動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
プロフィール

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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動物達の不思議な生態の秘密
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2013.07.27_18:33
目が光る

夏休みにはいった小学5年生の僕は、
夜の10時過ぎにこっそり家を抜け出し自転車で河川敷に向かいました。
まずは橋の上の街路灯に向かいます。
街路灯の下には、カナブン・カブトムシがいました。
カブトムシを捕まえると
今度は小さな懐中電灯の明かりを頼りに川に向かいます。
堤防を乗り越えると河川敷には“小さな森”が広がっていました。
この当時の河川敷は整備されておらす、
川の河川敷には、アカシヤ、クヌギなどの木とススキなどのカヤが生えていました。
この森には昆虫・タヌキ・ヘビ・フクロウもいました。
堤防を乗り越えると、自分の背丈ほどのカヤの草むらがあらわれました。
そこに壊れた自転車とテレビが落ちています。
その自転車をずらすと、森へ秘密の通路がでてきます。
草をかき分けながらそこに入っていくと大きな柳の木がありました。
この木には、必ずカブトムシがいました。
ノコギリクワガタ・ミヤマクワガタもいました。
僕の秘密の場所です。
僕がクワガタを捕まえていると必ず、
草がザワザワと動きます。
懐中電灯で照らすと目が1つだけひかります。
そして、草の中からピョコタンピョコタンと
左足だけを上手に使いながら“クロ”が出てきました。
片目しか光らないのでクロだとすぐわかります。
2つ目が光っている時はタヌキです。
“クロ”は暗いのにアバラ骨がわかるほど痩せこけ、黒い毛は艶もなく、
右目はつぶれ、右前足は曲がったまま伸ばすことができませんでした。
僕はポケットから煮干しと鰹節をとりだします。
手のひらにのせるとゴロゴロいいながら手に口を近づけます。
歯のない口からはボロボロと煮干しのかすがこぼれました。


ネコの目はなぜ光る?
ネコには目の網膜の後ろに
タペタムと呼ばれる鏡のような反射板があります。
外からの光りは、網膜を通りこの反射板にあたり反射して、
再び網膜に戻るため明るさが倍増します。
そして、目が光るのは反射した光が見えるためです。
ネコはこのタペタムのおかげで暗い夜の少ない光でもよく見えるのです。
しかし、このタペタムのおかげで日中の明るい光は
眩しすぎて見えにくくなってしまいます。
そのため猫の瞳孔は入ってくる光を少なくするために
瞳孔をとっても小さくすることができます。
それも瞳孔を丸いまま小さくするわけでなく、
細長く縦長に線のように小さくします。
これは瞼が閉じるのと垂直に縦長で細くすることにより、
瞼と瞳孔両方で効率よく光を微調整することができるのです。
ネコの縦長の瞳にはこんな意味があったのです。


夜中に抜け出すこと10日目、ついに母親に見つかってしまいました。
この年はオオクワガタ・ミヤマクワガタ・
ノコギリクワガタ・コクワガタと
大量に捕獲しましたが、
しかし、母の怒りはすざましく、
しばらく自転車に乗ることが禁止となりました。
当然河川敷に近づくことも禁止でした。
怒りがとけたのは、夏休みの終わりでした。
学校が始まるとやっと、自転車の許可がでました。
僕は急いで河川敷に向かいました。
堤防から先の河川敷には大きなフェンスができて立ち入り禁止となっていました。
柳の木があったあたりで、
“クロ、クロ”
フェンス越しに名前を呼びますが気配がありません。
フェンスの中からは、
「ウィーンウィーン」チェーンソーの音
「ミシ ミシ ミシ ドカーン」木の倒れる音
が響いていました。
あっという間に森はなくなり、
野球場・マレット場・馬術場にかわりました。
僕の“柳の木”の場所は野球場になっていました。
そして、2度と“クロ”に会うことはありませんでした。

とっても“おバカさん”だった僕は、
母が市役所に圧力をかけ、
河川敷の木を伐り倒させたと思っていました。
母の恐ろしさを感じるとともに、
しばらくの間母を恨んでいました。
“お母さん”ごめんなさい。

僕は河川敷にクワガタに捕まえに行くかわりに、
馬を見にいくようになりました。
学校帰りに何日か通ううちに、
仲良しの馬さんもできました。
単純な僕はクワガタとりにかわり、
馬の魅力にとりつかれてしまいました。

“森がなくなり馬術場になってよかった”と思うようになりました。

だんだん秋も深まり日も短くなりはじめたころのことです。
僕はいつものように学校から帰ると
急いで河川敷に向かいました。
そこで馬たちに草をあげ、
走りジャンプしている姿を楽しみ
鼻を触って遊んでいると、
日が沈みあたりがだんだん暗くなってきました。
そして、馬たちは厩舎に帰っていきました。
馬場を掃除している
黒く長いポニーテールの綺麗なお姉さんと話していると、
あっという間にあたりは暗くなってしまいました。
このお姉さん乗馬しているとき、
速足からギャロップに代わると馬の尾が地面に対し垂直になるように、
ポニーテールも同じように風になびいている姿が、
とってもかっこよく僕の憧れの人でした。

“母の怖い顔”が頭に浮かんできました。
「あー やばい やばい、また自転車禁止になってしまう」
馬場の掃除をしているお姉さんに挨拶し、
急いで自転車に飛び乗りました。
最後に馬術場を一周してから帰るのがいつものパターン。
自転車で半周した所で、
川岸にある野球場方向から
全身黒ずくめの女性が歩いてきました。
足が痛いのか右足をやや引きずるように歩いています。
うっすらと顔が見えるぐらいに近づいた時でした、
僕の後ろからきた車のヘッドライトが彼女の顔にあたり、
左目だけが“キラリ”と光りました。
すれ違いざま彼女は僕に何かを言いたそうな感じでしたが、

おバカな撲は、母の鬼のような顔が頭に浮かび
彼女を全く無視して、
猛スピードで自転車をこいで、家に帰ってしまいました。

告知
●マイナビウーマン
 猫が何もない所をジーッと見る理由⇒「幽霊がいる」or「虫が飛んでる」?
 WEB上で載っています。
●WEB「R25」に
 “元動物園の獣医に聞く 真夏の動物トリビア”
 7月下旬に掲載されます。


よろしくお願いします。



<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
         日曜日は午後17:00までとなります。  
 休診日 月曜日



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2013.07.12_01:19


暑い

梅雨が明けたとおもったら、
連日気温は35℃を超え、夕方にはスコールが、
これはまるで亜熱帯の気候。空にはセキセイインコが飛んでいました。
今後地球はどこへ向かうのか?
この暑さは比較的暑さに強いネコちゃんにとっても暑すぎます。
ましてや暑さに弱いワンちゃんにとっては辛すぎます。
熱中症気をつけてください。
特に心臓病のワンちゃん、夜中から朝にかけて熱中症になることがあるから要注意です。

ネコちゃんの祖先は北アフリカの砂漠なので、
本来暑さに強く、少ない水分摂取でも生きていける体をもっています。
暑い時は体をせっせと舐め気化熱で体を冷やします。
だけどこの暑さはさすがのネコちゃんにもきついようで体調を崩し来院する子がいます。

この暑さをものともしない哺乳類はというと、
背中に特徴的なコブをもつラクダです。
ラクダには西アジア原産のコブが1つのヒトコブラクダ
中央アジア原産の2つのコブをもつフタコブラクダがいます。

この地球上で、もっとも過酷な環境に生息しているラクダ、
この環境で生き抜くために、独特な進化を遂げ
背中に大きなコブを持つようになりました。
僕が小学生の時、鳥取の砂丘のラクダの映像がテレビから映し出された時、
父は自慢げに「ラクダのコブの中には水が入っているんだ」と教えてくれました。
違いました。コブの中身は脂肪です。
体中の皮下に脂肪をつけると脂肪の服を着たことになり、
体の熱をだしにくくなります。
そのためラクダは脂肪を背中の一か所に集めました。
この脂肪を背中に集めることにより、
背中以外の脂肪のないところから熱を放熱し
背中の脂肪は、
太陽からの直射日光を遮る断熱材になりました。
そして、餌のない砂漠で長期間食べなくても、
背中の脂肪をエネルギーに変えることにより生き抜くことができるようになりました。
背中の脂肪はお弁当になのです。
当然、脂肪を消費すればコブはだんだん小さくなります。
砂漠には食べ物もありませんが、もっと大切な水もありません。
そのためラクダは一気に100リットル以上の水を飲み貯めておくことができます。
100リットルということは体重も一気に100kg増えるということ。
さて100リットルもの大量の水をどこに貯めておくかというと、
血液として体全体に貯めておきます。
他の哺乳類は血液中に水分が多いと赤血球が破裂してしまいますが、
ラクダの赤血球は水分が多くても破裂しないようにできています。
その上、取り込んだ水をできるだけ出さないように、
汗をかきません。
そして尿の量も極力へらすため、尿をろ過しリサイクルできるよう、
特殊な腎臓・肝臓をもっています。
よって尿は濃く少量しか出しません。
また、人間の場合は体重の1割程度の水分が失われるだけで、
命の危険がありますが、
ラクダは4割の水分が失われても元気です。
そのかわり、水を見つけると100リットルの水を一気飲みします。

もっと暑さに強い生き物がいます。
それはクマムシ
クマムシは緩歩動物門の動物の総称で、体長1ミリにも満たない小さい生き物で、
歩く姿が熊みたいなためにこの名前で呼ばれています。
熱帯から極地、深海から山、海・陸と、
地球上のありとあらゆる環境に生息しています。
そして、マイナス273℃の低温から150℃の高温でも死なず、
強い放射線を当てても生き残る不死身の生き物です。
もっとすごいのが、120年間も眠って過ごすことができるのです。
ただし、極限環境で耐えるためには、
クリプトビオシスという状態になっている必要があります。
クマムシは乾燥すると体を樽のように丸めて乾眠状態(仮死状態)になります。
この状態をクリプトビオシスといいます。
水をかけるともどって生きかえります。

でも、本当に暑さに強い生き物は、
熱帯から極地に生息する
「人間」です。
人間は毛が少ないため、汗をかくことができます。
ちなみに、汗をかく動物は人間と馬ぐらいです。
たいていの動物は全身毛が生えているため汗をかきません。
人間は暑い時、汗をかくことによって体温を下げます。
そして寒い時は毛の代わりに服を着ます。
時には他の動物の毛皮すら着てしまいます。
あんまり暑い時や寒い時は自分の体だけではなく、
生活空間自体を冷やしたり温めたりもします。
しかし、人間はおバカさんでした。
そんなことばかりしていたら、
地球全体の温度を上げてしまうことに気付かなかなかったのです。
おかげで、自分達の住んでいる場所が毎日35℃を超え、
ゲリラ豪雨や雷、
時には竜巻すら襲ってくる恐ろしく住みにくい空間にかえてしまいました。
現在の地球環境の激変は、6回目の大絶滅を起こし始めました。
5回目の大絶滅は、白亜紀後期の約6500万年前に起こりました。
この大絶滅は恐竜の絶滅で知られており、生物全体の半数以上の種が絶滅しました。
この原因は地球に小惑星が衝突したため、この時に巻き上がった粉塵が太陽の光を遮り、気温低下がおこり大量絶滅につながったと言われています。
この時は数百万年かけて絶滅が起こり、絶滅速度は1年あたり10~100種であったと計算されています。
しかし、現在起こっている大絶滅は、地球上に生息する人間という
たった一種の生き物の生活活動により起きており、
絶滅速度は1年間に40000種です。
これは一時間に4・5種の生き物が地球上から消えているということです。

今このブログを書いている間だけでも
10種以上の種が地球上から消えて行ったことになります。
この暑さは地球の悲鳴なのかな・・・・。


告知
●7月14日(日)午前10時から12時
 TBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」にゲスト出演します。
 聴いてください
●WEB「R25」に
 “元動物園の獣医に聞く 真夏の動物トリビア”
 7月下旬に掲載されます。


よろしくお願いします。



<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
         日曜日は午後17:00までとなります。  
 休診日 月曜日



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