動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
プロフィール

つきまるにゃん

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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動物達の不思議な生態の秘密
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2017.03.08_14:32

悲しい事故

「池の近くで作業中の男性飼育員に、3歳ぐらいの男の子を連れた夫婦から
“ライオンに人が襲われている”という一報がありました」
長野県の小諸市動物園で15歳の雌ライオン“ナナ”が女性飼育員を襲いました。

男性飼育員がライオン舎に駆け付けると、
女性飼育員がライオンに噛まれ寝室に向かい引っ張られていました。
飼育員はホースで水をかけ、女性飼育員とナナを離して助け出しました。
救急車で病院に運ばれましたが、全身に引っかき傷や噛み傷があり、
咽頭の傷は気道にまで達していたそうです。
幸い命に別状はないそうで、ほっとしました。
この動物園には獣医師がいないため麻酔銃はありません。
またあったとしても、麻酔はいきなり倒れるわけではないので、
もし使用しても、逆に興奮しておとなしくなる前に、いっそうひどく噛みつくなどし、
もっと大きな事故になtった可能性があります。
ホースを使ったのは、飼育員の素晴らしい判断だっと思います。

この小諸市動物園、
知り合いの飼育員に頼まれ何度か往診に行ったことがあります。
小諸動物園の設立は大正15年というとっても歴史のある動物園、
古く小さな動物園ですが、
飼育員の工夫により、楽しい企画や、手づくりの看板、
獣舎も自分たちでなおしながら、
動物たちを快適に過ごさせていました。
特に若い臨時職員の飼育員たちが頑張っていました。
今回の女性飼育員も夢をもって動物園で働いていたこと思います。

なぜ、今回の事故が起きたかというと、
残念ながら飼育員の鍵のミスだと思います。
動物園においてはライオンなどの猛獣は間接飼育、
絶対同じオリの中に入ることはありません。
ドアと鍵の管理さえしっかりすれば飼育するには一番安全な動物です。
ウサギの飼育の方が危険なぐらいです。
ウサギの場合は日常的に抱っこをする必要があるため、
噛まれたり、蹴られたり、結構人間が怪我をします。
ライオンの場合、治療の時も、麻酔をするか、
もしくはスクイズケージと呼ばれる、
オリの片面が動き、挟み込むことによって動かなくする、
特殊なオリを使用するから安全です。

今回は何らかのミスで女性飼育員が同じ空間に入ってしまったための事故です。
飼育2年目ということ、一番飼育が楽しくなる時、
ちょっとした油断が事故につながったのでは?
僕が以前チンパンジーの担当をしていました。
チンパンジーの檻の前に行くまでで4つのドアがあり、
それぞれに鍵がついていました。
いつも頭の中に鍵をかけ忘れていないかの不安がありました。
動物園で働いている時は、自宅に帰ってから鍵をかけたのか不安になり、
夜中に動物園に行ったことも何度かありました。
今でも時々、鍵の掛け忘れによる動物と鉢合わせになる夢を見ます。

今回の事故、ナナちゃんが嚙みついたのは襲うためではなく、
いるはずない人が自分の目の前にいたため、びっくりしたのだと思います。
しかし、飼育員のとっさの判断で助け出さなければ、
もしかしたら命をおとすことになってしまったかも・・・・。

今後の対策として、マニュアルをきちんと作りなおすことは大事ですが、
動物園の作業は生き物相手、日々作業内容、順番が違います。
人間のやることです必ずミスがおきます、
それぞれ各自の意識が大事です。
2人でやればという意見もありましたが、
ドアや鍵に関しては1人の方が安心です。
お互いにもう1人がやっただろうと思い込むことにより事故が起きます。
鍵に関しては自分以外を信じないが大事です。

女性飼育員が早く回復し、
今回の事故をきちんと検証し、
2度と事故を起こさないようにしたうえで、
早めの再開を希望します。

僕にとってもなじみのある動物園での事故、
僕なりに考えたこと感じたことを書いてみました。


<休診のお知らせ>
〇3月22日(水)の午後の診療は18時までとなります。
〇3月28日(火)は臨時休診となります



<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 〒143-0012 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
         日曜日は午後17:00までとなります。  
 休診日 月曜日

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今年の目標「断食」と「朝1番に鳴く」


コケコッコゥオーウオ~~~~~~~~オ
おっ、いつもより長いかな・・・、あ~でも7秒か・・・。
目標は15秒。まだまだだな。
僕は動物園勤務時代“信州唐丸”という鶏の飼育をしていました。
動物園には地球上から消えようとしている生き物を
動物園で飼育し増やすことによって絶滅を防ごうという
「種の保存」という大事な役割があります。
この役割の一環としてこの鶏を飼育していました。
「信州唐丸」は濃い緑色に輝く長鳴きの鶏です。
その昔は信州の農家の庭でたくさん飼われていたのですが、
鶏を飼うという文化?がなくなるとともに飼育数が減り、
他の鶏との交雑などもあり絶滅したと思われていました。
それがほんの数羽残っていました。
僕が飼っていたのはその数羽のうちの♂♀のワンペアでした。
信州唐丸は長鳴きが売り、
しかし、残念ながら一生けん命頑張って鳴いても8秒が精一杯。
信州唐丸を名乗るには最低15秒は鳴いてほしいのですが・・・。

鶏の秘密
鶏は、その昔は卵や肉としての食用ではなく、
時を告げる鳥として人に飼われていました。
また鶏同士を戦わせる闘鶏としても飼われていました。
日本で飼われはじめたのは弥生時代といわれています。
鶏が朝鳴くべきなのに、宵のうちになく宵鳴きをしたため、
朝だと勘違いをして恋路を邪魔されたという歌が、
万葉集にも詠まれています。
このように我々人間ともっとも長く一緒に過ごしていた生き物の一つが鶏です。

鶏の名は
鶏の昔の名はカケと呼ばれ、これは鳴き声からつけられました。
その後、庭で放し飼いされていることから、庭の鳥→ニワトリとなった説があります。

トサカは何のため
パンクの髪型“モヒカン”のような、
頭の上にある赤くギザギザに尖っているトサカ、
鶏にとっても大事なものです。
このトサカが赤いのはたくさんの毛細血管が集まっているためです。
そして、この赤には意味がありました。
鳥は赤を認識することができるため、
他の雄鳥への威嚇、
雌鳥への恋のアピールの役割となるのです。
トサカは♂の強さの象徴であり、睾丸からでるホルモンがトサカを大きくします。
そのほか血管が集まっているため、
暑い夏などトサカから放熱する体温調整の役割も果たしています。

歩くときに首を振るのはなぜ?
ハトもそうですが、鶏は歩くとき首を前後に振ります。
これは自分で歩かなくても、自転車に乗せても首を振ります。
人間は動きながら景色を見るとき、
眼球を動かすことによって対象を追うのですが、
鶏は眼球を動かすことができないため、
眼球を動かす代わりに首を動かすことによって対象を追います。

鶏は縦社会
鶏は社会性動物で、グループ内には厳しい序列があります。
上位になると餌を確保するにも、交尾も、
寝るところも一番お気に入りの所、一番最初です。
そして最近、朝鳴き始めるのにも順番があり、
上位の鶏から鳴き始めることが発表されました。
一番上位の鶏が寝坊すると、みんなはじっと起きて鳴くのを待つのです。
ちなみに鳴くのは雄鶏です。

今まで僕が飼った鶏は、烏骨鶏・チャボ・軍鶏・信州唐丸です。
彼らと接して感じたイメージは「とっても賢い」でした。
僕たち人間を声・足音・姿で完全に認識していました。
チャボは朝、僕の気配を感じると、
早く出して遊んでとコォッコォッコォと鳴き始めます。
見えなくても気配で誰が来たかわかるようでした。
特に教えなくても、卵を産む巣、食事の場所、食事の時間、
餌をくれる人などをすぐに覚えました。
軍鶏も人を認識しました。
好きな人嫌いな人がはっきりしていました。
一番最初に彼とあった時、健康チェックと称して捕まえたのを
“ず~と覚えていて”
僕が小屋に入るといきなり攻撃態勢に入りました。
僕が背中を向けようなものなら、ジャンプをして頭をキック、
ものすごいキック力のため、うちどころが悪いと出血、気絶しそうになります。
軍鶏の部屋に入る時は箒と塵取りで身を守りながら、絶対背を向けませんでした。

鶏は1年間で300個ほどの卵を産み、産まなくなった鶏は処分されてしまいます。
しかし、この処分されそうな鶏を1週間ほど断食させると、
不思議なことに艶もなくなりボロボロだった羽は生え代わり、
そして再び卵を産みだし、肝臓も脂肪肝から改善、砂嚢は2倍に大きくなり、
肉の中の脂肪も減少します。
断食によりダイエットとともに若返りました。

今年は酉年、
このブログを書きながら食べている大福を最後にし、
まずは1週間断食をするぞ、
そして、我が家も鶏同様、厳しい縦社会だが、
妻より先に起きた時、起こさないように静かにしているのではなく、
ひと鳴きして僕の地位をあげるぞ。



<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 〒143-0012 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
         日曜日は午後17:00までとなります。  
 休診日 月曜日


2016.12.03_15:00


娘からのLINE
            

12月に入ると、僕のスマホの“ピロ~ン”の回数が急に増えます。
京都で働いている娘からのLINEです。
「寒い時期だから気を付けて」
「いつまでも若くないんだから、体を大切に」
優しい言葉
会社でのできごと、
アパートの夕ご飯の写真、
近況報告
使い古した“バック”
かかとが減った“パンプス”
以前僕があげた少し色がくすんでしまった“ネックレス”
少し古くなった装飾品の写真
僕の娘は世界一僕を心配してくれる自慢のやさしい娘、
いつもは、ほとんど連絡はないけれど、
12月になると途端に僕を心配してくれます。
7月にも、とっても頻繁に連絡が来ます。
我が愛する妻も12月に入るととっても優しくなります。
僕のお仕事のお風呂掃除を変わりにやってくれます。
ご飯を食べた後の食器の後かたずけもやってくれます。
一昨日など、ソファーでうたた寝していたら
普段は「じゃま」と起こされるのに、
毛布を掛けてくれました。
昨日食卓テーブル、
僕の前に“カ〇ティエ”のカタログが何気に置いてありました。
「僕がそれをそお~としまおうとすると」
「鍋を持っていくからそこに置いておきなさい」
「あ~“カル〇ィエ”の鍋敷きね・・・」
今日はなんの鍋敷きが置いてあるか・・。

動物たちの♂は求愛のために♀にプレゼントをあげることがよくあります。                                   そのプレゼントが気に入ると、初めて交尾となります。
♂にとってプレゼントは自分の遺伝子を残すための大事なアイテム。
そして、このプレゼントに関してはとっても理不尽なルールが、
“♂が♀に送る”ということです。
なんで♂が♀にプレゼントするの、逆はダメなの?
♂は一生のうちに何億という精子を作るのに、メスはほんの少ししか卵子を作りません。
♂は出来るだけたくさんの♀と交尾をすることにより自分の遺伝子をたくさん残せます。
♂は遺伝子を残すために、たくさんの♀と交尾をしたいのです。
♀はたくさんの♂と交尾しても意味がありません。
♀は卵子がとっても貴重なため、たくさんの精子を手に入れるのではなく、
良質の遺伝子を手に入れる方が大事となります。
また、♀は待っていてもたくさんの♂がアプローチをかけてくるので選び放題、
良質な遺伝子とは、良質のプレゼントを用意できる♂ということ
♀は♂を選ぶ立場なので、プレゼントをあげる必要はないのです。
チンパンジーの♂、♀だけではなく大人♂にも食べ物を分け与えることもあります。
実際僕もチンパンジーのお世話をしていた時、
♂の「サトシ」にちょくちょく、食べかけの煮干しをもらいました。
チンパンジーの♂は、戦うときに協力してもらうために♂のもプレゼントをします。
ケンカの時、僕に助っ人をたのむつもりらしい。
しかし、食いかけの煮干しでは僕は動きません。
せめて、バナナでなくてはダメです。

人間はなぜ贈り物をするのか?
その人のことが好きだから、愛しているから、離れたくないから、
感謝の気持ちを伝えるため、
元気になってもらたいお見舞い
亡くなった人や祖先のお供え物、
日頃お世話になった方々に感謝の気持ち、「これからも宜しくお願いします」とお歳暮、
誕生日のお祝い、
そして、クリスマス
人間にとってプレゼントは、人間同士の良好な関係をするためはとっても大事なものです。

お父さん!20代の娘から、やさしい言葉をかけてもらえますか?
僕は7月と12月と時期は限られているが、
愛する娘から愛情たっぷりのLINEが来ます。
ちなみに娘の誕生日は7月26日です。


<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
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 休診日 月曜日


年末年始休診のお知らせ
12月30日(金)~1月4日(水)午前まで
1月4日はPM1:00~診療します。


  『 獣医さんだけが知っている 動物園のヒミツ 人気者のホンネ』

  僕が動物園で知り合った愉快な仲間たちのお話しです。
 動物のあやしいウンチクまんさい!
 この本をもって動物園に行ってください。
 動物園が100倍楽しめます。





2016.07.21_16:00

常識が変わる

「え~」
ニュースで娘が以前通っていた小学校が映っていました。
何があったの?
ニュースの内容は
“長野市内の住宅街にイノシシがあらわれ、
付近を走り回って通学途中の小学生など合わせて3人に次々と体当たりをして、
3人が軽いケガをしました。”
体当たりされたのは小学校6年生の男の子とのこと、
娘の同級生だった子ではないか。

最近、あちこちで野性動物の出没事件が多く起こっています。
一番恐ろしかったのは、
“秋田県鹿角市の山林で、タケノコ採りの男女4人が相次いでツキノワグマに襲われ、
死亡した。現場近くで駆除されたクマ1頭を解体して詳しく調べた結果、
人の体の一部が見つかった。”

これは今まで考えられていた常識を覆す事例です。
今までの僕の認識では“ツキノワグマ”は、
ハチやアリなどの昆虫や、死んだ動物を食べることはあるが、
基本的に草食だと思っていました。
動物を襲ってまで食べることはほとんどないと思っていました。
実際、動物園で飼育している時の餌も野菜・果物・木の実・クマ用ペレット
動物食としては煮干しを少々与えていただけでした。
その餌の内容で元気に長生きしていました。
大好物はハチミツとどんぐりでした。
ためしに、生の馬肉を与えたこともありましたが、見向きもしませんでした。
そんなことから、
北海道にいるヒグマは動物を“食べるために襲う”
もし出会ってしまったら、逃げても追いかけ襲ってくる、
命を奪うから恐ろしいと考えていました。
それに対して、ツキノワグマは、
食べるために、襲うことはなく、
人が怖くてビックリして襲ってくるだけだから、
最初の一撃さえかわせば、何とかなる、
大けがのおそれがあるが命までは奪われないと考えていました。

ツキノワグマは“食肉目”クマ科
食肉目の仲間のライオンなどの大型ネコ科は完全な肉食。
クマは同じ食肉目でも、進化の過程で植物を含めさまざまな食物を食べるようになり、
肉食から雑食に変わって行きました。特に日本に生息する日本ツキノワグマは、
クマの中でも草食に近い雑食となりました。
クマは、雑食化の道をたどり植物を食べるようになりましたが、
完全草食の牛のように食物繊維を消化するために特化した消化器官(肉は消化することはできない)をもっていないので、草のような繊維質の多い植物は食べても消化できません。
歯も肉食の特徴である犬歯があり、爪も獲物を襲うためのかぎ爪です。
草食に近い雑食ではありますが、肉を食べるための消化器と歯と爪を持っています。

お~そうだ、肉食だったのだ、
日本の森に棲んでいたツキノワグマは、
進化の過程で狩りを必要とする大変な肉を食料にするよりも、
周りにたくさんあり、手に入れやすいドングリなどの木の実や芽を
を食べることにしたのです。
簡単に肉が手に入れば肉を食べていたと思います。
逆に、植物がほとんど手に入れることのできない北極に住む
ホッキョクグマは、ほとんど肉食の雑食です。

我々人間も雑食ですが完全なベジタリアンの人もいれば、
お肉大好きな人もいます。
今回のツキノワグマ、
動物の死骸、弱った動物で肉の味をおぼえ、
肉がおいしいと思い、肉が食べたいなと思っていたところ、
たまたま、出会った人を攻撃したら、動かなくなったので、食べたのか?
それとも、人を食べたいために獲物として襲ったのか?
はっきりわかりません。
しかし、1件ではないなどから、人を獲物と認識した可能性があります。

生きていくためには食性や生活様式を変える生き物はたくさんいます。
ハヤブサは一時絶滅の危機がありましたが、
都会のビルに棲み、ドバトを餌にすることにしました。
人間の生活にうまく適応したことにより、生息数が増えました。
イノシシもツキノワグマもニホンシカもカモシカも、
一時は人間により生息数が激減しましたが、
しかし、最近は環境の変化に対応することにより生息数が増えました。
逆に、ニホンカワウソ、オオカミのように
人間が変えてしまった環境に対応しきれず消えていった生き物もたくさんいます。

今回のクマやイノシシ、危険だから駆除すればいいのか、
駆除するのは、かわいそうだから人が近づかなければいいのか、
日本人は本来、山を利用し、山を守り、山に住む生き物との付き合い方、
自然と共存する知恵がありました。
私の長野の家の周りにもツキノワグマが生息しています。
近くのリンゴの木にはツキノワグマによる爪跡があります。
ツキノワグマを飼育の経験もあり、保護してあげたい気持ちもあり、
しかし、わが小学生の娘が事故にあうことを考えると駆除しなければという考えも・・・。
これは自然保護を考えるうえの永遠のテーマです。










<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
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 休診日 月曜日

8月の臨時休診のお知らせ
8月1日(月)から3日(水)午前まで休診とさせていただきます。
8月11日(木)午後から8月17日(水)午前まで休診とさせていただきます。
17日(水)は午後1時から診療します。
 
  

  ★ もう一つのお知らせ

  辰巳出版の 日本犬専門マガジン!
  Shi-Ba(シーバ) 
  に連載始めました。
 “毎日事件発生!? マニアな視点で診察中
  北澤先生のおもしろ動物病院”
 
 本屋さんで見つけたら読んでください。


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  『 獣医さんだけが知っている 動物園のヒミツ 人気者のホンネ』

 2月15日に発売されました。
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 動物園が100倍楽しめます。
 
 犬養ヒロさんの絵がとってもかわいいですよ。







2016.06.03_16:23

 
ゴリラの悲しい事故


パソコン画面に恐ろしいニュース画像が・・。
ゴリラが人間の子供を優しく守っている様子・・。
が、突然子供の足を掴み走り始めました。
その後は報道があった通り、射殺という残念な結果に。

“米オハイオ州のシンシナティ動物園で5月28日、
ゴリラの囲いに転落した3歳の男児を救出するためゴリラが射殺された“
ニュース映像です。

射殺されたゴリラは、ハランビ・男・17才
この映像の第一印象は、彼は男の子を“守っていた”のではと感じました。
彼らは、小さく弱いものを守る行動をよくとります。
男の大人ゴリラが小さい子を優しく抱っこしたり、遊ぶことはごく普通の行動です。
ゴリラは草食のため、他の動物を食べるために襲うことはしません。
自分や家族を守るために、戦うことはしますが、
戦うといっても、いきなりおそいかかることはしません。
できるだけ体を大きく見せて、胸を力強くたたき、
大きな音を立てたりしながら威嚇をします。
できるだけ直接の戦いをさけます。
いかつい顔に似合わず、とっても平和主義者です。
ハランビも決して、男の子を襲うつもりはなかったように思えます。
それが証拠に、男の子の手を優しく握っていました。
彼の握力を考えれば男の子の手を握りつぶすなど簡単。

ただ、彼は目の前にいるはずのない男の子が、そこにいたことに戸惑い、
また周りの雰囲気がいつもと違ううえ、
人間たちが騒ぐため、とっても不安だったのだと思います。
もしかしたら、周りの邪悪な人間から子供を隠すために
引っ張っていたのかもしれません。

どうすればよかったか
本当は周りにいた人間は全員、静かにいなくなり、
見える範囲には1番信頼している担当者だけにして、
そして、普段通りに接して落ち着かせ
命令して、男の子から離れさせる、
もしくは担当者の所に連れてきてもらう。
とにかく落ち着かせることができれば、
賢いゴリラは飼育担当にしたがったと思います。
しかし、ちょっとでも彼が恐怖を感じたり、パニックなったりすると、
守っていた男の子を振り回したり、投げたりすることも可能性がありました。
男の子の命が危険にさらされます。

その万が一のリスクのために、射殺されました。
麻酔銃を使えばという意見もありますが、
絶対ダメ、麻酔銃はすぐに効かないため、
たまがあたった瞬間、興奮しパニックになります。
麻酔がきく前に子供に危険がおよびます。
子供を確実に助けるには射殺しかなかったと思います。

射殺を判断した園長、担当者も悩んだと思います。
ゴリラの担当者は何頭と呼びません、何人と呼びます。
飼育ではなくお世話させてもらっている感覚です。
飼育担当者とゴリラは家族となります。
家族を射殺しなければならなかったとは・・・。

僕もゴリラではありませんが
チンパンジーとオランウータンの担当をしていたことがあります。
彼ら彼女らと付き合うと、飼育者と動物の関係ではなく家族のような感覚でした。
そんな中、チンパンジーが一度逃げたことがありました、
別の飼育員のミスにより、本来いるはずのない飼育員が作業する場所に
男の大人チンパンジーが逃げ込んだのでした。
この時僕はすでに担当をしていなかったのですが、
そのチンパンジーとは非常に仲がよかったので僕が呼ばれました。
現場についた僕は、周りにいた動物園職員に全員出てもらい。
僕と彼、二人にしてもらいました。
そしていつものように声をかけ背中に優しく触れ落ち着かせました。
その後、彼の唇に触れ、(彼はリラックスすると唇を触らせてくれる)
リラックスを確認後、僕の後についておいでと
本来のチンパンジーの部屋に連れて行きました。

今回の一番の可哀想なのはハランビです、
全く悪くないのに、
人間たちの都合により射殺されてしまったのですから。
でも子供を助けるためにはこの方法しかなかったと思います。

・子供をちゃんと見ていなかった親が悪い、
・助ける方法が悪い、
・動物園の安全対策が悪いなど、
たくさんの意見があります。

僕は、動物の獣舎をいくつか設計しました。
その時、いつも考えた問題ですが、
あまりに安全策をとりすぎると、
動物園の魅力がなくなるということです。
究極の展示方法は全くさえぎるもの(檻や柵)がなく、
動物たちにストレスを感じさせず、
近くで匂いや体温を感じることができるような施設です。
安全策とは頑丈で高さがある檻、
そしてその檻にちかづけないように、
周りには乗り越えることのできない高い柵、
非常に見えにくく、動物たちの魅力を伝えられません。
理想は、動物が逃げない檻や堀はしょうがないのですが、
せめて、柵をつくらなくてよくなればいいなと。
ただし、柵がなくすということは
見てるかたが柵のかわりに約束(ここから先は入らない、檻の中に手を入れない)
を守らなければなりません。
これが一番難しいのですが。
今回の事故も安全策として、柵を高くするのではなく、
来園者が約束を守ってくれるようになればいいなと感じました。

ちなみに僕が設計に関わった獣舎は、長野市茶臼山動物園のレッサーパンダ舎と、
長野市城山動物園の飯綱の森(日本リス舎)です。
理想に近い施設です。
見に行ってください。

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