動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
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つきまるにゃん

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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動物達の不思議な生態の秘密
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2014.09.20_15:58
おめでとう繁殖賞

“長野市茶臼山動物園、ハクバサンショウウオ日本で初めての繁殖、
 日本動物園協会より「繁殖賞」を受ける“
とっても嬉しいニュースがありました。
 
ハクバサンショウウオは、1975年に発見され、1987年に新種として発表されました。
体長10cmほどの小さなサンショウウオ、生息域が非常に狭く、
長野県の白馬の限定された地域に生息しています。
長野県のレッドデータブックでは、
最も絶滅の恐れが高い『絶滅危惧ⅠA類』に分類されている希少種、
白馬村の天然記念物です。

成体は森の中の落ち葉の下や、倒木の下に住み、
ミミズやダンゴ虫、クモなどの小さな生き物を食べています。
雪が解け春になると、水が湧き出ている湿地や、小さな沢で産卵します。
産卵地は柔らかい流れや綺麗な水が必要のため、湧き水が出ているところが最適です。
秋までには手足が生えそろい上陸します。
白馬村は観光地、スキー場、別荘・ペンションなどの開発により
生息地に道路がつくられました。
短い足は遠くまでの移動が難しく、
また、道路の側溝に落ちると脱出することができません。
産卵地と生息地の分断、他の個体群との接触がなくなり、
急激に生息数が減っています。

現在の動物園は動物たちを見せて楽しんでもらうだけではなく、
「種の保存」という大事な役割があります。
300年前の地球は4年に1種、
100年前は1年に1種の生き物が絶滅していました。
しかし、現在の地球は1時間に4種の生き物が消えています。
人間が今のままの生活を続けていると、
100年後には地球上の生物種の半分はいなくなってしまいます。
絶滅を防ぐには環境の改善が大事ですが、
とりあえずその前に、ものすごいスピードで減っている生き物の
個体数を増やしておく必要があります。
動物園の「種の保存」とはこのように絶滅の危機のある生き物を
人間の手で飼育し増やすことです。
とりあえず絶滅だけは防ぐことができます。
そして、増えた生き物は、生息環境を改善し
再び野生に復帰させることを目標としています。
実際アメリカバイソンやカリフォルニアコンドルは「種の保存」活動により
絶滅を免れました。
動物園は現在の『ノアの箱舟』を目指しています。

茶臼山動物園はハクバサンショウウオの種の保存活動をしていたのでした。
僕が以前勤務している時に、環境省の許可のもと
ハクバサンショウウオの成体と卵を採集し研究をはじめました。
飼育の担当をしていた僕の最初の仕事は、
室温を15度に設定した飼育部屋で彼らにあいさつです。
みんなが元気かの確認と、水温のチェック。
卵から孵化すると、
今度はそのこたちのために餌となる小型の甲殻類を育てます。
孵化した時、足が生えた時の感動は今でも忘れられません。
僕がかかわったのは、初代の孵化までです。

あれから数年、あの子たちが卵を産み、無事孵化したのでした。
もし、あのこたちの子孫が再び白馬の沢に放される時がくれば
どんなに素晴らしいことでしょう。

二ホンウナギも国際自然保護連合が「絶滅危惧ⅠB類」に指定しました。
とっても美味しく人には欠かせないウナギは、食べるためではありますが、
飼育研究が進められています。
トキやコウノトリ・ツシマヤマネコも種の保存のために飼育研究が進められています。
1時間に4種が消えている現在、
地球上から人知れず消えようとしている生き物がたくさんいます。
保護活動もされていますが、あまり力が及んでいないのが現状です。

ハクバサンショウウオの日本で初めて飼育下での繁殖。
そのほんの少しですが、係わることができたのは僕の喜びです。



<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
         日曜日は午後17:00までとなります。  
 休診日 月曜日




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2014.09.05_00:06
天狗熱

地球が壊れていく・・・・・。
今年の夏は、異常な暑さが続き、
“熱中症”のワンちゃんがたくさん来ました。
暑さに強いはずのネコちゃんも体調を崩し、例年以上に治療したような。
暑さとともに大雨。
京都に住んでいる娘が床上浸水の被害。
と思っていたら、広島の大雨による土石流。
今度は熱帯の病気であるはずの「デング熱」。
地球はどこに向かうのか?

学生時代に僕は“デング熱”は人畜共通伝染病、赤道近辺の熱帯病、
日本には存在せず、旅行先で感染した人が帰国後発症、
外国で伝染るものと教わってきました。
でも今回の流行は、
外国ではなく、代々木公園にいる蚊により伝染ったとのこと。
「代々木公園」は熱帯、赤道直下にあるの?

デング熱って
デングウイルスを持っている蚊にさされることによって発症する感染症。
高熱が特徴的な症状です。

犬や猫もデング熱にかかるの?
今のところデング熱にかかった犬や猫はいません。
しかし、ウイルスを持った蚊が犬を刺したとすると
体の中にウイルスがはいり、
そのウイルスが体の中で死滅せず存在し、
時には増殖することがあるかもしれません。
“感染”の可能性があるが、症状は出ないというのが現在の考え方です。
サルは感染し症状がでます。
人はデングウイルスをもった蚊に刺されると感染し、
症状が出る人がいます。
サルよりも発症しやすいです。
今回の流行の仕方は、これだけたくさんの人が代々木公園で
感染していることから、一過性の感染ではなく、
何らかの経路でウイルスを持った蚊が増え、
持続的に感染を起こしたと考えられます。

●この夏の異常な暑さは日本にはいないはずの“ネッタイシマカ”が
生息できるようになったのでは?
●今まではデングウイルスが増殖しにくいと言われていた
日本にいる“ヒトスジシマカ”の中に、
体の中で増殖しやすい“ヒトスジシマカ”が出てきたのか?
●今まで全く知らないファクターが関与している?
●ただ単に今までも発症があったのだが、
同様な症状が出た人がいても診断がつかず
原因不明の発熱ですまされていた。
などなどいろいろと考えられます。
今後の研究に期待します。

まあ何にしても、冬になればこれらの蚊は卵で越冬するから、
卵では越冬できないデングウイルスはいなくなるはず。
よかった、よかった。
でもこのまま日本の熱帯化が進んだら大人のまま越冬する蚊がでてくるかも。

ワイドショーと流行りものが大好きな僕の奥さん
予想通り「代々木公園は大丈夫?」など、
この病気で頭の中がいっぱいの様子。
「ねえ、あたしさっき蚊に刺されたら熱っぽいけど
『テング熱』大丈夫かな」
おいおい、病気の名前完全に間違えているよ・・・。
それに、刺されてもいきなり発症しないよ・・。
面倒なので、聞こえないふりをしていると、
「あたしのこと心配じゃないの」
若干怒り気味に僕の肩を叩いてきました。
「『テング熱』どんな症状なの?」
「あたし死んじゃうの?」
どうやら“エボラ出血熱”と若干混ざっている様子。
「あ~『天狗熱』ね、
天狗ウイルスが体に入ると高熱が出るんだよ。
怖いのがね、天狗ウイルスは鼻に集まる習性があって、
そしてね、そこが腫れあがりグングンのびるの、
もっと怖いのが、最後はクジラに食べられてしまうんだよ」
いきなり鏡にむかって自分の鼻をさする嫁でした。

大丈夫、クジラの中から脱出できたから。
“ピノキオ”は!


<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
         日曜日は午後17:00までとなります。  
 休診日 月曜日

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明るく楽しい病院です。
職種:動物病院受付 ※その他 診療補助あり
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