動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
プロフィール

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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動物達の不思議な生態の秘密
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2012.05.27_18:05

あ~倒れる

「ちょっとまて、落ち着け 乳首はここだ、
 あー押すな、押すな、
 あーーーー倒れる」

ガシャーン

僕は大きな哺乳瓶をもったままバンザイの形で
牧草の敷き詰めてある床にひっくりかえりました。
夜の10時、高い天井の大きな部屋でたった一人、
哺乳瓶を両腕でかかえ、
脚立にのり、僕はミルクをあげていました。
お腹が空いている“ジーラ”は、
焦り過ぎて、たびたび乳首が口から外れます。
その度に大きく頭を振りながら乳首を探します。
その頭が僕の胸にぶつかります。
胸を押された僕はバランスを崩し、
ガシャーン
脚立の上から落ちたのでした。
どんなに痛くとも、素早く立ち上がり脚立に乗って、
哺乳瓶をもった両腕を目いっぱい伸ばし、
再びミルクをあたえます。
親指より太く長い乳首を咥えいっきにすいこみます。
長い首がドクンドクン動き、ミルクがすごい勢いで、飲み込まれるのがわかります。
3リットルほどのミルクをほんの3分ほどで一気に飲み干しました。
長い首、そうです“ジーラ”はキリンの赤ちゃん。
“ジーラ”は生まれてすぐ、お母さんが死んでしまいました。
そのため僕たちが母親がわりになりました。
キリンの赤ちゃんの身長は、生まれた時にすでに180cmを超えるため、
ミルクをあげるのが大変です。
身長の低い僕は、生まれてすぐは両手を上げバンザイの格好で哺乳。
半月後には つま先立ちで、バンザイの格好で
一か月後、脚立に乗っての哺乳です。
一回に3リットル以上のミルクを飲み、
僕の背より数十センチも高く、
僕の倍以上の大きさの顔であろうとも、
つぶらな瞳と甘えるそぶりはやっぱり赤ちゃん、
とっても可愛いのです。
特にミルクをのみ終えた後の大きく潤んだ目に見つめられると、
メロメロです。

キリン以外にも僕が母親がわりに育てた動物はたくさんいます。
初めて育てたのは牛の“フックン”でした。
乳牛の仔は生まれて最初の乳を飲むと、
直ぐに母親から離されます。
仔牛は母親のミルクではなく人工乳(粉ミルク)で育てられます。
なぜかというと、母牛のミルクは人間が利用するため、仔牛にはあげないのです。
人間はなんてひどいことをしているのでしょう・・・・。
牛乳好きの僕としては、仔牛さんに感謝しながら飲まなくては。
“フックン”の子育て楽しかったな、
乳首と間違えてよく僕の指を「チュウチュウ」吸いました。
これが結構気持ちいい、マニアの世界。

それ以外にもツキノワグマ、チンパンジー、オランウータン、ニホンザル
レッサーパンダ、コウモリ、ウサギ、犬、猫などなど
たくさんの動物にミルクをあげました。
みんなそれぞれ、楽しくもあり、たくさんの苦労がありました。
すべてに共通するのは、ミルクを飲むとお腹がぷくっと膨れ、
飲み終わるとウトウトすること、
苦労したのは、それぞれのオッパイにあわせた哺乳瓶の乳首を探すこと、
どんなにお腹が空いていても、気に入らない乳首では絶対飲みません。

特に人工哺乳で神経を使ったのはコウモリの時、
注射器を改造した特注哺乳瓶であげるのですが、
ちょっとでもミルクが出過ぎると、
“ゴッフゴッフゴフ”
鼻からミルクをだしながらむせました。
最悪の場合は肺にミルクが入り死んでしまうことになります。
とにかくゆっくり少しずつあげました。

オランウータン“フジコ”は飲んだあと、背中をたたきゲップをさせるのですが、
しょっちゅうゲップとともに飲んだミルクを、 
全部吐きだしました。
フジコの体を拭いた後、自分の洋服も全部着替えました。

そして、どんなに可愛がっても、
一生懸命ミルクをあげても
大人になるとみんな僕のもとを離れ、
だんだん僕のことを忘れていきます。




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2012.05.19_17:25

見た目でだまされる


「シャー」
我が家の愛猫“ロン”は
一緒に生まれた兄弟の“ラン”に向かっていきなり威嚇。
そして、近づいた“ラン”の顔面に強烈な『パンチ』

生まれた時からずっと一緒にいて、
いつも一緒に同じお皿でゴハンを食べる程、仲良しの2人が。
2人の間に何があったのだろう。
今までも、じゃれあっていたとき、
興奮のしすぎでの軽い猫パンチはありましたが。
今回はいきなり本気モードのパンチです。
見ていた僕もびっくり。

いつもと違うのは“ラン”の全身が濡れていたこと。
“ラン”は、僕が食べた後の煮魚をあさって
煮汁を頭からかぶってしまいました。
しょうがなく、生まれて初めてのシャンプーをしました。
そしてきれいに流し終えた時、お風呂場から逃げ出したのでした。
多分“ラン”は、「えらい目にあったよ」と、
“ロン”に報告しにいったのだと思います。
しかし、全身びしょ濡れの“ラン”は、見た目の大きさが半分以下になっていました。

猫はあまり視力がよくありません。
猫の目の水晶体は非常に大きいのですが、
ピントを合わせるための筋肉が発達していないので、
ピントを合わせることが苦手です。
ど近眼です。
しかし、動くものにはすごく敏感で動体視力は抜群です。
ドタドタと近づいてきた物体を、すぐに目でとらえます。
しかし、ぼやけて見えるため、
濡れて“小さくなったラン”を、
あやしい者がきたと認識したようで、
ちょっと姿がかわっただけで、生まれてからずーと一緒にいた、
大好きな兄弟がわからないなんて、
なんて、おバカなのでしょう。
もっと五感をいかして気づいてよ。

避妊手術のため入院していた、猫の“メロン”ちゃん。
傷口を舐めないよう、サラシの包帯をまいて退院しました。
メロンちゃんのお家では、たくさんの猫ちゃんたちがまっていました。
しかし、サラシをまいて帰ってきた猫ちゃんを、
みんないっせいに「シャー」。
サラシをまいている本人は、自分の姿の変化に気付いていないので、
やっと会えたと、みんなに喜んで近づくのですが「シャー」。
みんなが“メロン”だと気付くのに丸一日かかりました。

夜家に帰ると、暗闇の中「猫の目」が光りびっくりすることがあります。
猫は、暗がりの中でもできるだけ光を取り入れようと瞳孔を広げます。
そして、瞳孔から入ってきた光を、
網膜の下にあるタペータムという組織が反射板の役目をし、
一度網膜を通過した光を再び網膜に送ります。
わずかな光も2倍の明るさにして利用します。
そのため猫の目は暗くてもよくみえますし、
反射した光が、暗闇で光ります
本来、夜に狩りをしていた猫は
暗い夜のほうが実力を発揮できるよう
目を進化させました。


「さっき“テル”ちゃん連れてきたの○○さんの娘さん
フィラリアの薬をとりにきたチワワの“テル”ちゃん、
いつも連れてくる○○さんと雰囲気が違うような感じがしたので、
受付のFさんにたずねました。
「違いますよ、先生、○○さん本人です。
今日はメイクばっちりで来ただけですよ」

見た目でだまされる、
僕は猫ちゃん並みの視力でした。



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2012.05.12_10:19
「ブぅ~~~」

診療を終えカルテ整理をしていた時、
病院内に“プーン”甘酸っぱい発酵臭、
鼻がまがりそうな強烈な臭いがただよってきました。
病院にいるのは、受付のFさんと僕だけ
僕のお尻からは何も出ていないし、
もしかして、Fさんのオ●ラ?
Fさんは受付から振り向きながら、ちょっときつい目で僕をにらみました。
自分でしておいて・・・・、僕のせいにするの・・・。
病院内に険悪なムードが。
「ぷぅ~~~」
今度は可愛い音が響きました。
再び振り向いたFさんと僕は、「ぷっ」と笑ってしまいました。
音の主は、僕とFさんの間に横たわっているブルドックのウメちゃん
犯人はかわいいかわいい女の子でした。
彼女は両手両足を大きく開き、うつ伏せで寝ていました。
自分の音で目をさました様子。
キョロキョロ周りを見回しています。
「おーい、お前のお尻からでたんだよ」
今度は立ち上がりながら「ぷっ ぷっ ぷっ」連続屁。
そして時間差で強烈な臭いがやってきました。
臭いのもとを求め「クンクン」
「お前のお尻だっちゅーの」

ワンちゃんもオナラするの?
人間だけではなくワンちゃんも猫ちゃんもオナラします。
音つきもしますし、すかしもします。


オナラって何
飲み込んだ空気と、食べた物が腸の中で分解されている時に、
腸内細菌により発酵がおきその時に発生したガスです。
腸内で発生したガスのほとんどが腸管から吸収されますが、
これらを吸収し切れなかった分がオナラとして排泄されます。
おならの成分は窒素や水素、炭酸ガスやメタン、酸素が主で、
その他アンモニア、メルカプタン、硫化水素、インドール、スカトール等
その成分は400種類以上にもなります。


オナラがいっぱい出るのは病気なの?
オナラが出ることには問題はありませんが、
今までほとんど出なかったのに、
急にいっぱい、強烈に臭いオナラをするようになったら、
胃炎や腸炎、直腸に潰瘍の疑いがあります。
また膵臓や肝臓の病気でも頻繁にオナラがでるようになります。
ストレスがたまると、悪いガスがたまり、臭いオナラがでます。
ストレスにより、自律神経が乱れると、腸の中の悪玉菌が活発になり
腸内環境を悪化させてしまいます。
悪玉菌は腸内に有毒ガスを発生させ、臭いオナラを作り出します。
病気ではないのですが、牛乳不耐症の人間やワンちゃんが牛乳を飲むと、
お腹がゴロゴロしてガスが溜まりやすくなり、オナラがでます。


オナラには腐敗型と発酵型があります。
発酵型のオナラは、大腸の入り口付近で善玉菌が活躍し、
炭水化物を分解し、二酸化炭素や水蒸気になり、
においも少なく、臭くないオナラになります。
そのうえ、このガスは腸管を刺激し、腸の動きを活発にしてくれます。
臭くないうえに、体にもいい効果があるのです。
ただし困ったことに、発酵型のオナラは、
「プゥ~」という大きな音が出てしまいます。
腐敗型は、大腸の出口付近で悪玉菌が、消化されなかったタンパク質を腐敗させて、
インドール、スカトール、アミン、硫化水素などの臭いガスを発生させます。
このガスはあまり体に良いものではなく、
あまりこのガスが溜まると大腸がんをできやすくするとも言われています。
このオナラは、「ブッ」という短く小さい音か、
もしくは「すかしっ屁」になります。
すかしっ屁が臭いのは腐敗型のオナラだからです。
大きな音で臭くないのはいいオナラ。
臭い「すかしっ屁」は悪いオナラ。
オナラは食べ物とストレスに大きく影響されます。
良い食事とストレスを取り除きいいオナラを出しましょう。



遺伝子がオナラの質を左右する   
腸内細菌叢(腸の中いるいろいろな細菌の集まり)の状態は、
遺伝子で決まると言われています。
従って、いつも同じ食事を同じ量だけ食べている仲良し夫婦でも、
腸内細菌叢が違うため、、
オナラの成分が違い“匂い”も“音”も変わります。
オナラの成分であるメタンは作る家系と、作らない家系があるそうです。
メタンは引火性があります。
よってオナラに火が付く家系と、火が付かない家系があります。


ヤギのオナラ
夜中に寝小屋を抜け出したヤギが、
餌小屋に忍び込み一晩かけ思いっきり餌を食べたことがありました。
そして翌朝お腹がパンパンに膨れて倒れているのを発見されました。
お腹を叩くとポンポンと太鼓のような見事な音が響きました。
あまりにもたくさん食べたため、胃腸の動きが止まってしまったうえに、
悪玉菌が大活躍、大量のガスが発生していました。
このままでは死んでしまいます。
胃腸を動かすための注射と、お腹のマッサージをしました。
そして無理やり立たせて歩かせました。
しばらく歩くと
「プフフフ~~」お尻から情けないオナラがでました。
「グッフ」今度は口からはゲップが。
見る見るお腹がへこみました。
お腹に聴診器を当てると、
「ギュルギュルギュル」と胃腸が動き出す音が聴こえました。
これで一安心です。
この時のオナラはうれしいオナラでした。


オナラが地球を温暖化させる
羊や牛のオナラには
メタンと亜酸化窒素などの温室効果ガスがたくさん含まれています。
人口よりたくさんの羊を飼育しているニュージーランドでは、
羊のオナラとゲップが国全体から排出される温室効果ガスの半分以上を占めています。
温暖化の原因がオナラということになります。
そして、もっと驚くことにイギリスの専門家が
「恐竜の絶滅原因」は恐竜のオナラだという説を最近発表しました。
この説はスコットランドにあるセント・アンドリュース大学と、
リバプールのジョン・ムアーズ大学の研究者が共同で報告したもので、
恐竜は,自分達が栄えていた1億5000万年の間、
あの巨大な体から毎年約5億2000万トンもの
メタンガスをオナラとゲップとして吐き出していました。
これが温室効果となり、地球上の気温を急激に上昇させました。
そしてこの気候変動は、大災害を引き起こし
そのことにより、恐竜が絶滅したとの説です。
恐竜の絶滅は、巨大隕石や火山の噴火ではなくオナラの為でした。

   <東京都大田区大森東 五十三次どうぶつ病院 北澤 功>



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2012.05.06_22:44
GWのお楽しみ

GW久しぶりに休みをとり、信州で過ごしました。

甘いみたらし団子、を食べながら

最後の桜を楽しみました。

信州ではまだ最後の桜が咲いていました。
実は僕、普段は病院の近くのアパートに住んでいるのですが、
信州の山の中に家があります。
その庭に桜の木が植えてあり、
冬の雪の重さと寒さに耐えた小さな“しだれ桜”が、
春の日差しをを受け薄いピンクの花を咲かせていました。
家の前には棚田が広がり、
そこでは目覚めたばかりのカエルが「グゥワグッワ」。
隣の林からはウグイスが「ホーホケキョヲ~」
鳴き始めはまだまだ下手くそです。
いっぱい鳴くとだんだんうまくなります。
空にはオオタカが上昇気流に乗りながら円を描いています。
信州の春は一気に目覚めます。
家の周りは春の力強い生命力で満ち溢れていました。

そして、家の裏にある石垣の上でニホントカゲが日向ぼっこをしていました。
僕はトカゲを見つけるとついつい掴まえたくなってしまいます。
そっと近づき、お腹のところを“パッ”っと掴み捕まえます。
体長20cm超えの大物です。

「お腹のところ」これが大事。

トカゲは、お腹ではなく尻尾を掴むと自分で尻尾を切って逃げてしまいます。
不気味なことに胴体から離れた尻尾は、しばらく“ウネウネ”動くのです。
ミミズに似ていて、結構グロテスク!
やがて切れた尾は再び生えてきますが・・・
トカゲの自切は、切れたしっぽがしばらく動くことで外敵の注意を引き
その隙に逃げるために行ないます。びっくり!



さらにびっくりなのは、トカゲには目が3つ あるんです。

第3の目は頭のてっぺんにあります。
目といっても、何かの形を見るわけではなく、
光を感じるだけの機能しかありません。
しかし、最近この目が太陽の位置を測る羅針盤として使っていることが実証されました。
トカゲは太陽と第三の目を使い自分の位置を把握しているのです。

この日はニホントカゲの他、ニホンカナヘビも掴まえました。
あとは、ワラビ、セリ、タラの芽、ノビロを採り、
自然の恵みも楽しみました。
これから田に水がはられると、アカハライモリがでてきます。
6月になるとクワガタ・カブトムシも出てきます。
自分の縄張りにしている、樹液のたくさん出るコナラの木の巡回もしなくては。

さ~トカゲの餌のクモを集めるぞ~!

ヒゲ面&サングラスのすっかり中年の僕の中で 元虫捕り少年の血が騒ぎます。



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