動物たちの不思議な生態の秘密
元動物園獣医師・ただいま五十三次どうぶつ病院獣医師、動物たちの不思議にせまります。
プロフィール

つきまるにゃん

Author:つきまるにゃん
生き物を飼うことが
大好きな獣医師です。
いろいろな生き物に
“咬まれ・蹴られ・踏まれ・刺され”
こんな経験から
動物達の不思議な生態にせまります。

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動物達の不思議な生態の秘密
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2017.07.11_15:52

妻の愛

僕は最近、妻の愛を毎日感じています。
食べ終えた食器を置きっぱなしにしておくと怒ります、
靴下を脱いだまま置きっぱなしでも怒ります。
僕に怒る回数は変わりません、
逆に僕の態度に対してのイライラは増しているようですが、
愛を感じています。
何故かというと、僕のパジャマと枕カバーを“毎日”洗ってくれるのです。
おかげで僕は毎日洗い立てのパジャマと洗い立ての枕カバーで寝ています。
世の中のお父さんこんな幸せの人いますか?うらやましいでしょう。

最近病院に新しいワンちゃんが仲間入りしました。
17歳の高齢のお爺ちゃん“あ~ちゃん”です。
心臓が悪く、いつも寝てばかり、
ヨダレもひどく寝ていたところには見事に跡がついています
歯は全部で4本、その歯もすべて歯肉炎、
時々するくしゃみは周りに鼻水をばらまきます。
6月に来た時は意識が混濁し、歩けない、食べないという状態でした。
1週間ほど点滴をすると、元気を取り戻し少しではありますが食べるようになりました。
1メートル進むのに10分ほどかかりますが、歩けるようになりました。
しかし、ヨダレに鼻水、おしっこ、部屋中に彼の香り・・・。

犬の体臭はなぜするのでしょうか?
犬にはエクリン腺とアポクリン腺という2種類の汗腺があります。
エクリン腺は、足の裏や鼻の頭などあり、
そこからでる汗はほとんど水、サラサラしてほのかに香ばしい臭がします。
アポクリン腺は、たんぱく質・脂質・アンモニアなどが含まれ、やや粘液性があります。
多少匂いがありますが、この汗自体はそんなに臭くありません。
しかし、この汗が皮脂とくっつくことにより、
酸化とともに雑菌が繁殖して獣臭となります。
人間だと脇の下からでる汗がこれにあたり、腋臭となります。
犬は全身にこの腺があるため匂いが出やすいのです。
それ以外にも肛門にも肛門腺と呼ばれる臭腺があり、
ここからも強烈なにおいを発します。この匂いは全ての犬で違っており、
カツオ節の香ばしい香りだったり、生臭かったりと個性が満点。
犬たちは顔をみて何とかちゃんとわかるのではなく、
お尻の匂いから誰々ちゃんとわかります。
会いたくない犬とすれ違う時は、
顔を隠すのではなく尻尾を下げて丸め肛門を隠し、ばれないようにします。
     
ちなみに、体臭がきついというのは、人間の感覚だけであり、
犬自身は全く「体臭がキツイ」と思っていません。
ちなみに犬はウンコのような有機物(生き物から出たもの)の匂いは                                       いやではありません。                                                                   嫌いなにおいは、人間の作った科学的なにおい、たばこの匂い、                                         柑橘類、酢などがきらいなようです。
犬の匂いはたまたま人間が嫌いなにおいだということだけです。
人間のおじさん臭だって他人が臭いと思うだけで、
本人はちっとも臭いと思っていません。

さて、犬は嗅覚が人の数万倍から一億倍といわれています。
その為、例えばウンコの匂いなど数千倍に増して感じているのではと思われますが、
匂いが倍増するというのではありません。
ほんの少しの匂いでも感じ取ることができるということです。

猫が臭くないのはなぜ?
犬には全身にあるエクリン腺が、猫には肉球にあり、                                                ニオイの元となるアポクリン腺も目や口の周りなどのごく一部にしかありません。                               そのためにニオイがしないのです。                                                           また、とてもきれい好きで、暇さえあればあのざらざらした舌で毛繕いをするため、                              体中の汚れが取れて、菌が増えません。                                                       大好きな日向ぼっこも、太陽の紫外線による殺菌作用をもたらすので、                                     ニオイの発生を抑えます。                                                                猫は待ち伏せ型の狩りをするのですが、ニオイがないことは身を隠すのに役立ちます。

犬の体臭を抑えるにはどうしらいいか?                                                        匂いのもとの菌の増殖を抑えればいいのです。                                                   アポクリンの汗と皮脂や角質・毛が混ざり合い菌が増えるとニオイが発生します。                              ニオイを抑えるために、古い皮脂・角質と毛をなくし菌を増やさないことを目指します。                            菌は風通しが悪くジメジメした環境が大好きです。                                                  この環境を作らないためにはブラッシングが一番効果的、                                             古い毛と皮脂・角質を取り除いてくれますし、風通しもよくなります。                                        ブラッシング後にシャンプーをすると一層効果的。                                                  頻度は月に1~2回ほどで、ベタベタした皮膚、乾燥した皮膚、赤く痒い皮膚など、                              それぞれに合わせたシャンプーを使用します。                                                    一番よくないのは、ブラッシングをしないで、皮膚に汚れや古い毛がついたままシャンプーすることです。                さらに、よく乾かさないでほっておいたりすると、                                                   きれいにするのとは裏腹に、菌が大好きな環境を作り出すことになってしまいます。                             皮膚病のときも臭いますので、適切な治療が大事です。                                              口臭も結構気になります。                                                                口臭の元は歯石がついて歯肉炎になることによって発生するので、                                       毎日のブラッシングなどのケアが重要。                                                        あ~ちゃんも毎日のブラッシングと薬用シャンプー、何回も鼻を拭いてあげる、                                 治療による歯肉炎の改善によりだいぶ匂いの発生がおさまりました。                                      心臓病の治療も身体のだるさが減り歩く時間が増え、床ずれも改善にもなり、菌の発生を抑えているようです。
先日、獣医師会の集まりがあり帰るのが遅くなってしまいました。                                        会議です、けっして2次会に行って大騒ぎをしていたわけではありません                                    疲れもありシャワーを浴びずにパジャマも着ないで下着のまま寝てしまいました。                              翌朝目を覚ますと、般若の面のような奥さんが、                                                   「なんでシャワー浴びないの、そのうえパジャマを着ないで寝るなんて・・・。」                                  すごく怒っています。                                                                    「あ~あ、今日はシーツも布団カバーまであらわなくちゃ・・・・。                                          今後の被害は、パジャマと枕だけにしてください。」                                                     被害?                                                               「あなたの匂いすぐにしみ込んでとれないから、毎日あらってあげているのだから・・。 
自分の臭いわからないの!」      
 「はい、僕は自分の臭い気づきませんでした。」                                                    奥さん、                                                                            加齢によるニオイ、                                                                     本人にはどうしようもできないのだから受け入れてください。


<お知らせ>
7月30日は休診となります。
TABICA(たびか) 主催
僕が上野動物園を案内するツアー

『一味違う動物園めぐり。
サルに注射された獣医師から学ぶ
「動物の不思議な生態」』

7月30日(日)開催決定!

開催日時:7月30日(日)9:30~11:30
開催場所:上野動物園
参加費:2000円 入園料別
申し込み・問い合わせ: TABICA(たびか)
               ☎03-6869-0775      
               https://tabica.jp/travel/702
               
<お盆休みのお知らせ>
8月12日(土)午後から8月16日(水)まで休診となります。
8月12日(土)午前は診療します。

もう一つお知らせ
7月25日号の週刊女性に記事を書きました。
写真も載ります。見てください。


<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 〒143-0012 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
         日曜日は午後17:00までとなります。  
 休診日 月曜日

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2017.06.07_16:07

‟ペンギンだ~”

診察台の段ボール、
ふたを開けると、
クリクリした黒くまん丸な目と目が合いました。
頭のてっぺんにはフワフワの産毛が、
段ボールから出た顔を見て、
「ペンギンだ~」
看護師さんが大喜び・・。
違うよ、日本にはペンギンいないから、それとペンギンは飛べないから。

僕は東京都の傷病野生鳥獣保護活動(指定病院)をしています。
病院には時々傷ついた野性鳥獣がもちこまれます。
今回のクリクリ目のカワイイ鳥は「ハイイロミズナギドリ」の幼鳥、
渡りの途中に何らかの事情で衰弱したものと思われます。
まずは身体を温めることから始め、栄養剤を注射しました。
2時間ほどすると段ボールから飛び出すぐらい元気が出てきました。
大きなけがもなく、バランスよく羽ばたくことができました。
さあ餌です、近所のスーパーで、マグロ・アジ・カツオのお刺身を買ってきました。
まずはマグロの刺身を嘴に押し込みました。
切り身の魚は食べたことないためか、
マグロを食べたことないためか
“プッ”と吐きだしました。

次は嘴を無理やり大きく開き、喉の奥まで刺身のアジを押し込みました。
一度は吐こうとしましたが、うまく吐けなく、目をパチパチさせながら飲み込みました。
ガッツポーズの僕です。
それから2切れほど同じように食べさすと、
よほどおいしかったのか、3切れ目から嘴の前に持っていくと
自分からパクッと食いつきました。
アジは積極的に食べます。
マグロは少し押し込むといやいや食べます。
カツオに関しては、嘴を左右に振り外に掃き出しました。
しょうがないので残ったカツオとつまとわさびと生姜は僕のおやつとなりました。

保護動物で一番困るのは餌です。
先日保護された小型のフクロウは基本的に虫を食べます。
まずはコオロギをあたえるのですが、
結構な量を食べるのと栄養のバランスもちょっと不安。
そこで冷凍ヒヨコを買ってきてあたえました。
小さなフクロウは狩りがしやすいので虫を食べているため、
ヒヨコでも問題なく食べることができます。
鶏のむね肉などでもいいのですが、
栄養のバランスを考えると内臓なども食べる必要があります。
全てを食べることができるヒヨコは完全栄養食となります。
また、栄養にはなりませんが骨や羽毛も食べることも大事。
骨や羽毛などの消化できないものは胃の中でまとめて、プッと吐き出します。
この吐き出したものはペリットと呼ばれます。
この行動は胃腸の掃除と動きをよくして健康維持となります。
野性のフクロウの観察をするのが僕の趣味ですが、
フクロウのいる場所を探すときは、
大きな木の根元に落ちているペリットを探します。
ペリットは僕にとっては宝物、
家に持ち帰り解体してみるとネズミや蛇の骨が出てきます。
その骨を見ながら前の夜に起きた事件(狩り)を想像するのが大好きです。

一度ヨタカが保護されたことがあります。
ヨタカは夜行性で、飛びながら大きな口を開けて飛んでいる虫を食べるため、
虫を地面においても食べません。毎回口に大量の虫を押し込みました。
えらく大変でした。

保護されて大変なのは虫しか食べない生き物です。
餌となる虫も飼っておかなければなりません。

東京都内にも
人間に見つからないようにこっそりと、
野生動物が生息しています。
“ハヤブサ”はビルの間を颯爽と飛んでいます。
渡りの途中だと思いますが、小さなフクロウ“アオバズク”は港区で保護されました。
メジロやムクドリもちょくちょく保護されます。
ゴジラが上陸してきた呑川ではヘビの青大将が泳いでいました。
たまには、空を眺めたり、地面を見たりしてみてください。
思わぬ生き物に遭遇できますよ。

クリクリ目のカワイイ鳥は元気に飛んでいきました。





<休診のお知らせ>
6月18日(日)午後は院長研究会出席のため休診となります。

<お知らせ>
TABICA(たびか) 主催
僕が上野動物園を案内するツアー

『一味違う動物園めぐり。
サルに注射された獣医師から学ぶ
「動物の不思議な生態」』

7月30日(日)開催決定!

開催日時:7月30日(日)9:30~11:30
開催場所:上野動物園
参加費:2000円 入園料別
申し込み・問い合わせ: TABICA(たびか)
               ☎03-6869-0775      
               https://tabica.jp/travel/702
               


<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 〒143-0012 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
         日曜日は午後17:00までとなります。  
 休診日 月曜日




“こ~ちゃん”のおでこ



20年ぶりに“こーちゃん”に会いました。
コーちゃんは同級生、頭の半分がおでこになっていました。
それなのにサイドから後頭部にかけて残っている毛を無理くり伸ばし、
前にもってくるという往生際悪い髪型をしていました。
そういえば、僕のおでこもだんだん広がり、
毛も細くボリュームもなくなってきたような・・。
小学校時代のなつかしい思い出話をとともに、
髪の毛が生える薬はないのか、
これ以上抜けない方法はなどの話も

モコモコ、コロコロで、家中を元気に走り回っていた可愛い子犬も
10歳を超えると白髪が目立ち始め、毛は薄くなり、寝てばかりいるようになります。
室内で犬を飼うようになり、ワンちゃんたちは番犬やペットから家族に変わりました。
いつも一緒に過ごすようにより、元気がない、咳をするなど
体調が悪いと早めに気づくようになりました。
そのおかげでぐ~んと寿命が伸びました。
しかし、寿命が延びたおかげで、昔はなかったいろいろな病気も多くなりました。
そして、1つの病気だけではなく、同時にいろいろな病気を発症します。
耳が遠く、目も見えにくくなります。
腰も曲がり、便秘、おしっこを失敗してしまうようになることも・・・。

年をとることにより非常に多い病気として、
ワンちゃんは弁の閉まりも悪くなる心臓の病気があります。
猫ちゃんの場合は腎臓の動きが悪くなる病気があります。
これらは病気でもありますが老化の一つでもあります。
心臓の動きが悪いと、肺に水が溜まったり、肝臓が疲れてしまったり、
脚に力が入らなかったり、いろいろな臓器に負担がかかります。
全部を直そうと思うとたくさんの薬を飲まないうえ、一生涯飲み続ける必要の薬が多く、
とっても大変で、そのおかげで飼い主さんとの関係も悪くなることもあり、
毎日噛まれる飼い主さんまで・・。

年をとってからの病気は、治すというよりもどうやって上手に付き合うかが大事です。
心臓や腎臓の薬なども、治すためのものではなく、それぞれの負担を楽にしてあげ、
できるだけ悪くなるのを遅くしようという薬です。
目の場合、若い時は積極的に治療しますが、
年をとってからの症状は、痛いものなどは積極的に抑えますが、
見えにくくなるものなどはほっとくというのも選択の一つです。
僕たち人間は目に頼って生きているため、どんなに年をとっても
ちょっとでも目に違和感を感じると病院に行き、治療します。
少しでも見えにくくなる、目が見えなくなるなどはとてつもない恐怖です。
今は見えているのに、数年後に見えにくくなることを想像するだけですごいストレスを感じます。
そのため、大変だろうがお金がかかろうが、
少しでも進行を遅らせることができるのなら、徹底的に治療します
しかし、ワンちゃんネコちゃんは、目が見えなければ匂いや音などの五感を使い生活します。
今の現状を受け入れ、残っている機能を使い最大限利用し楽しく生きます。
また、人間は治療を理解しているため、
注射の痛さや、苦い薬、目薬の恐怖心もがまんできます。
ワンちゃんは治療を理解しているわけではなく、
飼い主さんを信用しているから、怖いから、
もしくはその後のご褒美があるからなどから、
薬を飲んだり、注射を打てたり、目薬をさせるのです。
それが、毎日となるととてつもなくストレスです。

高齢のワンちゃんは、
痛かったり、命にかかわるものは治療し、
命にかかわらないような病気とは、
様子をみながら上手に付き合っていくのがいいように思われます。

“こーちゃん”
髪の毛がなくなるのは痛くないし命にもかかわりませんから、
ほっておきましょう、
将来、毛がなくなる恐怖をかんがえながら生活するより、
今ある髪の毛に感謝して人生楽しみましょう。


<GW休診のお知らせ>
5月1日(月)  3日(水)から6日(土)まで休診となります



<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 〒143-0012 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
         日曜日は午後17:00までとなります。  
 休診日 月曜日


2017.03.08_14:32

悲しい事故

「池の近くで作業中の男性飼育員に、3歳ぐらいの男の子を連れた夫婦から
“ライオンに人が襲われている”という一報がありました」
長野県の小諸市動物園で15歳の雌ライオン“ナナ”が女性飼育員を襲いました。

男性飼育員がライオン舎に駆け付けると、
女性飼育員がライオンに噛まれ寝室に向かい引っ張られていました。
飼育員はホースで水をかけ、女性飼育員とナナを離して助け出しました。
救急車で病院に運ばれましたが、全身に引っかき傷や噛み傷があり、
咽頭の傷は気道にまで達していたそうです。
幸い命に別状はないそうで、ほっとしました。
この動物園には獣医師がいないため麻酔銃はありません。
またあったとしても、麻酔はいきなり倒れるわけではないので、
もし使用しても、逆に興奮しておとなしくなる前に、いっそうひどく噛みつくなどし、
もっと大きな事故になtった可能性があります。
ホースを使ったのは、飼育員の素晴らしい判断だっと思います。

この小諸市動物園、
知り合いの飼育員に頼まれ何度か往診に行ったことがあります。
小諸動物園の設立は大正15年というとっても歴史のある動物園、
古く小さな動物園ですが、
飼育員の工夫により、楽しい企画や、手づくりの看板、
獣舎も自分たちでなおしながら、
動物たちを快適に過ごさせていました。
特に若い臨時職員の飼育員たちが頑張っていました。
今回の女性飼育員も夢をもって動物園で働いていたこと思います。

なぜ、今回の事故が起きたかというと、
残念ながら飼育員の鍵のミスだと思います。
動物園においてはライオンなどの猛獣は間接飼育、
絶対同じオリの中に入ることはありません。
ドアと鍵の管理さえしっかりすれば飼育するには一番安全な動物です。
ウサギの飼育の方が危険なぐらいです。
ウサギの場合は日常的に抱っこをする必要があるため、
噛まれたり、蹴られたり、結構人間が怪我をします。
ライオンの場合、治療の時も、麻酔をするか、
もしくはスクイズケージと呼ばれる、
オリの片面が動き、挟み込むことによって動かなくする、
特殊なオリを使用するから安全です。

今回は何らかのミスで女性飼育員が同じ空間に入ってしまったための事故です。
飼育2年目ということ、一番飼育が楽しくなる時、
ちょっとした油断が事故につながったのでは?
僕が以前チンパンジーの担当をしていました。
チンパンジーの檻の前に行くまでで4つのドアがあり、
それぞれに鍵がついていました。
いつも頭の中に鍵をかけ忘れていないかの不安がありました。
動物園で働いている時は、自宅に帰ってから鍵をかけたのか不安になり、
夜中に動物園に行ったことも何度かありました。
今でも時々、鍵の掛け忘れによる動物と鉢合わせになる夢を見ます。

今回の事故、ナナちゃんが嚙みついたのは襲うためではなく、
いるはずない人が自分の目の前にいたため、びっくりしたのだと思います。
しかし、飼育員のとっさの判断で助け出さなければ、
もしかしたら命をおとすことになってしまったかも・・・・。

今後の対策として、マニュアルをきちんと作りなおすことは大事ですが、
動物園の作業は生き物相手、日々作業内容、順番が違います。
人間のやることです必ずミスがおきます、
それぞれ各自の意識が大事です。
2人でやればという意見もありましたが、
ドアや鍵に関しては1人の方が安心です。
お互いにもう1人がやっただろうと思い込むことにより事故が起きます。
鍵に関しては自分以外を信じないが大事です。

女性飼育員が早く回復し、
今回の事故をきちんと検証し、
2度と事故を起こさないようにしたうえで、
早めの再開を希望します。

僕にとってもなじみのある動物園での事故、
僕なりに考えたこと感じたことを書いてみました。


<休診のお知らせ>
〇3月22日(水)の午後の診療は18時までとなります。
〇3月28日(火)は臨時休診となります



<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 〒143-0012 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
         日曜日は午後17:00までとなります。  
 休診日 月曜日



今年の目標「断食」と「朝1番に鳴く」


コケコッコゥオーウオ~~~~~~~~オ
おっ、いつもより長いかな・・・、あ~でも7秒か・・・。
目標は15秒。まだまだだな。
僕は動物園勤務時代“信州唐丸”という鶏の飼育をしていました。
動物園には地球上から消えようとしている生き物を
動物園で飼育し増やすことによって絶滅を防ごうという
「種の保存」という大事な役割があります。
この役割の一環としてこの鶏を飼育していました。
「信州唐丸」は濃い緑色に輝く長鳴きの鶏です。
その昔は信州の農家の庭でたくさん飼われていたのですが、
鶏を飼うという文化?がなくなるとともに飼育数が減り、
他の鶏との交雑などもあり絶滅したと思われていました。
それがほんの数羽残っていました。
僕が飼っていたのはその数羽のうちの♂♀のワンペアでした。
信州唐丸は長鳴きが売り、
しかし、残念ながら一生けん命頑張って鳴いても8秒が精一杯。
信州唐丸を名乗るには最低15秒は鳴いてほしいのですが・・・。

鶏の秘密
鶏は、その昔は卵や肉としての食用ではなく、
時を告げる鳥として人に飼われていました。
また鶏同士を戦わせる闘鶏としても飼われていました。
日本で飼われはじめたのは弥生時代といわれています。
鶏が朝鳴くべきなのに、宵のうちになく宵鳴きをしたため、
朝だと勘違いをして恋路を邪魔されたという歌が、
万葉集にも詠まれています。
このように我々人間ともっとも長く一緒に過ごしていた生き物の一つが鶏です。

鶏の名は
鶏の昔の名はカケと呼ばれ、これは鳴き声からつけられました。
その後、庭で放し飼いされていることから、庭の鳥→ニワトリとなった説があります。

トサカは何のため
パンクの髪型“モヒカン”のような、
頭の上にある赤くギザギザに尖っているトサカ、
鶏にとっても大事なものです。
このトサカが赤いのはたくさんの毛細血管が集まっているためです。
そして、この赤には意味がありました。
鳥は赤を認識することができるため、
他の雄鳥への威嚇、
雌鳥への恋のアピールの役割となるのです。
トサカは♂の強さの象徴であり、睾丸からでるホルモンがトサカを大きくします。
そのほか血管が集まっているため、
暑い夏などトサカから放熱する体温調整の役割も果たしています。

歩くときに首を振るのはなぜ?
ハトもそうですが、鶏は歩くとき首を前後に振ります。
これは自分で歩かなくても、自転車に乗せても首を振ります。
人間は動きながら景色を見るとき、
眼球を動かすことによって対象を追うのですが、
鶏は眼球を動かすことができないため、
眼球を動かす代わりに首を動かすことによって対象を追います。

鶏は縦社会
鶏は社会性動物で、グループ内には厳しい序列があります。
上位になると餌を確保するにも、交尾も、
寝るところも一番お気に入りの所、一番最初です。
そして最近、朝鳴き始めるのにも順番があり、
上位の鶏から鳴き始めることが発表されました。
一番上位の鶏が寝坊すると、みんなはじっと起きて鳴くのを待つのです。
ちなみに鳴くのは雄鶏です。

今まで僕が飼った鶏は、烏骨鶏・チャボ・軍鶏・信州唐丸です。
彼らと接して感じたイメージは「とっても賢い」でした。
僕たち人間を声・足音・姿で完全に認識していました。
チャボは朝、僕の気配を感じると、
早く出して遊んでとコォッコォッコォと鳴き始めます。
見えなくても気配で誰が来たかわかるようでした。
特に教えなくても、卵を産む巣、食事の場所、食事の時間、
餌をくれる人などをすぐに覚えました。
軍鶏も人を認識しました。
好きな人嫌いな人がはっきりしていました。
一番最初に彼とあった時、健康チェックと称して捕まえたのを
“ず~と覚えていて”
僕が小屋に入るといきなり攻撃態勢に入りました。
僕が背中を向けようなものなら、ジャンプをして頭をキック、
ものすごいキック力のため、うちどころが悪いと出血、気絶しそうになります。
軍鶏の部屋に入る時は箒と塵取りで身を守りながら、絶対背を向けませんでした。

鶏は1年間で300個ほどの卵を産み、産まなくなった鶏は処分されてしまいます。
しかし、この処分されそうな鶏を1週間ほど断食させると、
不思議なことに艶もなくなりボロボロだった羽は生え代わり、
そして再び卵を産みだし、肝臓も脂肪肝から改善、砂嚢は2倍に大きくなり、
肉の中の脂肪も減少します。
断食によりダイエットとともに若返りました。

今年は酉年、
このブログを書きながら食べている大福を最後にし、
まずは1週間断食をするぞ、
そして、我が家も鶏同様、厳しい縦社会だが、
妻より先に起きた時、起こさないように静かにしているのではなく、
ひと鳴きして僕の地位をあげるぞ。



<五十三次どうぶつ病院  北澤 功>
 〒143-0012 東京都大田区大森東1-5-2
 病院の診療時間 午前9:00~12:00  午後13:00~19:30
         日曜日は午後17:00までとなります。  
 休診日 月曜日



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