動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
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つきまるにゃん

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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動物達の不思議な生態の秘密
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猫の往診

ある朝、病院に電話がありました。

「うちの子、昨日から元気がなくて御飯食べなくて・・・。診てもらえませんか。」
「それでね、あたし足の調子が悪いから連れていけないので」
「往診お願いします。」
「わかりました。捕まえておいて下さいね」 僕がお願いすると
「うちの子はおとなしいから大丈夫です」 というお答え。
僕の頭にちょっと不安がよぎりました。 

往診にいくと品の良いおばあちゃんと一緒に黒猫が出てきました。
そして、僕が名前を呼んだ途端、
彼はものすごいスピードで2階に駆け上がっていきました。
不安的中です。

2階の寝室に入り込んだ彼は、
おばあちゃんが名前を呼ぼうが、好物の削り節を持ってこようが、
タンスの上から降りてきません。
僕が近づくと背中を丸め、全身の毛を逆立てて「シャー」と一声、

そしてタンスから飛び降りると、タンスと壁の狭い隙間に入り込みました。
完全にお手上げです。

犬は本来仲間同士で協力しあいながら獲物をとるため、場所より仲間が大事なのですが、
猫は一人で狩りをするため「餌を確保する場所」が大事で縄張り意識が強いのです。

その大事な縄張りにあやしいオーラを放つ僕が来たので、まずは威嚇し追い払おうとしました。
けれどもかなわないと思ったのか、安心な場所に逃げ込んだのです。
僕が勝ったのです。いやいや勝ち負けではない、診療しに来たのにこれでは・・・。
結局おばあちゃんと30分ほど楽しいお茶の時間を過ごし、
彼に触れることもなく病院に戻ることになりました。

このようにネコちゃんにとって完全なホームである自宅では、
ネコは自由に動きまわり思うように診察ができないこともあります。


病院の方が完全なるアウェイのため固まって動かず、
聴診・注射などゆっくりと診療ができます。
中にはアウェイでも思う存分暴れ回るつわものもいますが。

ちなみにネコは100mを7秒台で走れます。
ボルトより2秒も早い。
その上木登りが得意、瞬発力も素晴らしく助走なしで2mもジャンプ!
いったん逃げたら捕まえられません。
ですから、往診の時はできるだけ隠れ場所のない部屋に閉じ込めておいて下さいね。
さてさて今回のネコちゃん、僕が帰ったあと、
「大きなうんちをたくさん出しすっかり元気になった」という電話がありました。
便秘でした。
僕とのおいかけっこが適度な運動となり、腸を動かしてくれたのでした。

 〈東京都大田区大森東 五十三次どうぶつ病院 獣医師 北澤 功〉


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僕は 元動物園獣医師
現在は東京都大田区大森東の五十三次どうぶつ病院獣医師です。
動物園時代からたくさんの生き物を飼い、そして咬まれ、踏まれ、蹴られてきました。
こんな楽しい自分の経験からありとあらゆる生き物の秘密にせまります。
今回はハムスターの秘密です。 
ハムスター
 

夜中の怪音
 僕が電気を消し、布団に入ると、カラカラゴロゴロと謎の音が響きわたります。
最初は風の音だと思っていたのですが、電気をつけると止まるのです。
どうしても気になった僕はある晩、電気を消したまま、こっそり音のする方に近づきました。
すると音の主は、わが家の一番小さな家族、ハムスターの「海ちゃん」でした。


海が「回し車」を回す音です。

昼間はもちろん夜でも僕が起きている時には、彼女はほとんど寝ているため
「うちの子はぐうたら娘で回し車なんて使わない」と思っていたので、ちょっとびっくり。
午前2時過ぎまで、じっと観察していると、餌を食べたり毛づくろいをする時以外は、
ほとんど回りっぱなしでした。


ハムスターはネズミの仲間で夜行性。ですから、暗くなるのを待って動き出していたのです。
野生のハムスターは、餌を求め一晩に20キロ近くも走り回るといわれています。
2㌢あるかないかの短い足ですから、人に例えたら毎日ウルトラマラソンをやっているようなもの。
だけど野生下で餌を求めて走るのはわかりますが、わが家ではたっぷり餌を与えているので、
走る必要などないはずです。

調べてみると、食生活に秘密がありました。
生きていくためには、必須アミノ酸と呼ばれる栄養素をバランスよく取らなければなりませんが、
げっ歯類が食べる穀物にはそれが少量しか含まれていません。
それで、必要十分量のアミノ酸を取るためには大量の穀物を食べる必要があります。
しかし、その結果、脂肪・炭水化物など他の栄養素を多く取りすぎることになってしまいます。
それでこの余分なエネルギーを放散するために、夜中に走るというわけです。
うちの海ちゃんは、ダイエットのためにせっせと走っていたのです。
uma


体格は大きく異なりますが、馬も同じです。
馬が走るのは「食べ過ぎた余分なエネルギーを捨てる」という意味があるのです。
同じ草食動物でも、牛は走り回らず寝てばかりですね。
なぜかというと、大きな胃の中に莫大なバクテリアを飼っているので、
食べた草はこのバクテリアの食物となり、
そしてすごいのが、このバクテリアが発酵によって草からアミノ酸を合成してくれます。
そのうえ牛は、このバクテリア自体も消化してエネルギーとして利用しています。

つまり、草食動物として馬よりも進化したすぐれた消化器を持っており、
効率よく草を利用し、過食の必要がないので走る必要もないというわけです。
人間は、馬よりもっと肉食獣に近い消化器をもっているため、
野菜だけで生きていくには、やはり過食にならざるをえません。

「せっせと野菜を食べているのに、ちっともやせないなぁ」
僕も過食。「海」を見習って走ります。                      
                           〈獣医師 北澤 功〉



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