルフィン”はモルヒネの数倍の鎮痛作用があります。
この物質は鎮痛作用以外にも「しあわせな気持ち」にさせてくれる作用もあります。
ランニングハイの時も“エンドルフィン”がでるようです。
僕の足の痛みが消え、陶酔状態はこの物質のおかげです。
しかし、痛みはその行動をやめる安全装置でもあるので、
痛みを感じないということは、安全装置が解除されていることになり、
筋肉の損傷や骨折、火傷などの大けがをする危険が増します。

実は僕はこの“エンドルフィン”出やすいようで、
ワンちゃんや、ネコちゃんに噛まれた時、
シマウマに蹴られた時、
奥さんに怒られている時、
僕はどうもエンドルフィンが出ているようで、
痛みが薄れ、少し快感が・・・・。
もしかして、僕って「M」?

ただし、このエンドルフィン ず~と 出し続けることはできないので、
出なくなると、治っているわけではないので、
突然痛みが出たりします。
エンドルフィンの話は、このブログの「唇」にも書いてあるので読んでみてください。
夜中に カラカラカラカラカラ、
ハムスターがすごいスピードで、長~い時間 回し車を回します。
走る理由は、僕がランニングマシーンに乗っているのと同じ、
ダイエットのため。
それとあんなにも長く走り続けることができるのは、
やはり“エンドルフィン”が出ているため、
走っている時は痛みが薄れ“恍惚”の状態。
ライオンが闘争により大けがをしても動けるのは“エンドルフィン”のおかげ。
動物たちが生きていくためには“エンドルフィン”がとっても役立っているのです。

ジムに通い出し1か月が過ぎました。
身体のあちこちが痛いような・・・。
ここでやめては、
お腹の割れ目は、まだ脂肪のまま、
筋肉の割れをつくるにはまだまだ頑張らなくては。
体重は順調に1.5kg増えました?
おかしいな?
僕は下戸だから運動後にビールは飲まないし、
ご飯を減らし、炭水化物も減らしているのに、
身体を動かした後、
ほんの少し、頑張った自分のご褒美に、
“アイス”と“プリン”と“ケーキ”を食べているだけなのに。
あ!昨日そのあと食べた“みたらし団子”が原因か。
よし、今後は“みたらし団子”は我慢しよう。




<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
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