動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
プロフィール

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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動物達の不思議な生態の秘密
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「たけし」仲間入り

猛暑が続くなか、たけし君が病院にやってきました。
たけし君は病院の新しい仲間です。
たけし君は2年前にあるアパートの前で捨てられていました。
そして、そのアパートに住んでいたやさしいお兄さんに拾われ飼われていました。
縁があって、今度は“五十三次どうぶつ病院”で生活することになりました。

たけし君は白い体に、
首からは6本の赤い突起が飛び出しているかわいいやつ。
大きさは体長18cm、
生涯水の中で暮らすのに足がある変わった生き物です。



25年程前に日清「やきそばUFO」のCMで
“宇宙からやってきた”として紹介され有名になった「ウーパールーパー」です。
ちなみにウーパールーパーは宇宙人ではありません。
両生類、サンショウウオやイモリの仲間です。
本当の名前はメキシコサラマンダーまたはアホロートルと言います。
「ウーパールーパー」はCM用につくられた造語です。

たけし君は両生類、カエルに代表されるように、
幼体(赤ちゃん)の時はオタマジャクシとして水の中で過ごし、
陸上で生活する大人になるために
体の形そのものをかえる変態を行います。
えら呼吸から肺呼吸になり、水の中から出て上陸します。
陸上では、足がないと移動ができないため水の中にいる時に足が生えます。
しかし、ウーパールーパーのたけし君は足が生え、
さあ上陸だというときに、
「上陸するのやめた」と、
とっても中途半端な形で変態をやめてしまったのです。
そのため水の中でしか生活しないのに足があるのです。
水の中では足はあまり役にはたたないどころか、
素早く泳ぐためには邪魔にさえなります。
このように幼い状態のまま大人になることを幼形成熟 ネオテニーと呼びます。
ネオテニーは子供の姿のままで子供をつくります。
 
ではたけし君以外のウーパールーパーはどうかというと
やっぱり変態を途中でやめてしまうのがほとんどです。
撲もたくさんのウーパーちゃんを見ましたが上陸した生体をみたことはありません。
しかし、どこか忘れましたが、
水族館で少しずつ水量を減らし、水槽を浅くすることで
強制的に肺呼吸にさせて変態をさせることに成功したそうです。
つまり、条件がそろえば変態するということです。
野生のウーパーちゃんが生息するメキシコのソチミル湖は、
水温が低いうえに、ヨウ素が少なく、
成長するのに必要なサイロキシンというホルモンを生成できないため、
長い年月をかけ変態しないまま大人になるように進化したのでした。

正直言って、たけし君、ウーパーの特徴の首の突起が短く、
あまり可愛くありません。
昨日など真っ白い体で目も白く、ほとんど動かないので、
「理科室のホルマリン標本みたい」
なんて言われてしまいました。
だけどね、夜10時になると、水槽内においてある隠れ家の上に座るのです。
背中をまるめて座っている姿は、
公園のベンチでやすんでいるおじさんの姿そっくり、
撲にとって自分の姿を見ているようでとっても愛おしいのす。

待合室にいますので、病院にきたら気持ち悪がらず、
五十三次どうぶつ病院の新しい仲間
よろしくお願いします。

<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
 休診日 月曜日



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2012.08.12_01:34
笑う猫


「先生、うちのミュウちゃん“ニヤッ”と笑うんですが?」

「それは可愛いいですね」撲がこたえると
「いやいや、それが主人の靴下を嗅いだ時だけ笑うんです。
それも洗濯した靴下には見向きもしないで、一日はいた靴下だけなんです。」
御主人は40代のIT企業に勤めるサラリーマン。
いつもビシッとスーツを着て結構なイケメン。
しかし、いつも革靴を履いているせいか、足がとっても臭い
当然、靴下も臭く、いつも浸け置き、別洗いをするほどです。
御主人は仕事から帰るとすぐに、スーツを脱ぎソファーで横になり
靴下を脱ぎソファーの横に脱ぎちらかします。
そこにすかさずミュウちゃんが近づき、
鼻でクンクン、
唇を横に広げ、口を半開きにして目を細め“ニヤッ”
とっても幸せそうな顔をするそうです。
ミュウちゃんは3歳の茶トラのネコ。

さてこのニヤニヤは、笑っているわけではありません。
実はこれ 猫や馬に見られるフレーメン反応 と呼ばれている行動です。
フレーメン反応とは、
口の奥にあるヤコブソン器官が性的なフェロモンを感じると、
口を半開きにして、ついついうっとりしてしまうのです。
これはフェロモンの種類を分析している状態だそうですが、
撲にはどう見ても何か考えているようには見えず、
ただ恍惚状態になっているとしかみえません。
うっとり→しあわせな気持ちということは、笑っていることなのかな?

ネコはマタタビの匂いを嗅いだ時も同じように
目の焦点が合わず、トロンとした目となり、
口は半開き、
体を地面にこすり付けゴロゴロと鳴きます。
マタタビに含まれる物質が、フェロモンと同じようにヤコブソン器官が
反応するためです。
マタタビは ライオン や トラ にも同様な反応をおこします。
撲は以前、高齢と暑さで体調を崩し、食欲がないトラに
マタタビの木をあたえたことがあります。
あたえるとすぐにマタタビの木をカジカジ、
そして、すぐに目は半開きになり、口を開け恍惚の表情、
お腹を上に向け、背中を地面にこすり付けゴロゴロ、
フゥーフゥーと鼻を鳴らし、まるっきり大きなネコちゃんでした。
その後食欲も出てきて元気を取り戻しました。
マタタビは猫にとって常習性のない合法ドラックのようなものです。
よしよし俺もマタタビを粉にして、などと考えても無駄です。
この器官、人間は退化してありませんので。

さては猫は本当に笑うのか?
犬の祖先は群れで生活していました。
みんなで協力しながら獲物をとらえてたため、
コミニュケーションが非常に大事であり、
お互いの感情を伝えるために表情が豊かになりました。
しかし、猫の祖先は単独で生活し、
一人で狩りをしていたため、他の猫と協力することはなく、
感情を表情で伝える必要がありません。
人間とともに生活するようになってから、
甘えたり、不満を伝えるために
少し感情を表情で表すようになりました。
まだまだ犬に比べ表情が乏しいですが。

撲の愛猫は間違いなく笑います。
飛んでいる虫を捕まえようとして失敗した時、
フローリングで滑って転んだとき、
飛び乗ろうとしたタンスから落ちた時、
まずは手を舐め、顔をグルーミングして心を落ち着かせた後に
恥ずかしそうに“ニヤッ”と笑います。
あれは確かに笑っています。照れ笑いです。

ミュウちゃんはどうも御主人の靴下に性フェロモンを感じたようで・・・。
だけどミュウちゃんは確かのはず・・・?。
これってどういうこと?

それともう一つ、御主人の水虫がミュウちゃんにうつらないことを
願う撲でした。

<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
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2012.08.04_22:07
“ぴょん吉”の復活


診察台の上に乗せると、
“ぴょん吉”はコテッと転び
グルグル転がり、
危うく落ちそうになりました。
頸はほぼ90度曲がり、
顔は上をむいたまま固まっています。
眼球は横に細かく振動していました。
外見からでも骨の位置がわかる程痩せていました。
“ぴょん吉”は11歳のウサギちゃん。
そっとタオルに包み診察を始めました。
目はくぼみ、ひどい脱水状態。
ここ数日は、ほとんど何も食べていない様子。
菌を退治する、栄養補給をする、胃腸を動かすなど
積極的な治療を数日行いました。
しかし、眼球の震えは止まりましたが、首は傾いたまま、
立ち上がることはできず、
自力で食べることもできません。
症状の改善は少なく、
注射による栄養で、かろうじて生きている状態でした。
飼い主さんに現在の状態、
非常にきびしいことを伝え、
今後のことを相談しました。
病院で注射による治療をやめ、
最後の時を、家で家族のもとで過ごしてもらうことに・・・。
シロップで作った薬の投与、
床ずれができないように時々ひっくり返す、
タオルや手によるマッサージ、
オシッコ、よだれ、ウンチなどの汚れを拭き
できるだけきれいにしていてもらうことをお願いしました。
“ぴょん吉”は飼い主さんに抱っこされ、自宅に帰っていきました。
それから2週間後、
飼い主さんが箱を持って病院にやってきました。
中身は、タオルに包んだ“ぴょん吉”のようです。
ああやっぱり・・・だめだったか・・・。
『残念でしたね』とお悔みを伝えようとすると
タオルが動きました。
「先生食べるようになりました」と飼い主さんはニコニコしながら一言。

退院後、家では居間の真ん中に“ぴょん吉”専用マットをおき、
家族みんなでかわるがわる、マッサージを行ったそうです。
蒸しタオルで汚れをとる、声を掛けるなどをしていました。
退院翌日、飼い主さんが特性流動食をそっと口の中に入れると、
口をもぐもぐ動かしたそうです。
その翌日にはウンチも、
家族に囲まれ、みんなの声がと愛情が、
“ぴょん吉”に“生きる力”をあたえたようです。
体へのマッサージは血の流れをよくして、
胃腸を動かしました。

“ぴょん吉”を元気にしたのは、
薬ではありません。
僕は元気になるためにほんのちょっとお手伝いしただけ。
病気を治したのは獣医師ではなく
家族の愛情と、
“ぴょん吉”の
「生きようとする気持ち」です。

現在、発症から3か月、
首は相変わらず曲がったまま
立つことはできませんが、
家族の愛情の囲まれ“ぴょん吉”は元気です。



<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
 休診日 月曜日



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