動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
プロフィール

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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動物達の不思議な生態の秘密
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おっぱいのじかんでちゅよ~

「み~ み~」
小さな箱から 僕を呼ぶ声がします。
日にちが変わろうとする真夜中、
彼は、僕が部屋に入ってきたのに気付いた様子。
「み~ちゃん、オッパイの時間でちゅよ・・・。」
誰もいない病院の中、
40後半のひげ面の親父の幼児言葉が響きます。
たくさんのタオルの中から小さな み~ちゃんが顔を出しました。
かすかに右目だけを開けます、左目はまだ開いていません。
み~ちゃんは、約生後1週間の雄の子猫。
病院に来て4日目。
ごみ捨て場で捨てられていたのを拾われ、病院にやってきました。
病院に来た時のみ~ちゃん、
お腹はぺったんこ、痩せて、皮と骨だけ、
顔は目ヤニと鼻水でぐちゃぐちゃ、
呼吸も弱く、
体温も下がり、
鳴き声は今にも消えそうに小さく、
息が漏れるような 「ピ~」 
とても危険な状態でした。
ありがたいことに、拾った方が元気になったら飼ってくれるとのこと。
1日目のみ~ちゃんは飲む力も弱く1回で飲む量は1~2ml、
それも30分もかかりました。
小さな体に注射針を刺し点滴もしました。
赤ちゃんの生命力はすごい、
3日目になると、乳首をくわえると力強くチュウチュウと吸えるようになりました。
お腹が空くと大きな声で「み~ み~」僕を呼びました。
1回で飲む量も増えひとまず安心です。
これで僕の母親はおしまい、
新しいお母さんのもとにいきました。

僕は今までいろいろな仔たちにミルクをあげて育てました。
生まれてすぐお母さんが死んでしまったキリン。
赤ちゃんなのに、僕より大きいキリンは、
僕が脚立に乗って、両手で大きな哺乳瓶を持ちあげて哺乳です。
長い首がドクンドクンと動きミルクが入っていくのがわかります。
1回で3リットル以上飲みました。
飲み終えた後、とっても柔らかい上唇に触れるのが楽しみでした。
お腹が空いた時の僕を見る目、
大きな瞳がウルウルしていてかわいかった。

ほぼ同じ時期にお母さんに育児放棄されてしまった
チンパンジーのアサコと
オランウータンのフジコ、
二人を一緒に育てました。
オムツをつけた二人はいつもくっついていました。
抱っこしながら順番にミルクをあげます。
最初は陽気で元気いっぱいのアサコ、
乳首をくわえると、すぐにグビグビと飲み始めます。
半分くらい飲むと、ウトウト途中で寝てしまいます。
ほっぺをツンツンして再び飲ませました。
次はのんびり屋なのに気難し屋のフジコ、
乳首が上手くくわえられないと、
両手で頭をかかえ ピ~ピ~
足はバタバタ、
ヒステリーをおこします。
やっとうまくくわえても飲むスピードがゆっくり、
途中で乳首がずれると、再び ピ~ピ~。
飲み終えるまでに40分以上かかることもありました。
飲み終えたフジコを肩に抱き上げ背中を トントン ゲップをさせます。
フジコはせっかく飲んだミルクを
ゲップとともに僕の背中に吐き出すことも度々ありました。

コウモリ、小さな注射筒に特製乳首をつけ、少しづつ飲ませます。
ちょっとでも多く入ると鼻から “ぷしゅ”ミルクを吹き出します。
体重はわずか2g、1回で飲む量もほんの少し、
3時間間隔の哺乳でした。
怪獣のような顔でもミルクを飲んでいる時は 天使 に見えます。

ツキノワグマ、哺乳瓶の乳首がうまく口に入らなかったり、
お腹が空きすぎて焦っていてうまく飲めないと 
ヒステリーをおこし、
噛みついてきます。
上手く乳首が口に入るまでは恐怖の時間、
腕は傷だらけで苦労しました。

レッサーパンダ、とにかく可愛い。
お腹が空いて僕を呼んでいる時、
飲んでいる時、
飲み終わって寝ている姿、 
とにかく全てがまるでぬいぐるみ、
誰もがメロメロになります。

楽なのは牛、僕の姿を見ると、
べ~べ~ と鳴きながら寄ってきて、
大きな哺乳瓶の乳首に食いつき、いっきに飲み干してくれます。
ちなみに、母牛のミルクは人間が飲み、
仔牛は粉ミルクで育つのです。

ノウサギ、これもかわいい、
日本の野山に住んでいるトウホクノウサギは、
生まれた時から毛が生えています。
この毛がふわふわ。
このウサギは、草むらに隠して子育てをするため、
母親は天敵に見つからないように、できる限り仔ウサギに近づきません。
そのため哺乳の回数が極端に少ないのです。
腹もちがいいようにとっても濃いのが特徴です。
いっぱい飲むと、柔らかいお腹がプクッと膨れます。


哺乳の期間は動物たちによって様々です。
犬は1か月、猫も1か月、
母親がいる時は半年ぐらいまでフードを食べながらオッパイを飲む仔もいます。
人間で約1年、
長いのはチンパンジー5歳ぐらいでもオッパイを飲む仔も結構います。
短いのは寒い極地に住むアザラシ、ズキンアザラシなどわずか4日間だけ。
そしてこのミルクには秘密があり脂肪分は40%以上あるそうです。
人間が飲んだらすぐに下痢しそう、
ちなみに人間の母乳の脂肪分は3.5% です。
寒いところに住むアザラシは脂肪分を貯めこむ必要があり、
このように濃いミルクとなりました。
僕のお腹の脂肪、決して怠けているからついているわけではありません。
冬の寒さに耐えられるように今から貯めているのです。

フラミンゴは鳥なのに仔にミルクを与え育てます。
そのうえお父さんもミルクをあげます。
どうやってあげるかというと、
鳥にはオッパイがないため口からミルクをだします。
このミルクは喉の奥にある“そのう”という器官でつくられます。
成分はタンパク質と脂肪のほかに羽の色のもとの色素も入っています。
この色素があるため赤いミルクとなります。
おもしろいことに、この色素を仔にあげている時は、
親の羽の色がだんだんと薄くなります。
 
“み~ み~ ”元気な声が聞こえます。
「あっ!み~ちゃんだ」
新しいお母さんのもとに行ってから1週間、
み~ちゃんの元気な声が病院中に響きました。
診察台に乗せると、ピカピカのキャリーバックから小さなピンクの肉球が見えます。
入り口を開けると、恐る恐るピンクの鼻と口の小さな顔が飛び出しました。
僕の顔を見て、首を傾げながら ミャ~ 
素早く抱きかかえた僕は、み~ちゃんの顔に僕の顔をスリスリ、

「み~ちゃん、いい子でちゅね~」

病院中に僕の声が響き渡りました。
その後、受付からは失笑が・・・。




<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
         日曜日は午後17:00までとなります。  
 休診日 月曜日

9月の臨時休診のお知らせ
 9月21日(月)~22日(火)は休診とさせていただきます。
 


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2015.06.04_15:28

魔法のクリップ

「ポッキー~」
コンビニに弁当を買いに病院の階段を降りた僕は、
道路の反対側を、お母さんと散歩していたヨーキーの“ポッキー”を見つけました。
僕はいつものように大きな声で呼びました。
いつものポッキーなら、僕の声を聞くなり尻尾をフリフリ、
抱っこ抱っこのはずなのに。
この時のポッキーは尻尾をお尻の間に挟み込み、
腰を下げ僕から逃げようと必死、
小さな体の中のどこにあんな力があるのか、
びっくりするほどの力で飼い主さんを引っ張りました。
4月、5月、6月は狂犬病、フィラリア予防の時期、
間違いなく病院からは恐ろしいオーラが出ています。
ワンちゃんたちは病院に近づこうとしません。
病院だけではなく、僕からも危ないオーラがでていて、
僕の姿を見るなり逃げる子が多いこと・・・・。

フィラリア検査のための採血は、飼い主さんから離れた奥の診察室で行います。
採血台の上に乗せるとほとんどの子は、緊張のあまり全く動かず、
素早く気づかないうちに血を採ることができます。
キャバリアの“パット”は、
こんな状況なのに、僕の顔を舐めまくり尻尾をフリフリ、
注射針が刺さり血を採っている間も尻尾をフリフリ、
こんな子もたまにいます。

採血が難しいのはネコちゃん、
ワンちゃんは前肢に触れられることになれているので、
比較的すんなり注射できるのですが、
ネコちゃんは、前足を持っただけで振りほどこうとすることが多く、
その上、僕の手を“ガブ”ということも、
また、採血中に動いたりすると、
血管壁が薄いため、ちょっと傷つけただけであっという間に出血、
血管の周りが腫れ上がってしまいます。

そんなネコちゃんをおとなしくさせる秘密の方法があります。
ネコちゃんの首の後ろにクリップをつけるのです。
どうもこれは、母猫が子猫を移動するときに
首の後ろをくわえて移動することに関係があるそうです。
移動の時は危険がいっぱい、できるだけ敵に気づかれず素早く移動する必要があります。
くわえられた子猫は、背中を丸め、呼吸もゆっくり、目を細め、
時にはゴロゴロのどを鳴らしたりします。
この時の子猫は、とってもリラックスして気持ちのいい状態の様です。
あまりの気持ちよさのため“じっと”することで
母猫が運びやすくなり、素早く移動できます。
そこで、僕は猫の治療の時は首をくわえて治療をしています。
しかし、これでは猫を虐待しているように見えてしまうのと、
とてつもなく顎が疲れてしまうので、
くわえる代わりにクリップで皮膚をつまむことにしています。
するとネコちゃんは魔法をかけられたように、
目を細め、身体を丸めその場でゴロっと横になります。
母親がくわえるのと、同様な効果が得られます。
恐怖で動かないのではなく、とっても気持ちいいようです。
それも子猫だけではなく、老猫でも効果があります。
ただし、興奮していたり、怖がっている時は効果がありません。

ネコちゃん以外にも、
レッサーパンダも同様な効果がありました。
多分ライオンも自分の子供をくわえて運ぶので同様な効果があると思いますが、
残念ながら試みたことはありません。
人間はどうかと思い、
家の奥さんが怒っている時、僕は奥さんの首をつまんでみました。
すると何と!
ピタッと怒鳴り声がとまりました。
すごい効き目です。

その後、彼女の手のひら僕が頬に向ってきましたが。
怒りで興奮していたからきかなかったのかな・・・?

2足歩行の僕たち人間は、自分の子を移動するときは、抱っこやおんぶです。
首の後ろをくわえることはありません。
首の後ろをくわえる、つまむことには全く意味がないのです。
人間の赤ちゃんは抱っこして歩き回ると同様な効果があります。

今後奥さんが怒っている時は、
“抱っこして、歩き回ります”



<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
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 7月19日(日)は 臨時休診となります。
 


2015.04.06_10:05

威嚇

僕が入院室の前を通ると「ニャー ニャー」
チョビ太がケージの入り口に近づいてきました。
そのあとに、いきなり「シャー シャー」
チョビ太は猫のマンチカン。
「シャー シャー」言いながら、
僕から目を反らし、なぜか頭を僕に向けます。
ネコちゃんの「シャーシャー」は、
背中を丸め、毛を逆立て、こちらを凝視、
完全なる戦闘体勢“威嚇”です。

犬の威嚇は大きな声で“ワンワン”か、“ウ~”とうなる。
ウサギは足でダンダンと地面を蹴る。
ニューカレドニアに住む鳥のカグーは、頭の上の冠羽をぱっと立て、
胸を膨らませ肩を揺らしながら歩いてきます。
その歩き方は街のチンピラにそっくり。
ゴリラは2本足で立ち上がり、大きく胸を膨らませて、
その胸を太鼓のようにたたく。
それぞれ、威嚇の方法が違います。
“威嚇”はとっても大事、
“威嚇”は「これ以上近づくと攻撃するぞ!」のサインです。
このサインを出すことにより無駄な戦いを避けることができます。
そして、戦う必要がある時は“威嚇”を無視して、
ある一定の距離に近づき、戦いが始まります。

ネコの「シャーシャー」は威嚇行動。
ネコはライオンのように吠えることができないため、
「ニャーニャー」では迫力にかけ威嚇にはなりません。
そこで、猫は考えました。
ネコの祖先はリビアヤマネコ、
アフリカ大陸のリビアの国土はほとんど砂漠、
砂漠で強い生き物は蛇、
リビアヤマネコが蛇に近づくと、
蛇は「シャーシャー」と威嚇しました。
その時、リビアヤマネコは思いつきました。
吠えることはできないけど、
蛇のマネをしてみると、
「シャーシャー」できました。
ネコの威嚇は、蛇をまねた「シャーシャー」となったのです。
「シャーシャー」の最中はけっして相手から目を反らしません。
相手の一挙一動に注目し、
少しでも近づこうものなら、
ものすごい速さで猫パンチを飛ばします。
しかし、チョビ太は「シャーシャー」言いながら僕に近づき
僕から目をそらし、
頭をすりつけてきます。
どう見ても甘えてきているのです。
普通のネコちゃんだと、
甘えるときは喉を「ゴロゴロ」ならすのに?
頭を撫ぜ撫ぜしてあげると、目を閉じて「シャーシャー」。
チョビ太は「シャーシャー」の使い方を完全に間違えていました。
普通のネコはご機嫌の時「ゴロゴロ」と喉を鳴らしますが、
チョビ太の場合は「シャーシャー」なのです。

チンパンジーの“威嚇”は物を投げて大きな音を出したり、
肩をいからせ、身体を大きく見せながら足踏みをします。
こんな時はお尻を見せて、戦う意思がないことをアピールしましょう。
こんな激しい威嚇以外にも、
体を揺らしながらの「あくび」をした時も要注意なのです。
僕が「あくび」をするときは“眠い時”、
もしくは、退屈な時にします。
どちらかというと、あまり頭が働かず“ぼ~”としている状態。
この時の僕に近づいても全く安全。
しかし、大事な会議の前なども、難しい手術の前も、
緊張の「あくび」をします。
「あくび」は極度のストレスや緊張の時も出ることがあります。
チンパンジーも眠い時、リラックスした時も「あくび」をするのですが、
ストレスを感じたときもあくびをします。
長い時間、調教している時など、
だんだん命令をきかなくなり、
上半身を左右に揺らしながら、
何度も大きな「あくび」をはじめます。
これはイライラしている証拠、
もうやめたい、集中力がきれた、お前の言いなりはもう飽きた、
早く自由にしろ、これ以上続けると攻撃するよ、の合図です。
ワンちゃん、ネコちゃんも必ず、その子ならではの威嚇があります。
それに気づいてあげると良好な関係が築けます。

僕の奥さんが、
「あなたの気持ち、よ~くわかりました。」の一言を発したあと、
片方の口角を上げて、笑った時は、
猫のシャー、犬のウ~、ウサギの足踏みと一緒、
そんな時の僕はその場から静かに立ち去るようにしています。



<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
         日曜日は午後17:00までとなります。  
 休診日 月曜日

GW休診のお知らせ
 5月2日(土)午後~7日(木)午前 臨時休診となります。
 2日(土)の午前と7日(木)の午後は診療します。


2014.10.18_16:11

神社の主 ドラちゃん

家族みんなが寝静まった夜中
「ピチャ ピチャ ピチャ」
怪しい音が響き渡りました。
「カラカラカラ」
これはハムスターの「キンちゃん」が回し車で回っている音。
「ブーン ブーン バン」
カブトムシがケースの中を飛んでぶつかった音。
カナヘビは音がしないはず。
「ジュン」は庭の犬小屋で寝ている。
怪しい音はどうも台所から聞こえる。
あ!まずい、もしかして、昼間捕まえた蛇が水槽から逃げ出したのか、
蛇を捕まえたのが、ばれてしまう、
また怒られる。
小学生だった僕は、
眠い目をこすりながら、
押入れに隠した水槽を確認すると“シマヘビ”はいました。
タオルケットを頭から被り、懐中電灯をもって台所に、
僕が近づくと“トン”何かが飛び降りる音、
「ガラガラガラ」 勝手口の引き戸の音が。
確かに何かいた。
勝手口から逃げた様子。
子供の頃の実家は勝手口のカギはかけていませんでした。
翌日、僕は台所で張り込みをしました。
特に何も起こりませんでした。
それから4日後、
この日の夕食は“かつ丼”
卵であえずに甘辛い醤油べースで味付けたものです。
卵であえる時は、半熟がいい・・・・。
かつ丼の話は関係ないか。

子供部屋で寝ていると再び「ピチャピチャ」。
懐中電灯を持ち台所のドアを開けると、
「ガチャーン」
勝手口から逃げていく尻尾が、
そしてガラガラガラ 勝手口のドアが閉まりました。
台所の電気をつけると、コンロの上の天ぷら鍋がひっくり返っていました。

勝手口のドアで見えたあの縞々模様の尻尾は、
近所の神社に住む体重8kgを超えるデブネコの「ドラ」。
ドラはいつも神社の軒下にある決まった沓石の上にいました。
ほとんど動かず、僕はデブすぎて動けないのだと思いこんでいました。
ドラの前にはいつも、お供えもののように“サンマ”“サバ”“アジ”“イワシ”など
お魚が置いてありました。
僕はドラにみそ汁のだしを取った後の煮干しをあげていました。
だしを取る前の煮干しをあげたときだけ、片目を開けニヤッと
あいつ動けたのか!
「ドラ」はどうも鍋の油を舐めていた様子。

化けネコは行灯の油を舐める昔から“化け猫は行灯の油を舐める”と言われています。
「ドラ」は行灯の油の代わりに、天ブラを揚げた後の油を舐めていました、
ということは「ドラ」は化け猫?
ネコは完全な肉食動物。
昔の日本人は基本的に菜食でした。
動物性たんぱくは魚を食べるぐらいで、肉はほとんど食べません、
手に入ったとしても高級品、ネコの口に入ることはほとんどありません
飼い猫にとってはどうしても物足りない食事でした。
ネコたちは足りない分をネズミや小鳥を捕って補っていました。
しかし、年をとってネズミを捕れないネコたちにとって
行灯の油はとても魅力的で栄養たっぷりに見えたのでした。

魚だけ食べていると病気になる
以前の日本にはネコのお腹に触れると痛がる病気がありました。
これは栄養の偏りが原因です。
「♫お魚くわえたどら猫、追いかけて・・・
  はだしでかけてく陽気なサザエさん♫」
ほとんどの日本人は、ネコは魚を食べるイメージ
しかし、本来ネコは魚を食べない体になっています。
魚、特に青身の魚には飽和脂肪酸が多く含まれ、
これを多く摂りすぎると
“黄色脂肪症”
ネコの脂肪が黄色に変性し炎症をおこす病気がありました。
また、魚を主体とした食生活を続けていると、
ビタミンB1も不足しがちになります。
赤身の魚にはビタミンB1を分解してしまうチアミナーゼが多く含まれているためです。
ビタミンB1欠乏症はフラフラ歩くなど神経症状がでます。
ネコはもともと人や犬に比べ、ビタミンB1をはるかに多く必要としています。

最近のキャットフードはよく研究されているため、
このような栄養障害の病気がとっても少なくなりました。
そのかわり栄養過多の肥満はすごく増えました。

ドラは、我が家で天ぷらや揚げ物などをすると、
翌朝まで天ぷら鍋を出しっぱなしにしていることを知っていたのでした。
この間、久しぶりに実家近くの神社に行きました。
軒下の沓石の上に魚が置いてありました。
あれから30年以上はたっているのに、まさか・・・?
そういえばドラはいつも勝手口のドアを閉めていました。
ドアを開けるネコはたくさんいますが、
ドアを閉めることはありません。
ドラは“ 化けネコ”?



<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
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2014.08.01_21:14

広がるオデコ

時々病院でお預かりする、ミニチュアダックスの「ポン太6歳」。
病院にいる時はいつもお気に入りの場所、僕の足下で寝ています。
彼は、どんなワンちゃんが来ても片目を開けるだけ、
寝ることが大好き、とってもおっとりしているワンちゃんです。
ただし、おやつの時だけ豹変します。
おやつの袋の音がしただけで、パッと飛び起き、僕のほうに走ってきて、
短い足でピョンピョン跳ねてほしがります。
特に牛皮でできたのがお気に入り。
「お座り、待て」の後におやつを渡すとそれを加えトイレの前で“カジカジ”。
半分まで食べるとそれを咥えて、冷蔵庫の横に行き、隠します。
その後は思い出したように秘密の隠し場所に行き“それ”を取り出し
少しずつ“カジカジ”
そして、僕が冷蔵庫に近づこうものなら走ってきて「ウ~」
ポンちゃんは、大好きなおやつ、
食べきれない分は隠しておいて、後で楽しみながら食べるのです。
ポンちゃんのように、ワンちゃんは餌を隠す行動をよくします。
これは餌がない時に困らないための本能です。

ネコはどうなの?
ネコたちはエサを隠しとっておく行動をとりません。
どんなに好きなエサの時でも満腹になると、
ごはんを残したままその場を離れてしまいます。
家猫だからいつもエサをもらえるから隠さないのでは?
いやいや、いつも空腹気味の野良ネコちゃんたちもお腹いっぱいになると、
その場を離れてしまい、残ったごはんをしまっておくことはありません。
この理由はオデコにありました。
「猫の額のような庭」のように「猫の額」は狭いたとえにつかわれます。
実際に猫のオデコは狭いのです。
このことに“ごはんを隠さない”秘密がありました。
ワンちゃんがなぜ食べ物を隠すかは、
時間がたって、お腹が空いたとき食べるためです。
「将来、餌がないと困る」
これはお腹が空いて困った経験から、
こうなるかもしれないという想像をするのです。
ポン太も大好きなおやつが、
いつでも食べられるわけではないことを経験しており、
あとで食べられるように隠すのです。
「あとで困らないように餌を隠しておこう」という考え、
この想像力はちょうどオデコの場所にある大脳の前頭葉という器官で行われます。
ワンちゃんはオデコがあるので、このように将来を考え隠す行動ができるのです。
しかし、猫はオデコが狭いということはこの前頭葉が小さいのです。
結果として、猫は将来どうなるか想像することができず、
今さえ満足であればいいという生活をしているのです。
ネコは「宵越しの銭は持たない」江戸っ子気質なのです。

人間のオデコは?
人間は、どうかと言いますと広いオデコを持っています。
このオデコ、前頭葉が発達したため、
とっても想像力が豊かな生き物になりました。
よく博物館にある人間の進化の絵をみると、
だんだんと腰が伸びていくとともに“オデコ”が大きくなっていくのがわかります。
これは前頭葉が大きくなってきたということで。
ちなみにもっとも人間に近く、とっても賢いチンパンジーでも
前頭葉の大きさは人間の1/6しかありません。
いかに人間のオデコが大きいかということです。
オデコが大きくなるとともに
人間は本当に頭がよくなり
何十年先のことを想像することができるようになりました。
結果としてどんどん人間社会は発展し、便利になり、良い社会になりました。
のはずなんだけど、
想像力があるために将来の夢よりも自分の老後を心配して
悲観的に生きている若者、
地球上は紛争ばかり、
そして、オゾンの破壊、温暖化、化学物質による汚染、
地球は人間生活によってどんどん破壊されているようで、
本当に想像力があるの?

必要な分だけ食べて、
今、お腹いっぱいになれば幸せ、
“明日のゴハンは明日心配すればいい”
前頭葉の小さいネコのほうがなんだか幸せそう。
その上、ネコは地球を破壊することをしません。

獣医師の仕事で大事なことは想像力。
動物たちはしゃべらない上に、我慢するため症状をなかなかだしません。
情報がとっても少ないのです。
うんちやおしっこ、食欲などの少ない情報から
今までの経験と想像力をフルに働かせ、
いろいろな病気を探しだします。
咳をしていたるからといって風邪とは限りません。
心臓が悪い時や寄生虫がいるときも咳をします。
いつ咳がでるか、こもった咳か、乾いた咳か
年齢は、太っているかから
いろいろな病気を想像し治療します。
最近年齢とともに僕の想像する力が増してきたような感じがします。
何といってもオデコが広がっているのがその証拠、
きっと前頭葉が大きくなっているに違いありません。
奥さんにこの話をすると、
そういえば髪の毛薄く・・・・。
それ以上は言うな!




<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
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